二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 156章 最終決戦 プラズマ団の城 ( No.322 )
日時: 2011/07/23 23:56
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
参照: http://pokegai.jp/

「ゾロアーク、火炎放射だ」
ゾロアークは口から灼熱の炎を放射し、ダイケンキを攻撃する。しかし水タイプは炎タイプに強いので、あまりダメージを受けない。
「ダイケンキ、吹雪だ!」
ダイケンキは吹雪を放ち、燃え盛る炎を消す。
「そこからメガホーン!」
そしてダイケンキは勢いよく角を突き出し、ゾロアークに向かっていく。
「ゾロアーク、かわしてシャドークローだ」
ゾロアークはその一突きを体を横にずらしてかわし、影で作った爪で切り裂く。
「だったら、シェルブレード!」
だがここで止まるダイケンキではなく、前足の鎧からアシガタナを取り出し、水のエネルギーを纏わせてゾロアークに斬り返す。
「下がれ、ゾロアーク。バークアウトだ」
ゾロアークは一旦ダイケンキから距離を取り、けたたましい叫び声をあげる。
「ダイケンキ、吹雪で相殺だ!」
ダイケンキはその叫び声に対し、吹雪を放って対抗する。バークアウトには特攻を下げる効果があるので、特殊技も使うダイケンキとしてはあまり喰らいたい攻撃ではない。
「メガホーン!」
そしてダイケンキは、また角を勢いよく突き出して攻撃。
「さっきと同じだ。かわしてシャドークロー」
ゾロアークもさっきと同じ行動で、ダイケンキのメガホーンをかわすと影で作った爪でダイケンキを切り裂くが
「鎧で防御だと……!」
ダイケンキは前足を上げ、ゾロアークのシャドークローを防御する。それだけではなく、鎧の隙間に爪を挟み、上手く腕を封じている。
「そこからシェルブレード!」
そしてダイケンキはまたもアシガタナを取り出し、水のエネルギーを纏わせてゾロアークを切り裂く。今度の攻撃は結構効いたようだ。
「くっ……ゾロアーク、火炎放射」
ゾロアークは牽制のつもりか、口から灼熱の炎を放射する。
「吹雪で打ち消せ!」
ダイケンキは今度は喰らう前に吹雪で炎を消す。
「ゾロアーク、シャドークローだ」
ゾロアークは大きく跳躍し、上空から影の爪で切り裂いてくる。
「ダイケンキ、シェルブレードで引き剥がせ!」
ダイケンキは両手にアシガタナを構えた二刀流でゾロアークを引き剥がそうとするが、ゾロアークは素早く動いてダイケンキの攻撃をかわし、またシャドークローで攻撃してくる。
「……なあ、なんでプラズマ団なんかに協力してるんだ?」
バトル中……それも自分が不利だというのに、イリスはめいるに問いかける。
「隊員になれば規則や規制があって邪魔だからな。だから私はプラズマ団ではない」
「そういう事じゃない。プラズマ団じゃない理由じゃなくて、協力している理由だよ」
イリスは少々ボケたメイルに、再度回答を促す。
「……別に、お前には関係ない」
話すつもりはないらしく、メイルはばっさりと切り捨てる。
「そうか」
そしてイリスも興味があるのかないのかなんなのか、すぐに退く。
「ダイケンキ、全方位に吹雪だ!」
ダイケンキはシャドークローの連撃を喰らう中、全方向に向けて吹雪を放つ。範囲が広い分威力は落ちるが、それでもゾロアークを引き剥がす事はできた。
「くっ……ゾロアーク、ナイトバースト!」
ゾロアークはこれで決めるつもりなのか、黒い暗黒の衝撃波を自分を中心として全方位に放つ。
「ダイケンキ、こっちもフルパワーで迎え撃つぞ。ハイドロカノン!」
ダイケンキは巨大な水の弾丸を作り出し、自分を銃身に見立ててそれを発射する。
水の弾丸は暗黒の衝撃波とぶつかり、少しせめぎ合うが、最終的にはハイドロカノンがナイトバーストを突っ切り、ゾロアークを吹き飛ばす。
「…………」
メイルは呆然としている。それもそうだ、メイルのゾロアークのナイトバーストは今までどのポケモンも押し返した事は勿論、突き破った事もないのだ。
「それじゃあ、僕は行かせてもらうよ」
イリスはダイケンキをボールに戻し、階段を上る。
「……これで良かったのか、N」
メイルの呟きは、イリスには聞こえていなかった。



イリスが神殿に到着した時には、もうバトルは終わっていた。
「……終わった」
Nはポケモンを戻しながらそう呟く。そしてその正面には、蹲るチャンピオンアデクの姿と、仰向けに倒れている太陽ポケモンウルガモスがいる。
「もうポケモンを傷つける事も、縛りつける事もなくなる。トモダチの……ゼクロムのお陰だ」
Nは誇らしげに言う、それこそ自分の友達を自慢するように。
「もっとも、チャンピオンという肩書きでは僕を止められない。それにチャンピオン……あなたは優しすぎるんだ」
Nの目が、鋭く真剣なものに変わる。
「数年前、パートナーだったポケモンを病で失い、心の隙間を埋めるためにイッシュを彷徨っていた……本気で戦ったのも久しぶりだったんでしょう?」
これはイリスも知らなかった事だ。Nがどうやってそれを知ったかは定かではないが、今はそんな事は関係ない。
「まあ、あなたのそういう部分は嫌いじゃないけど。それよりも、僕はチャンピオンよりも遥かに強いトレーナーとしてイッシュに号令をかける。『全てのトレーナーよ、ポケモンを解き放て』とね」
アデクがその言葉に反応し、顔を上げるが、Nの気迫に気圧され、言葉が出ない。
しかし

「そんな事はさせない!」

イリスは叫ぶ。アデクの代わりに、ポケモンを愛するトレーナーの代わりに。
「イリス、来たのか。待っていたよ。途中でいろいろあっただろうけど、ここに来れたんだね」
「……ああ、お陰様でな」
イリスは低い声でNの言葉を返す。しかしNはベル以上にマイペースだ。
「君のライトストーン、僕のゼクロムに反応しているね。君とは早く決着を着けたいけれど、伝説のドラゴンが戦うべき舞台はここじゃない」
そう言うとNは後を向き、両手を上げて高らかに叫ぶ。

「さあ、地より出でよ!プラズマ団の城!このポケモンリーグを囲め!」



今回はメイルとの決着、そしてNとの最終決戦間近という事で、城が出てくる直前のところまで来ました。もうすぐ、プラズマ団との戦いも終わります。では、次回もお楽しみに。