二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 16章 師弟関係 ( No.44 )
日時: 2011/04/10 21:48
名前: 白黒 (ID: /LylQYeE)
参照: http:/BUENOSUAIRESU

ヒウンシティでのプラズマ団との騒動の翌日。イリスはプラズマ団壊滅組織、PDOヒウン支部の拠点にしているビルを訪れた。
「キリハさん、話ってなんですか?」
今日はベルがアーティとジムバッジを賭けたバトルをしているので(順番はじゃんけんで決めた)イリスは特訓でもしようかと思ったが、キリハに呼び出されたため特訓を中止しここに来た。
「うん。ちょっと君に頼みたいことがあって」
「頼みたいこと、ですか?」
「そう。さ、入って来て」
キリハがそう言うと、近くの扉が開き、中からイリスよりも幼い少女が出て来た。
「この子はミキちゃん。僕の知り合いのPDO隊員の娘さんだよ」
「はあ……で、僕にどうしろと?」
「うん。実はこの子、セッカシティから来たんだ」
「セッカ、ですか。結構遠くから来たんですね」
「で、この子の親がしばらく任務で居ないんだよ」
「それで、僕にこの子をセッカまで送り届けろと言うのですか?」
「まあ、それでもいいとは思うけどね。でも、僕の頼みたい事とはちょっと違うな」
「じゃあ、何ですか?」
「……ミキちゃんは、PDO隊員候補の1人なんだ」
「! こんなに小さいのに……いや、PDOに歳は関係ないんでしたね」
「でね、ミキちゃん自身もPDOに入りたがっているんだ。でも、ミキちゃんはバッジを1つも持っていない」
「だから、PDOに入れないと」
「そうなんだけど、バッジを持っていないPDO隊員希望者なんて結構いるんだよ。だから、そういうトレーナーのための救済措置があってね、バッジを1つでも持っていれば、その能力次第でPDO隊員になれるんだ」
「それで?」
「ミキちゃんのバトルの腕は、まだいまいちだけど、磨けば光る原石だ。僕たちもミキちゃんという優秀な人材が欲しい。だからイリス君、ミキちゃんを鍛えてやってくれないか? もちろんジム戦の後でいい。だから、頼む」
キリハはイリスに頭を下げる。
「そんな、頭を上げてください。僕なんかに頭を下げたら、ヒウン支部統括補佐の名が泣きますよ。というか、統括補佐というより平社員に見えるんですけど……その、ミキちゃんは僕が責任をもって鍛えますから」
「イリス君、ありがとう」
キリハは頭を上げて、イリスに礼を言った。

とりあえずは、イリスとキリハのバトルをミキに見せ、ポケモンバトルの本質を教えるようだ。
「師匠ー、頑張ってくださいー!」
ミキはイリスにそう言う。……ミキはイリスのことを師匠と呼ぶ。まあ、バトルの腕を鍛えてやるわけだから、師匠と呼んでもおかしくはないが。
「それじゃあ始めるよ。勝負内容は2対2のシングルバトルでいいね?」
「はい、それでいいです」
「そうか。じゃあ出て来い、ワルビル!」
キリハはメグロコの進化系、ワルビルを繰り出した。
「ならこっちは、出て来い、ワシボン!」
イリスは地面タイプの技が当たらないため、ワシボンを繰り出す。
「それじゃあこっちから行くよ。ワルビル、噛み砕く!」
「ワシボン、かわして爪とぎ!」
ワシボンはワルビルの攻撃をかわし、爪とぎで攻撃と命中を上げた。
「ブレイククロー!」
ワシボンはワルビルに突っ込み、その爪で切り裂こうとするが
「ワルビル、ストーンエッジだ!]
ワルビルが無数の尖った岩を放ち、ワシボンは戦闘不能となった。
「戻れ、ワシボン。次はお前だ、フタチマル!」
イリスの2番手はフタチマルだ。
「お次はフタチマルか。ワルビル、地ならし!」
ワルビルが地面を踏みならし、フタチマルを攻撃する。
「くっ、この地ならし、なんて威力だ。まるで地震だ」
「僕のワルビルの特性は自信過剰。ワシボンを倒したことにより、攻撃力が上がっているのさ。というわけで、もう一度地ならし!」
「……地面を使った攻撃は、もう攻略済みですよ!フタチマル、水の誓!」
フタチマルはヤグルマの森の時のように、地面から水を噴出し辺りをぬかるませた。
「地面がぬかるんで、地ならしが使えない……!」
「さあ行きますよ。フタチマル、シェルブレード!」
「ワルビル、穴を掘る!」
キリハはそう指示するが、ワルビルは地面がぬかるんでうまく穴を掘れないようだ。
そうやってもたもたしてるうちにシェルブレードが決まり、ワルビルは戦闘不能となった。
「戻れ、ワルビル。出て来い、オーベム!」
キリハの2対目はリグレーの進化系、オーベム。
「オーベム、シャドーボール!」
「フタチマル、ホタチで跳ね返しながらシェルブレード!」
フタチマルのホタチは2つ。その2つを、1つは防御、1つは攻撃に使い分け、オーベムを攻撃した。
「ホタチにそんな使い方があるなんて……オーベム、フラッシュだ!」
「フタチマル、目を瞑れ!」
フタチマルは目を瞑り、フラッシュを無効化した。
「オーベム、サイコキネシス!」
目を瞑った隙を狙い、オーベムはサイコキネシスでフタチマルを地面に叩きつけた。
「怯むなフタチマル!アクアジェット!」
「迎え撃てオーベム、思念の頭突き!」
アクアジェットと思念の頭突きがぶつかり合い、押し合いを繰り広げた後、2体とも吹っ飛ばされた。
「フタチマル!」
「オーベム!」
見ると、2体とも戦闘不能になっていた。
「この勝負、引き分けだね」
「はい、そうですね」
「ミキちゃん、今のバトルどうだった?」
キリハがミキに、そう呼びかける。
「(はわ〜)」
感動の極みみたいな顔をしていた。
「……まあ、ポケモンバトルの本質は、分かってくれたっぽいね」
「そう、ですね」
「それじゃあイリス君、ミキちゃんを頼んだよ」
「はい。承りました」
こうして、イリスにはミキという弟子が出来た。



前回、「次回はジム戦」みたいなことを言いましたが、すみません、ジム戦は次回です。本当にすみません。今回は、新キャラ、ミキが登場しました、イリスの弟子です。それでは次回こそジム戦します。お楽しみに。