二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 160章 Nの過去 ( No.326 )
- 日時: 2011/07/24 20:16
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
- 参照: http://pokegai.jp/
プラズマ団の城2階にて、イリスは1つだけ違う部屋を見つける。どこが違うと言われると返答に困るが、言うなれば雰囲気が違うのだ。
「…………」
罠かもしれない。そう思いつつ、イリスは半分興味本意でその部屋に入る。するとそこには、2人の女性が立っていた。
「あなたは、英雄の者ですね」
片方の女性が、イリスに問いかける。
「は、はい……」
「私は愛の女神」
「私は平和の女神」
全体的にピンク色っぽいのが、愛の女神。黄色っぽいのが平和の女神だ。
「あなたのポケモンは癒えているようなので、私の出番はありませんね」
そう言うと愛の女神は一歩後に下がる。すると代わりに平和の女神が一歩前に出る。
「今からあなたに聞かせたい事があります。Nの、過去についてです」
「おい、キリハ。お前随分と余裕ぶっこいてるけど、リオの事、心配じゃないのか?」
「それは愚問というものだよ、ザキ。PDOでリーダーとサブリーダーを除けば、リオに敵う者なんていない。それは君だって分かっているだろう」
「まあそうだけどよ……ところで、お前はリオの事、恨めしいとか思ってないのか?」
「ん?」
「俺がセッカ支部の統括になって、お前がその統括補佐に昇格して、それから半年。お前はヒウン支部の統括にまで昇進したろ」
「そうだね」
「でもそのさらに半年後、リオがヒウン支部に来て、瞬く間に統括にまで昇進。悪く言えば、リオはお前から統括の座を奪ったんだぜ?」
「そうだね。でも、僕には統括なんて地位はいらないよ。僕は人の上に建つのが苦手で、人の下に居座るのが好きなんだ」
「……あっそ。確かにお前は昔からそういう奴だったな」
「それにリオが統括になってからは、ヒウン支部は一気に肥大化したしね。今やイッシュ一の支部だ」
「ねえ、そこのお2人さん」
「ねえ、そこのお2人さん」
とキリハがそこまで言うと、戦っていたルーとリンが口を挟む。
「いくら僕たちに速攻で勝ったからって、2人で話し込まないでよ。僕らが惨めだ」
「いくら私たちに速攻で勝ったからって、2人で話し込まないでよ。私らが惨めよ」
ルーとリンだけは双子なので、分断されるときも一緒でキリハとザキのペアにダブルバトルを挑んだ。しかしキリハとザキのペアは想像を遥かに超えるほど呼吸が合っていて、ルーとリンは手も足も出ず速攻でやられた。
「敗者がぐだぐだ抜かすな。俺たちがなにしてようと、俺たちの勝手だ」
ルーとリンの苦言を、ザキはばっさりと切り捨てる。
「バスラオ、冷凍ビーム!」
「ギギギアル、放電」
バイオVSテラのバトル。最初はバイオの青筋バスラオをテラのツンベアーが下したが、さらに繰り出されたバイオの赤筋バスラオによってツンベアーが敗北。今はギギギアルとバスラオのバトルである。
「バスラオ、渦潮だ!」
バスラオは巨大な渦巻きを発生させ、ギギギアルの身動きを取れなくする。
「ギギギアル、放電だ」
しかしギギギアルは最高出力の電撃を放出し、渦潮を吹き飛ばす。
「アクアジェット!」
「金属音だ」
バスラオは水を纏ってギギギアルに突進。ギギギアルは金属音を鳴らすが、バスラオは止まらずにギギギアルに激突。
「よし、いいぞバスラオ。続けてアクアテール!」
バスラオは続けざまに水を纏った尻尾でギギギアルを叩きつける。
「チャージビームだ」
だがギギギアルは堅く、まだ戦闘不能にはなっていない。そしてギギギアルは電撃の光線を至近距離からバスラオに食らわせる。
「バスラオ!」
見るとバスラオは戦闘不能だ。これでバイオの手持ちは、残り2体。
「ガマゲロゲ、地震!」
「ナットレイ、鉄壁!」
ナットレイは自身を鋼のように硬化させ、ガマゲロゲの地震のダメージを軽減する。
「ミラーショット!」
そしてナットレイは銀色の光を発射する。光はガマゲロゲの顔面に命中し、仰け反らせる。
「今がチャンス。ナットレイ、パワーウィップ!」
ナットレイは蔦をしならせ、渾身のパワーウィップを喰らわせる。
「くっ、戻ってくれ、ガマゲロゲ」
ミナアキは苦々しげにガマゲロゲをボールに戻す。
「大した事ねえなあ。腕が落ちたんじゃねえの?」
レドが挑発してくるが、ミナアキはそれを無視。そして次のポケモンを繰り出す。
「頼むぞ、ケンホロウ!」
ミナアキは次に飛行タイプを持つケンホロウを繰り出す。
「ケンホロウ、風起こし!」
ケンホロウは翼を羽ばたかせて猛烈な風を起こし、ナットレイの体力を削る。
「電光石火!」
そして素早いくナットレイに接近し、攻撃する。
「ちっ、面倒なポケモンが来やがった……!」
レドは忌々しげに呟く。
「Nの、過去……?」
「はい。Nは幼い頃から、たくさんのポケモンと触れ合ってきました。ですが、そのポケモンたちは全てゲーチスが集めたもの。それも、トレーナーに裏切られ、酷い傷を負ったポケモンだけを、Nに与えていました」
「……Nには、その時からポケモンと話せる能力が?」
「はい。Nそういった傷を持つポケモンと痛みや悲しみを共有し、ポケモンの味方となり、人間を嫌いました。Nの心はピュアでイノセント。イノセントな心ほど、闇に染まりやすいものはないのです」
平和の女神の話を聞き、イリスは1つの結論を出す。
「それってつまり……Nはゲーチスに心を操られているのと、同じじゃないか……!」
この時、イリスの心は揺れる。イリスの覚悟は修正される。
今回はあの2人の女神が登場しました。まあ、正直愛の女神は何もやってませんがね。では、次回もこんな感じで。お楽しみに。