二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 番外編 マルチバトルサブウェイ 前編 ( No.317 )
- 日時: 2011/07/23 19:29
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
- 参照: http://pokegai.jp/
ここはバトルサブウェイライモンシティ行きスパーマルチトレイン最終車輌。
長ったらしいが、要するにバトルサブウェイの最後の車輌である。
そこに、2人の人間がいる。1人は黒を基調とした服を着た、落ち着いた雰囲気の男。もう1人は白を基調とした服を着た、幼い雰囲気の男。
名を、黒服の方はノボリ、白服の方はクダリ。2人ともバトルサブウェイの車掌にして、サブウェイマスターを務める者たちだ。
「……来た」
椅子で寝ていたクダリが、目を覚ましつつ唐突にそう言う。
「そうですね」
ノボリもそれに応じる。クダリが起き上がりノボリの横に立つと、目の前の扉が開かれる。
開かれた扉の先にいるのは、青い服に黒と赤の帽子を被った少年イリスと、ピンク色の髪の年端も行かぬ少女ミキだった。
「では、改めまして挨拶を。私、サブウェイマスターのノボリと申します」
イリスとミキが扉を開けると、そこにはサブウェイマスター、ノボリとクダリがいた。
「今更、ここまでいらしたあなた様方に言う事は何も御座いません。ですから、今までにない史上最高の戦いを、始めましょう」
ノボリのテンションはいつになく高かった。昔から一緒にいるクダリには分かる。
「それは面白そうですね。燃えてきました」
そしてイリスのテンションもノボリに負けず劣らず高かった。弟子であるミキには分かる。
「ではクダリ、何か御座いましたらどうぞ」
ノボリはクダリに振る。そしてクダリは口を開く。
「僕もこうして全力で戦うのを楽しみにしてた。今の気持ちは、最高に良い気分。でも、やる事いう事いつでも同じ」
そしてクダリは、開戦の号令のように、言葉を続ける。
「ルールを守って安全運転!ダイヤを守って皆さんスマイル!指差し確認、準備オッケー!目指すは勝利、出発進行!」
「お行きなさい、クイタラン!」
「出て来て、アイアント!」
ノボリが繰り出したポケモンは、赤と黄色の体色で足や頭部は茶色、身体の表面各所にはパイプやチューブ状の器官がある、アリクイポケモンのクイタラン。
クダリが繰り出したポケモンは、小さな体躯に、目と足以外を銀色に輝く鋼鉄の鎧を身に纏っている蟻のような姿をした、鉄蟻ポケモンのアイアント。
「出て来い、ズルズキン!」
「行って、ドリュウズ!」
そしてイリスが繰り出すポケモンはズルッグの進化系、ズルズキン。ミキが繰り出すポケモンはモグリューの進化系、ドリュウズ。
「ほう。どちらのポケモンも進化したのですか。これは楽しいバトルになりそうですね。クイタラン、気合玉です!」
クイタランは気合を凝縮した球体を作り、それをドリュウズに向けて放つ。
「ドリュウズ、気合玉!」
だがドリュウズは同じく気合玉を放ち、クイタランの気合玉を相殺する。
「ドリュウズ、ドリルライナー!」
「ズルズキン、炎のパンチ!」
ドリュウズは鋼鉄でできた頭と爪を合わせてドリル状になり、高速回転しながらクイタランに突っ込む。
ズルズキンは拳に炎を纏わせ、アイアントに向かって走り出す。
「クイタラン、弾ける炎!」
「アイアント、アイアンヘッド」
クイタランは炎の塊をドリュウズに発射し、アイアントは向かい来るズルズキンを逆に突撃する事で迎撃。
「虫の抵抗」
そしてアイアントは無数の小さな虫を放つ。虫は回転中のドリュウズとズルズキンに当たるが、ダメージはほとんどない。
「ドリュウズ、炎を突っ切って!」
ドリュウズはクイタランの放った炎を突っ切り、多少威力の落ちたドリルライナーをクイタランに決める。
「あそこまで簡単に消されると、弾ける炎も飛び火しませんね……クイタラン、もう一度弾ける炎!」
クイタランは再度炎を塊を発射するが、その標的はズルズキンだ。
「ズルズキン、かわ——」
「させない。アイアント、雷の牙」
アイアントはズルズキンの行動を先読みして、ズルズキンに電気を帯びた牙で噛み付く。
「くっ……ズルズキン!」
雷の牙で捕らえられたズルズキンは弾ける炎を喰らい、また飛び火した火の粉がドリュウズを襲った。
「ドリュウズ、気合玉!」
「クイタラン、気合玉です!」
ドリュウズはアイアントをズルズキンから引き剥がすために気合玉を放ち、またクイタランも気合玉を放つ。
どちらとも相殺されるかと思われたが、勝ったのはクイタランの気合玉だった。
「虫の抵抗は特攻を下げる技。それでドリュウズの特攻も下がった。アイアント、シャドークロー」
アイアントは牙だか爪だか分からない部位に影の爪を作り、ズルズキンを切り裂く。
「鬱陶しいな……ズルズキン、炎のパンチ!」
ズルズキンはなかなか離れないアイアントに、炎の拳を叩き込む。タイプ相性で威力4倍だ。しかしアイアントは倒れなかった。
「オッカの実。効果抜群の炎技を半減させる」
見るとアイアントは腹の下には赤い木の実があった。
「ドリュウズ、メタルクロー!」
「クイタラン、切り裂く攻撃!」
そしてドリュウズとクイタランも、接近戦を繰り広げている。
「もう一度メタルクロー!」
「虫食いです!」
クイタランはドリュウズの鋼鉄のように硬い爪をかわしつつ、ドリュウズの体にかぶりつく(と言っても長い舌で突っつくようなもの)。
「ドリュウズ、岩雪崩!」
ドリュウズはクイタランから距離を取り、雪崩のように岩石を降り注ぐ。
「ズルズキン、跳び膝蹴り!」
そしてズルズキンは岩雪崩を喰らって怯んだアイアントに、全身全霊の跳び膝蹴りを喰らわせ、戦闘不能にする。
「まだまだ。ズルズキン、噛み砕くだ!」
次にズルズキンはクイタランに接近し、その赤い体躯にかぶりつく。
「ドリュウズ、気合玉!」
そしてドリュウズは気合玉をぶつけ、クイタランを吹き飛ばす。
「諸刃の頭突きだ!」
最後にズルズキンは頭を突き出し、猛烈な勢いでクイタランに強烈な頭突きを喰らわせ、戦闘不能にする。
「予想以上に成長しましたね。ですが、バトルはまだ始まったばかり。まだまだ先は見えませんよ!」
バトルサブウェイマルチバトル。まだまだ続くのであった。
今回は番外なのですが、いきなり長めになってしまいましたので、あとがきは短く。では、次回のノボリ&クダリ戦もお楽しみに。