二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 153章 幼き力 ( No.316 )
- 日時: 2011/07/22 00:17
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
- 参照: http://pokegai.jp/
「メブキジカ、破壊光線!」
メブキジカは出て来て早々、極太の光線を発射する。
まさか初っ端からそんな大技を使ってくるなどとは想像もせず、ゴチルゼルは破壊光線の直撃を受ける。
「うぅ。でも、破壊光線には攻撃後の反動がある。ゴチルゼル、目覚めるパワー」
ゴチルゼルは空色の小球を無数に発射し、メブキジカを攻撃する。反動で動けないメブキジカは直撃を受け、かなりのダメージを受けた。
「アタクシのゴチルゼルの目覚めるパワーは飛行タイプ。草タイプを持つメブキジカには効果抜群。ゴチルゼル、お次はサイケ光線」
ゴチルゼルは掌を突き出し、そこから念波を光線として発射する。
「メブキジカ、ジャンプで避けて!」
メブキジカは襲い来るサイケ光線を跳躍して回避し、そのままゴチルゼルの目の前に着地。
「二度蹴り!」
そしてゴチルゼルを二回蹴り飛ばす。効果いまひとつだが、結構効いている。
「さらにウッドホーン!」
次にメブキジカは角を突き出し、ゴチルゼルを突き上げる。
「ゴチルゼル、悪の波動」
ゴチルゼルはメブキジカとの距離ができた事で、悪意に満ちた黒い波動を放つ。波動はメブキジカに直撃し、そこそこのダメージを与えた。それによりやや焦ったような表情のカトレアは、少し落ち着く。
「まだまだ……メブキジカ、シャドーボール!」
「ゴチルゼル、サイケ光線で相殺よ」
後ずさったメブキジカは素早く黒い影の球を発射するが、ゴチルゼルはその球体に光線状の念波をぶつけ、相殺する。
「目覚めるパワー」
そしてゴチルゼルは空色の小球を発射する。
「ウッドホーンで突っ切って!」
メブキジカは桜の枝ののような角を突き出し、突進する。途中で空色の小球が幾度となく襲うが、そんな事は気にせずににただひたすら走り、ゴチルゼルに突撃する。
「そのまま突き上げて!」
メブキジカは正面から突いた角を一旦引き、怯んでいるゴチルゼルを再度突き上げる。
「ゴチルゼル、悪の波動」
ゴチルゼルは突き上げられた後、すぐに空中で体勢を立て直して悪意に満ちた黒い波動を連続で発射する。
「くぅ……メブキジカ、シャドーボール!」
メブキジカは反撃の悪の波動を喰らいつつも影の球を発射し、ゴチルゼルを攻撃。
「これは空中で戦った方が良さそうね……ゴチルゼル、そのままサイケ光線」
ゴチルゼルは空中から念波の光線を発射する。
「メブキジカ、かわしてシャドーボール!」
メブキジカは素早い動きでサイケ光線をかわし、シャドーボールを放つ。
「跳び上がってウッドホーン!」
シャドーボールを牽制球に、メブキジカは大きく跳躍して角の一撃を放つが
「目覚めるパワー」
ゴチルゼルは飛行・目覚めるパワーを放ち、メブキジカを迎撃する。
「もう一度目覚めるパワー」
「メブキジカ、出来るだけかわして!」
ゴチルゼルは再度空色の小球を放ち、メブキジカはそれらをバックステップでかわしていく。しかし動きを先読みされ、回避行動を起こした瞬間、いくつもの小球がメブキジカを襲う。
「サイケ光線」
そしてさらにサイケ光線も見舞う。これだけ撃ち込まれれば、ウッドホーンで体力を回復したとはいえ、瀕死ギリギリだろう。
「まだ……まだだよメブキジカ……」
しかしミキもメブキジカも全く諦めておらず、まだまだやる気だった。
「……何でそこまで必死なのかしら?」
カトレアはミキに問う。その表情は真剣だった。
「何でって……それはこのバトルが世界の危機にも繋がるからで——」
「違うわ。どこをどうしたらこのバトルが世界に繋がるのかは知らないけど、アタクシが聞きたいのはそんな外部による理由じゃない。あなた自身の事よ」
カトレアの言葉にしばし黙り込むミキだが、やがて顔を上げて口を開く。
「私は強くなりたいんです。何故強くなりたいかと言われればいろいろありますが、とにかく強くなりたいんです。強くなって——私自身の夢を叶えたいんです!」
「!」
ミキの言葉に、カトレアは驚きの感情を剥き出しにしたような表情をする。
「メブキジカ、ウッドホーン!」
メブキジカは跳躍し、ゴチルゼルに向かって角を突き出す。
「ゴチルゼル、悪の波動!」
ゴチルゼルは向かい来るメブキジカに連続で黒い波動を放つが
「三度目の正直です。メブキジカ、シャドーボール!」
メブキジカは連続でシャドーボールを撃ち出し、悪の波動を全て相殺する。そしてメブキジカのウッドホーンはゴチルゼルにヒットし、そのままどちらとも地面に落下する。
「くっ、ゴチルゼル、破壊光こ——」
「メブキジカ、破壊光線!」
カトレアより早くミキが指示を出し、メブキジカは至近距離から破壊光線を発射する。
「一族に伝わる心得、嗜みを持ってしても勝てない……そんなエクセレントでエレガントなトレーナーと戦うためにここに来た。でも、あなたと戦っていると、そんなことどうでもよくなってしまうわ」
バトル終結後、カトレアは清々しい表情でそう言ってきた。
「アタクシは昔、強い力を持っていた。でも未熟な心故に力が暴走し、周りの人を傷つけ、戦いを禁じられた。そしてアタクシは強くなる事に臆病になってしまった。今でも力があるから、これ以上の力はいらないと」
カトレアは独り言のように、話し続ける。
「でも本当は違った。本当はもっと強くなって、戦いたかった。当時から焦がれていたのは、今のような心躍る時」
そこで初めて、カトレアは笑顔を見せた。
「あなたのその自分のため、仲間のため、ポケモンのために戦い、諦めない姿勢。そして何にも怯えずに力を手にする気持ち。アタクシは好きよ。だから、是非とも夢を叶えて頂戴」
ミキVSカトレア、ついに終わりました。このバトルはやや変則的でしたがまあ気にしません。そしてこれで四天王とのバトルが終わり、ついにプラズマ団との最終決戦に移行します。……ですがその前に、消化し切っていない番外をやろうと思います。知る人ぞ知るバトルサブウェイでのバトルです。忘れている人も多そうですが。では、本編もあとがきも長い今回で、次回は番外。お楽しみに。