二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 166章 前哨戦Ⅱ ( No.332 )
日時: 2011/07/25 20:03
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
参照: http://pokegai.jp/

「ありがとう、バイバニラ。戻ってくれ」
Nは戦闘不能となったバイバニラをボールに戻す。
「次はこのポケモンで行くとしよう。出て来てくれ、アバゴーラ!」
Nの3番手は青い体に黒い甲羅を背負ったカメ型のポケモン、アバゴーラだ。
「アバゴーラ……? そのポケモンは水・岩タイプ。格闘タイプを持つズルズキンには不利だが……」
イリスはNのポケモンのチョイスにいぶかしむ。
「タイプ相性だけじゃポケモンバトルは決まらないらしいよ。アバゴーラ、アクアジェット!」
アバゴーラは水を纏い、高速でズルズキンに突っ込む。
しかし防御の高いズルズキンだ、その程度の攻撃は手傷にしかならない。
「ズルズキン、跳び膝蹴り!」
ズルズキンは突撃してきたアバゴーラに強烈な膝蹴りを喰らわせ、吹っ飛ばす。硬化抜群の技なので防御が高いとは言っても相当効くはずだが
「余裕って感じの顔だな……」
アバゴーラは何事もなかったかのような顔で着地する。その表情には今だ余裕が見える。
「僕のアバゴーラの特性はハードロック。効果抜群の技の威力は軽減されるのさ」
詰まるところはそれだった。ズルズキンの攻撃はアバゴーラの特性、ハードロックによって威力が軽減されていたのだ。
「さて、次からは本気で行くよ。アバゴーラ、殻を破る!」
突如アバゴーラの体が光り、赤い割れ目のようなものができる。その割れ目は次第に広がっていき、やがて砕け散る。
「殻を破る葉防御系能力を下げる代わりに攻撃系の能力と素早さを上げる技だ。アバゴーラ、アクアジェット!」
アバゴーラは再度水を纏ってズルズキンに突っ込むが、そのスピードはさっきの倍以上だ。
「さらに地震!」
そしてアバゴーラはズルズキンが仰け反っている隙にヒレを地面に叩きつけ、地面に衝撃を伝える。
「ぐぅ、ズルズキン、噛み砕く!」
「かわせ、アバゴーラ」
ズルズキンは反撃にとアバゴーラにかぶりつこうとするが、殻が破れて身軽なアバゴーラは、その攻撃を容易く避ける。
「アバゴーラ、岩雪崩!」
次にアバゴーラは虚空から無数の岩を出現させ、ズルズキンに降り注ぐ。
「ズルズキン、諸刃の頭突き!」
ズルズキンはその無数の岩に対し、自身をも傷つける勢いの頭突きを繰り出して片っ端から砕こうとするが、流石に無理だった。
「終わりだ。アバゴーラ、アクアジェット!」
アバゴーラは水を纏い、高速でズルズキンに激突する。ダメージの蓄積していたズルズキンはその攻撃を受けて、遂に戦闘不能となってしまう。
「戻ってくれ、ズルズキン」
イリスはズルズキンをボールに戻す。
「アバゴーラが相手なら……こいつだ。出て来い、デンチュラ!」
イリスの3番手は電気蜘蛛ポケモンのデンチュラ。虫・電気タイプのポケモンだ。
「デンチュラ、エレキボール!」
デンチュラは電撃を凝縮した球を発射。球は高速でアバゴーラに飛んで行く。
「アバゴーラ、アクアジェット!」
アバゴーラはその球をアクアジェットで回避する。そしてそのままデンチュラに突っ込んでいくが
「もう一度エレキボール!」
アバゴーラとデンチュラが衝突する寸前にデンチュラはエレキボールを発射し、アバゴーラに直撃させる。
「シグナルビーム!」
さらにデンチュラはいろいろな色彩の光線を束ねて発射。
「くっ、だがシグナルビームは効果いまひとつ、大したダメージじゃない。アバゴーラ、岩雪崩!」
アバゴーラは虚空から岩を発生させ、それをデンチュラに降り注ぐ。
「デンチュラ、避けきれないのは切り裂け。シザークロス!」
デンチュラは軽快な動きで降り注ぐ岩をかわしていき、かわし切れない場合は爪を交差させて切り裂き、最終的には一撃も喰らわなかった。
「さあ行くよ、デンチュラ。ワイルドボルト!」
デンチュラは激しい電撃を身に纏い、物凄い勢いでアバゴーラに突進する。
「アバゴーラ、地震で喰い止めろ!」
アバゴーラはヒレを地面に叩きつけて地面を伝う衝撃を放つが、デンチュラはそれをジャンプで回避する。
「シザークロス!」
そしてアバゴーラはシザークロスとワイルドボルトのダブルアタックを喰らい、かなりのダメージを受ける。殻を破るで防御を下げたのが裏目に出たのだ。多少素早さをあげてもアバゴーラではデンチュラには追いつかない。
「デンチュラ、シグナルビーム!」
「こうなれば徹底的に素早さ強化だ。殻を破る!」
デンチュラの放つ色彩を束ねたカラフルな光線を、アバゴーラは殻を破って素早さを上げて回避する。
「アクアジェット!」
そして水を纏い、デンチュラに突撃。しかし
「かわしてエレキボール!」
素早さではまだデンチュラに敵わず、アバゴーラのアクアジェットは簡単に避けられ、デンチュラの放つ電撃の球を喰らってしまう。
「これでとどめだ。ワイルドボルト!」
デンチュラは激しく弾ける電撃をその身に纏い、アバゴーラに猛突進。エレキボールの直撃を受けて仰け反っているアバゴーラはデンチュラの恰好の的で、アバゴーラはワイルドボルトも直撃を喰らい、戦闘不能となる。
「……戻ってくれ、アバゴーラ」
Nはアバゴーラをボールに戻す。
「まさか堅いアバゴーラがこんなに簡単にやられるとは、恐れ入ったよ」
「恐れ入ったのはこっちの方だ。それに、アバゴーラを倒すのはそんなに簡単でももなかった」
「そうかい……それじゃあ、行くよ。僕の次のトモダチ」
Nはボールを構え、次なるポケモンを繰り出す。



今回はイリスVSN、パート3です。いやーそれにしてもこのバトル、案外早く終わりそうですね。まあ、その後に重大イベントが控えているわけですから、そんなに長くするわけにもいかんですしね。それはそうと、アニメでの岩雪崩ってミステリアスな技なんですよ。異次元っぽいところからいくつもの岩を落としてるんですよ。気になる方は、アニメ、ポケットモンスターベストウィッシュの40話をご覧ください。では、あとがきが珍しく長くなったところで、今回分のあとがき終了です。次回もお楽しみに。