二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 20章 孵化 ( No.51 )
- 日時: 2011/04/11 22:35
- 名前: 白黒 (ID: /LylQYeE)
- 参照: http:/BUENOSUAIRESU
「ハハコモリ、葉っぱカッター!」
「シキジカ!」
ハハコモリの葉っぱカッターが、シキジカ目掛けて飛んでいき、シキジカに、直撃した。が
「!? 効いてない……!?」
「え、何で……?」
シキジカに直撃した葉っぱカッターは、そのままシキジカに吸収されるように消えていった。その光景に、アーティだけでなくミキも驚いている。
「シキジカの特性、草食だよ」
そう、観覧席の方から声がした。イリスの声だ。
「特性草食は、草タイプの攻撃を受けても、それを無効にできる」
「なるほどね。そういうことか」
アーティが納得しようにそう言う。
「え? 師匠、私のシキジカの特性知ってたんですか?」
「うん、知ってた」
知ってたらしい。
「さて、葉っぱカッターが効かないと分かれば、別の技を使うまでさ。ハハコモリ、虫の抵抗」
「シキジカ、避けて!」
シキジカは素早い動きで撃ち出してくる無数の虫を避ける。
「ハハコモリ、切り裂くだ!」
「シキジカ、二度蹴り!」
ハハコモリの切り裂くとシキジカの二度蹴りが、それぞれ2回ずつぶつかり合い、シキジカが吹っ飛ばされた。
「シキジカ!」
「止めだハハコモリ。破壊光線!」
ハハコモリが触角の間に力を溜め、撃ち出そうとするが
「シキジカ、草笛!」
シキジカがよく通る音色を響かせ、ハハコモリは眠り状態となった。
「なに!? ハハコモリ!」
「シキジカ、突進!」
シキジカは眠っているハハコモリ目掛けて全力疾走で突撃する。
「特性草食には、もう1つ効果がある」
イリスが、付け足すようにそう言う。
「吸収した技を力に変え、攻撃力を高めることが出来る!」
シキジカはいつもの1、5倍くらいの速度と威力で、ハハコモリに突撃した。
「ハハコモリ!」
ハハコモリは戦闘不能となり、ミキはジム戦に勝利した。
「ミキちゃん、ジム戦勝利、おめでとう」
ジム戦勝利後、ミキとイリスはPDO入隊手続きのため、PDOヒウン支部で手続きを済ませ、ポケモンセンターの宿舎で休んでいた。
「そんな、師匠のおかげです」
そうは言うが、ミキはかなり嬉しそうな顔をしている。
「それよりも師匠。それ、ポケモンのタマゴですよね?」
「うん、そうだよ。ジョーイさんが、もうすぐ生まれるって言ってた」
「そうですか。よかったですね。どんなポケモンがうまれるんでしょう?」
「さあ? 生まれてみないと分からないさ」
翌日。
「タマゴが動いてる!」
「本当ですか!?」
翌日といっても、現在夜中の3時。熟睡していてもおかしくないのだが、イリスはタマゴの動きを敏感に察知し、ミキはイリスの声に敏感に反応した。
「ほら!」
「うわぁ、本当ですね……」
タマゴは、一定のリズムでカタカタと動いている。
「もうすぐ生まれるんだ」
「どんなポケモンが生まれるのでしょう……?」
タマゴの動きはだんだんと早まり、やがてパキッとタマゴが割れていく。
「生まれるよ」
「はい」
パキ、パキパキパキ。と、タマゴが割れていき、生まれる瞬間に光り輝く。
「どんなポケモンが」
「生まれるのでしょう」
光が収まり、そこにいたポケモンは
「……ズルッグだ……」
「……ズルッグですね……」
「とりあえずは、こいつをボールに入れないと」
イリスがズルッグをボールに入れようとすると、ズルッグが頭突きをかましてきた。
「痛!」
「師匠、大丈夫ですか!?」
こんな感じの騒動があり、無事ズルッグは捕まえられました。
ヒウンシティは大都市なので、ポケモンバトルなども活発に行われている。
たとえば、そう。ストリートファイト的な感じで、ストリートバトルといい、路上でポケモンバトルをすることも出来る。
で、イリスはズルッグを鍛えるべく、ストリートバトルを行っていた。
「ズルッグ、頭突きだ!」
「クルマユ、守る!」
相手のポケモンはクルミルの進化系、クルマユだ。
「クルマユ、葉っぱカッター!」
「避けろズルッグ、飛び膝蹴り!」
ズルッグの飛び膝がクルマユに直撃した。
「クルマユ、糸を吐く!」
クルマユはズルッグに向けて糸を吐き、身動きを取れなくした。
「葉っぱカッター!」
ズルッグは葉っぱカッターをまともに食らい、結構なダメージを負った。
「ズルッグ、炎のパンチだ!」
ズルッグのタマゴ技の1つ、炎のパンチをクルマユはもろに食らい、かなりのダメージを受けた。
「クルマユ、じたばた!」
じたばたは自分の体力が少ないほど威力があがる技。かなりの威力のじたばたをうけ、ズルッグは今度こそピンチになったが
「ズルッグ、カウンター!」
ズルッグのタマゴ技の1つ、カウンターがクルマユに決まった。カウンターは、自分の受けた物理技のダメージを倍ににして相手に返す技。残り体力の少ないクルマユのじたばたの倍のダメージをクルマユは受けたのだ。耐え切れるわけがなく、クルマユは戦闘不能になった。
「クルマユ!」
「ふう、辛勝ってところだな。ズルッグ、よくやってくれた。戻って休んでくれ」
そう言ってイリスはズルッグをボールに戻した。
「師匠!」
ミキが駆け寄ってきた。
「そのズルッグ、生まれたばかりとは思えないほど強いですね!」
「うん、そうなんだけど、まだ技に頼ってる所があるかな。これからじっくりと育てていこうと思う」
「ですか。それじゃあ、ポケモンセンターで1泊したら、出発しましょう」
「うん、そうだね」
イリスは新たなポケモン、ズルッグを手に入れ、次のジムがあるライモンシティを目指すのだった。
「ところでミキちゃん。もうバッジ手に入れたんだから、僕について来る必要なくない?」
「あ、えっと、それは……別にいいじゃないですか!」
「まあ、別にいいけどさ……ん? ミキちゃん顔赤いよ? 風邪でも引いた?」
「な、何でもありませんっ。早く行きましょう」
「え、ちょ、どうしたの? 何か僕悪いことした?」
「何でもありません!」
「あ、待って。歩くの速いよ。待ってよ!」
今回はミキがついにバッジをゲットしました。そして、ついにあの時のタマゴが孵化しました。でも、僕としては最後の方が見所ですが。次回は……特に決まってません(キッパリ)。では、また。