二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 175章 逆転 ( No.348 )
日時: 2011/07/27 22:31
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
参照: http://pokegai.jp/

「サザンドラ、ドラゴンダイブ!」
サザンドラは空中から物凄い勢いをつけて下降しながら、ダイケンキへと突撃する。
「ダイケンキ、メガホーン!」
それと同時にダイケンキも角を勢いよく突き出し、サザンドラへと攻撃。
両者ともに技の衝撃で後退し、睨み合う。
「ダイケンキ、吹雪だ!」
「サザンドラ、大文字です!」
ダイケンキの放つ猛烈な吹雪を、サザンドラは大の字の巨大な炎で相殺する。
「悪の波動!」
そしてサザンドラは悪意が込められた闇の波動を無数に放ち、ダイケンキを襲わせる。
「シェルブレードで切り裂け!」
しかしダイケンキは角と両手(両前足)に持った仕込み刀のアシガタナに水のエネルギーを纏わせ、悪の波動を次々と切り裂いていく。
「メガホーン!」
そして一気に跳躍し、強烈な角の一撃をサザンドラの腹へと炸裂させる。
「ぬぅ、サザンドラ、大文字!」
サザンドラは空中で身動きの取れないダイケンキに大の字の炎を喰らわせ、地面に叩き落す。
「ドラゴンダイブ!」
そして物凄い勢いで降下し、ダイケンキに突撃し、衝突する。地面に落とされた直後だったので回避どころか防御もできず、ダイケンキはドラゴンダイブの直撃を受けてしまう。
「ダイケンキ、吹雪で吹き飛ばせ!」
しかしダイケンキはまだ倒れておらず、至近距離から猛烈な吹雪を放ち、サザンドラを空中へと吹き飛ばす。
「確かに相当強いダイケンキのようですね。ですが、その程度ではワタクシのサザンドラを倒す事などできませんよ!サザンドラ、悪の波動!」
サザンドラは悪意の波動を無数に飛ばし、四方八方からダイケンキを攻撃する。
「ドラゴンダイブです!」
そして急降下しつつ突撃するドラゴンダイブ。このサザンドラの攻撃パターンは『遠距離攻撃で攻めた後ドラゴンダイブで追撃』といった感じだろうという事が分かる。
「ダイケンキ、シェルブレード!」
ダイケンキはドラゴンダイブの直撃を受けたものの、すぐに体勢を立て直し、水のエネルギーを纏ったアシガタナでサザンドラを切り裂く。
「メガホーンで突き飛ばせ!」
そしてサザンドラとの距離がある程度できると、サザンドラに強烈な角の一撃を喰らわせ、吹き飛ばす——否、突き飛ばす。
「ここまでできるとは、完全に計算外ですよ……!サザンドラ、大文字!」
「何が計算だ。自分の事しか考えてない計算なんて、合わないに決まってる!ダイケンキ、吹雪!」
サザンドラの放つ大の字の炎を、今度はダイケンキが吹雪で相殺する。
「ドラゴンダイブです!」
「メガホーンだ!」
サザンドラは物凄い勢いで急降下し、突撃する。ダイケンキは角に力を込め、強烈な角の一突きを繰り出す。
サザンドラとダイケンキはしばしせめぎ合ったが、最終的には両方とも後退し、引き分けとなった。
「悪の波動!」
サザンドラは悪意に満ちた闇の波動を無数に放つ。
「シェルブレード!」
ダイケンキは角と刀に水のエネルギーを纏わせて一閃を放つ。
ダイケンキは悪の波動を受けて怯み、サザンドラはシェルブレードを喰らったものの、すぐに持ち直して上空へと飛び立つ。
「……まさか、こんな短時間でサザンドラがここまで消耗するとは、思ってもいませんでした」
見れば、サザンドラはかなり疲労していた。
「それほどにあなたのダイケンキは優れているという事でしょう。ならば、早めに決着を着けるのが吉。これで決めさせてもらいますよ」
ゲーチスは最後の一撃で決めるらしく、サザンドラの使える、最大級の技を指示する。

「サザンドラ、流星群!」

サザンドラが大きく叫ぶと、天井を突き破って大量の流星が降り注ぐ。流星の威力は凄まじく、ダイケンキといえどこれを喰らえばやられてしまうだろう。
だからイリスも、最後の一撃に賭ける。いや、最後の一撃で決める。

「ダイケンキ、ハイドロカノン!」

ダイケンキは自身を銃身に見立て、巨大な水の弾丸を発射する。
弾丸は降り注ぐ流星を砕き、破壊し、飲み込み、止まる事無く進み続け、サザンドラへと迫っていく。
そして、弾丸はサザンドラを貫き、地面へと落とす。
三つ首の闇の龍は地に落ち、ゲーチスの野望も、奈落の底へと落下し、霧散した。

「こんな事が……こんな事がありえるはずがない!」
ゲーチスはサザンドラが敗北すると、狂ったように叫びだす。
「僕の勝ちだ、ゲーチス。直に国際警察もここに来る。お前はもう……終わりだ」
終わり、というイリスの言葉を聞き、ゲーチスは顔を上げる。
その顔は、絶望に染まって……いなかった。
「終わりか……終わりだとな。フフ……フハハハハ!」
そしてゲーチスは、またも狂ったように高笑いするが、今度のは何か違う。
「何がおかしい」
イリスがそうゲーチスに問うと、ゲーチスは指をパチンと鳴らす。
「お呼びでしょうか、ゲーチス様」
現れたのは、ダークトリニィだった。
「ダークトリニィ、脱出するぞ。サザンドラを出せ」
ゲーチスがそう命じると、ダークトリニィはゲーチスのとは別固体のサザンドラを出し、ゲーチスはそれに乗る。
「逃げる気か!」
イリスは叫ぶ。ゲーチスはそれに対し、悠然とした態度で返す。
「ええ、逃げますとも。ワタクシの野望は、まだ終わっていません。……ダークトリニィ、もう隠し立てする必要はありません。あのポケモンを出しなさい」
ゲーチスがそう言うと、ダークトリニィは「かしこまりました」と返し、三人がそれぞれのボールから、それぞれのポケモンを出す。
『!?』
その場にいた全員脱——Nまでもが目を見開く。そこには、三体の雲に乗った鬼のようなポケモンが姿を現した。
「旋風のトルネロス、雷撃のボルトロス、そして豊穣のランドロス。ダークトリニィ、お前達はそれに乗って先に行け」
言うが早いか、ダークトリニィはすぐさまポケモンに乗り込み、空いた天井から外へと出て行った。
「さて、言いたい事はあるでしょうが、これがワタクシたちの力です。ワタクシの野望——それを実現するための策略の一つが、プランπ。これはNを利用し、人心を掌握する手法。いわば平和裏に事を進めるものです。そしてこれから実行するのが——」
イリスたちは言葉が出ない。そうしている間に、ゲーチスは言い放つ。
「これから実行するのが、プランΩ。これは奥の手も奥の手です。なにせ——戦争でこの世界を支配するのですからね!」



今回はイリスvsゲーチス、ダイケンキvsサザンドラのバトルでしたが、早く終わしました。今回重要な所はゲーチスの逆転です。ゲーチスの野望は打ち砕かれたかに思われましたが、実はまだ手を残していたんです。ちなみにπ(パイ)とはギリシャ語で、アルファベットのPに相等しまして、平和という意味の英単語のpeaceの頭文字になります。プランΩ(オメガ)も同じくギリシャ語で、Wに相等します。これは戦争を意味する英単語warの頭文字です。つまりプランπは平和的に、プランΩは戦争で世界を支配するという意味になります。長いあとがきになりましたので、この辺で終了。次回は遂に最終章です。お楽しみに。