二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 171章 炎と雷が交わりし時 ( No.340 )
日時: 2011/07/26 22:35
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
参照: http://pokegai.jp/

「レシラム、クロスフレイム!」
「ゼクロム、クロスサンダー!」
レシラムは球状の火炎を創り出し、ゼクロムへ向けて放つ。
ゼクロムは球状に雷撃で身を包み、レシラムへ向けて特攻。
炎と雷が交わり、途轍もない爆発を起こす。
「ぐぅ。レシラム、龍の波動!」
レシラムは爆発で生じた砂煙を振り払い、龍の力を波動として発射する。
「ゼクロム、かわして思念の頭突き!」
ゼクロムは龍の波動を飛んで回避し、上空からの思念の頭突きを繰り出す。
「さらにドラゴンクロー!」
思念の頭突きを喰らい、怯んだレシラムは、ゼクロムの追撃のドラゴンクローも喰らってしまう。
「神通力!」
しかしレシラムはすぐさま神通力を使い、ゼクロムの動きを止める。そして地面に思い切り叩きつけ、攻撃する。
「ゼクロム、下がれ」
「レシラム、深追いはするな」
ゼクロムはレシラムから距離を取り、レシラムはその場から動かず青い眼でゼクロムを見据える。
「これは……随分ときついバトルだな……」
「そうだね……」
イリスもNも結構息が上がっている。ポケモンバトルというものは、意外と体力や気力を消費するもので、ポケモンだけでなくトレーナーも疲れるのだ。イリスとNは連戦……しかもこの戦いは伝説と呼ばれしポケモン、レシラムとゼクロムの戦いだ。普通以上に気力を消費するのは当然で、二人ともかなり疲弊している。
「でも、ここで勝負を投げ出したりはしないよ。レシラム、青い炎!」
「ゼクロム、雷撃!」
レシラムは青く美しい炎を放ち、ゼクロムは激しい雷を纏って突撃する。
青い炎はゼクロムを包み込むが、ゼクロムは身に纏う電撃でそれを完全にシャットアウトしている。ゼクロムは青い炎をどんどん押し返していき、最終的にはレシラムに衝突し、吹っ飛ばす。
「フッ、これが僕とゼクロムの力だよ」
ゼクロムは赤い眼光で吹っ飛ばされて地面に叩き落されたレシラムを見下ろしている。
「くっ、まだだ!レシラム、龍の波動!」
レシラムは下から上に向けての龍の波動を発射し、ゼクロムを攻撃する。
「ゼクロム、ドラゴンクロー!」
ゼクロムは龍の波動を喰らいつつも爪に龍の力を込めてそれを掻き消し、レシラムに向かって突っ込む。
「レシラム、避けろ!」
レシラムは飛び立ってその爪の一撃を回避する。ゼクロムはドラゴンクローが外れると、空中へと戻っていき、レシラムと相対する。
「もうすぐだ、もうすぐ僕は英雄になるんだ。ゼクロム、雷撃!」
ゼクロムは膨大な弾ける電撃をその身に纏い、レシラムに向かって突撃する。
「レシラム、真っ向から向かってもあのゼクロムのパワーには勝てない。だから、隙を見て攻撃するんだ」
イリスは息を荒げながらも、レシラムに指示を出す。
「レシラム、青い炎!」
レシラムは青く燃え盛る火炎を生み出し、ゼクロムに向けて放つ。
「無駄だよ。君のレシラムの炎じゃ、僕のゼクロムの雷撃を止める事はできない」
「どうかな」
イリスはNの言葉に、否定的に返す。しかし、その反応も間違いではなかった。
放たれた青い炎はゼクロムを囲むような軌道でゼクロムに襲い掛かる。
「確かにきみのゼクロムのパワーは桁違いだ。僕のレシラムの炎が効かないほどにね。でも、それは真正面から向かった場合の話。こうやって多角的に攻撃すれば、ゼクロムの雷撃といえど隙を突いて打ち破る事ができる!」
イリスの言う通り、ゼクロムの纏っていた雷電は瞬く間に青い炎に飲み込まれ、ゼクロムも炎に包み込まれる。
「これでダメ押しだ。レシラム、神通力!」
レシラムは炎に包まれているゼクロムを神通力で操作し、地面へと叩き落す。
「やったか……?」
ゼクロムを包む炎は次第に消えていき、漆黒のゼクロムが姿を現す。
『バリバリダー!』
しかしゼクロムは全く堪えていない。確かに青い炎はゼクロムにダメージを与えたはずなのに。
「倒すまではいかなくとも、相当なダメージは受けたと思ったのに……!」
イリスは戦慄する。
「伝説のポケモン、ゼクロムを甘く見るなよ。いくら相手が同じ伝説のポケモン、レシラムだからとはいえ——いや、レシラムだからこそ、ゼクロムの力は増大する。ゼクロム、思念の頭突き!」
ゼクロムは頭に思念を集め、頭を突き出してレシラムに突撃する。
「レシラム、怯むな!クロスフレイム!」
レシラムは思念の頭突きを喰らうも、すぐさま球状の火炎を創り出し、ゼクロムに放つ。ゼクロムは目の前にいたので威力はかなりのものだろう。
「ゼクロム、クロスサンダー!」
しかしゼクロムは倒れず、むしろ力を増大させたかのような球状の電撃をその身に纏い、レシラムもろとも飛び上がって急降下する。
レシラムはゼクロムとともに地面に叩きつけられ、かなりのダメージを受けただろう。
「これがゼクロムのデュアルクロスだ」
ゼクロムはNの元に戻り、レシラムは今だ砂煙に包まれている。
「……確かに、僕は伝説のポケモンの認識を誤っていたかもな」
イリスは唐突に口を開く。すると、レシラムを包んでいた砂煙が、バッと払われる。
『ンバーニンガガッ!』
そこには、戦いで傷ついていても美しさを失わない純白の龍、レシラムの姿があった。
「このくらいじゃ、僕のレシラムだって倒れない。さあ、続きをやろう、N!」
真の英雄を決める龍の戦い。勝つのは白き真実か、黒き理想か。その結末は、まだ、誰も分からない……



英雄決定戦……これはやめましょう。真の英雄を決める決戦、イリスvsNの戦い、中盤に差し掛かりました。まあぶっちゃけ、そんなに長い事同じバトルはできないんですけどね。では、あとがきもこの辺にして、締め括りの言葉を。真実のレシラムと理想のゼクロムのバトル、勝つのはどちらか!次回もお楽しみに!