二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 172章 白き真実の炎 黒き理想の雷 ( No.343 )
- 日時: 2011/07/27 00:31
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://pokegai.jp/
「レシラム、神通力!」
「ゼクロム、思念の頭突き!」
レシラムは神通力でゼクロムの動きを操作しようとするが、ゼクロムは頭に思念を集め、神通力を突っ切ってレシラムに突撃する。
「ドラゴンクロー!」
そして続けざまに龍の力が込められた爪の一撃。効果抜群なので、レシラムには大ダメージだが
「レシラム、クロスフレイム!」
レシラムはその程度では倒れず、球状の火炎を創り出し、ゼクロムに向かって放つ。
「さらに龍の波動!」
レシラムは追い討ちにか、龍の力を波動として放つ。クロスフレイムに龍の波動が合わさり、絶大な破壊力となった。
「ゼクロム、雷撃!」
しかしゼクロムのそのくらいではやられず、莫大で膨大な弾ける電撃を身に纏い、レシラムに激突する。
「もう一撃!クロスサンダー!」
ゼクロムは雷撃をレシラムに叩き込んだ後、球状の電撃を身に纏ってレシラムを上空に連れ去り、そのまま急降下して地面に叩きつける。
「くっ……レシラム、青い炎!」
レシラムは地面意叩きつけられてすぐ、青く美しく燃え盛る火炎を放ち、ゼクロムを包み込む。
「龍の波動!」
そして青い炎に包まれたままのゼクロムを龍の波動で押しやる。
「最後に神通力!」
さらに神通力でゼクロムの体を操り、地面に叩き落す。
青い炎、龍の波動、神通力の三連コンボは、流石のゼクロムも効いただろう。
「ゼクロム、まだ戦える!思念の頭突き!」
ゼクロムは頭に思念を集め、レシラムの顔面に強烈な頭突きを放つ。
「くっ、レシラム、神通力!」
「ゼクロム、ドラゴンクロー!」
レシラムは神通力でゼクロムの動きを止めたが、ゼクロムは全身の力を振り絞り、神通力の操作を打ち破る。そして龍の力が込められた爪でレシラムを切り裂く。
「もう一度ドラゴンクロー!」
神通力をやぶられて隙ができたレシラムに、ゼクロムは連続のドラゴンクローを繰り出す。
「調子に乗るな!龍の波動!」
レシラムは連撃のドラゴンクローを繰り出したゼクロムに、至近距離からの龍の波動を浴びせる。
「ぐっ、ゼクロム、思念の頭突き!」
ゼクロムはすぐに体勢を立て直し、頭に思念を集めてレシラムに強烈な頭突きを放つ。
「レシラム、龍の波動で押し返せ!」
しかしレシラムはゼクロムの頭突きが当たる寸でのところで龍の波動を放ち、ゼクロムを押し返す。
「ゼクロム、雷撃!」
ゼクロムは全身に膨大で莫大な弾ける電撃を纏い、レシラムに向かって高速で突撃してくる。
「レシラム、青い炎!」
レシラムは周囲に青く美しく燃え盛る火炎を放ち、ゼクロムを炎で包み込む。
『バリバリダー!』
ゼクロムは叫び、青い炎を無視するかのようにレシラムに突撃する。かなり勢いがあったので、レシラムといえど致命傷は免れないだろう。
『ンバーニンガガッ!』
レシラムも叫び、雷撃を喰らわせた直後で電撃が切れ掛かっているゼクロムを、最大火力の青い炎で再度包み込む。攻防一体の電撃が切れている状態を狙ったので、ゼクロムといえども相当なダメージだろう。
レシラムは攻撃後にイリスの正面に降り立ち、ゼクロムもまたNの正面に降り立つ。
「……そろそろ、僕のゼクロムの力は切れ掛かってるみたいだ」
「それは僕も同じだよ。レシラムの力が、もうすぐ尽きる……」
イリスとNは、互いのポケモンが弱っているのを見て、最後の一撃に賭ける事を決心する。
「ゼクロム、クロスサンダー!」
ゼクロムは蒼く弾ける球状の電撃を身に纏い、レシラムに突撃する。
「レシラム、クロスフレイム!」
レシラムは紅く燃え盛る球状の火炎を創り出し、ゼクロムに向けて放つ。
どちらも攻撃のタイミングは同じ。デュアルクロスが発動する事はなく、またどちらもデュアルクロスが発動している。
「ゼクロム!」
「レシラム!」
イリスとNは叫ぶ。
クロスサンダーとクロスフレイムはぶつかり合い、せめぎ合う。どちらの威力も互角で、一進一退どころか、微塵も動かずに競り合いが続く。
ゼクロムはタービンを高速で回転させて電撃の威力を高め、レシラムはジェットエンジンを稼動させて火炎の火力を上げていく。
『ババリバリッシュ!』
『モエルーワ!』
レシラムとゼクロムも叫ぶ。そして
「レシラム!僕らの真実を、Nの真実を見せるんだ!理想をも打ち破る、絶対的な真実を!」
イリスも叫ぶ。それをきっかけにか、クロスフレイムは徐々にクロスサンダーをの電撃を吸収していき、巨大化する。
そして……ゼクロムを焼き尽くす。
『ババリバリッシュ!』
『モエルーワ!』
ゼクロムの叫びは断末魔となり、レシラムの叫びは勝利の雄叫びとなった。
「……終わった。僕とゼクロムは敗れた……」
Nはゼクロムの倒れる姿を見て、そう呟く。
「君の思い——真実が、僕の理想を上回ったのか……」
「N……」
イリスは勝ったものの、いまいち勝利を噛み締める事ができない。
「レシラムとゼクロム。二匹がそれぞれ異なる英雄を選んだ……こんな事もあるのか。同じ時代に二人の英雄。真実を求める者、理想を求める者。ともに正しいというのか?」
Nは敗北感や苦しみというより、虚無感を感じる顔で、自問自答をしている。
「……分からない。異なる考えを否定するのではなく、受け入れる事で世界は化学反応を起こす。これこそが……世界を変えるための数式……」
Nの表情が失われていく。イリスは、今まで胸に秘めていた言葉を、ここで言う。
「N、君は間違っていない。君の理想は、間違っているわけじゃないんだ。真実と理想は決して相反するものじゃない。レシラムの炎とゼクロムの雷も、互いに力を強め合っていた」
イリスは必死に言うが、言いたい事はこれではない。
「N,真実と理想は共存できる。人間とポケモンのように」
イリスは遂に見つけ出す。自分が今までずっと言いたかった事を。
「だからN、僕と……僕と——」
「それでもワタクシと同じハルモニアの名を持つ人間なのか? 不甲斐ない息子め!」
イリスは自分の真実を打ち明けようとするが、そこで突然、ゲーチスが現れる。それも、普段は見せない怒りの感情を表して。
『!?』
イリスとNは顔を上げてゲーチスを見る。Nのはどうだが知らないが、イリスはゲーチスの言葉に驚いたというのもある。
「ハルモニアって……!」
イリスは思い出す。ファンシーなNの部屋にあったバスケットボールに書かれていた名前を。
「英雄イリスよ。あなたは確か知りたがっていましたね。ワタクシの野望を。ですからワタクシは、英雄になられたあなたへの冥土の土産として、ワタクシの真実をお教えしましょう」
ゲーチスは語る。自身の理想を、真実を……
今回は随分と本編が長くなりましたが、最後なので別に良いでしょう。今回でイリスとNの因縁の、信念の戦いは終了です。そして突如現れたゲーチス、その口から語られる衝撃の真実、理想とは……!?なんだか本当に次回予告っぽいあとがきになってしまいましたが、そんな事は気にしません。では、次回もお楽しみに!