二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 25章 シェルブレード(居合い抜き版) ( No.62 )
日時: 2011/04/17 13:22
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
参照: http:/BUENOSUAIRESU

「デスマス、鬼火!」
「エモンガ、ボルトチェンジ」
「ズルッグに交代だ、デスマス!」
「交代よ、出て来てエモンガ」
「ズルッグ、炎のパンチ!」
「エモンガ、エレキボール」
前回に引き続き、イリスはカミツレとのリベンジバトルをしている。
「エモンガ、アクロバット」
「ズルッグ、カウンター!」
エモンガのアクロバットを受けたズルッグは、効果抜群のその攻撃を耐え切り、カウンターで返した。効果抜群で倍、カウンターの効果で倍、合わせてアクロバットの4倍のダメージがエモンガに返り、エモンガは戦闘不能となる。
「戻って、エモンガ……これでいよいよ、2体になっちゃったわね」
「3対2ですけど、僕のズルッグはかなりのダメージを受けてますから、状況ほとんど五分五分ですけどね」
「それもそうね。出て来てエモンガ、燕返し」
出て来て早々、エモンガは燕返しをズルッグに見舞い、戦闘不能にした。
「戻れ、ズルッグ。出て来いデスマス」
「エモンガ、放電」
「デスマス、怪しい風!」
デスマスとエモンガの放った放電と怪しい風がせめぎ合う。その結果、互いの威力が相殺され、打ち消し合った。
「デスマス、ナイトヘッド!」
「エモンガ、スパーク」
エモンガはデスマスのナイトヘッド避け、電撃を纏いながら特攻する。
「デスマス、鬼火だ!」
デスマスはスパークが当たる直前に鬼火をエモンガに放ち、戦闘不能となった。
「これで、2対1ね」
「いえ、1対1ですよ」
「? それってどういう——」
意味、と言い切る前に、カミツレのエモンガが倒れた。
「これって、さっきの鬼火……?」
「はい、そうですよ」
「随分と効き目の早い鬼火ね、しかもこの威力、君だけじゃなくて、ポケモンも成長したみたいね」
「はい。というわけで、エースポケモン同士のバトルといきましょうか。フタチマル!」
「エースポケモン同士、ね。それも面白いかも。ゼブライガ」
「フタチマル、アクアジェット!」
「ゼブライガ、ニトロチャージ」
「フタチマル、水の波動!」
「ゼブライガ、充電」
と、壮絶なバトルを繰り広げている2人だが、ここは1本のレールの上。いくら縦横無尽(というと流石に大袈裟だが)に張り巡らされているとはいえ、足場は最悪である。そんな中で足を踏み外さずここまで高度なバトルができるのは、イッシュでもそう何人もいないだろう。
「フタチマル、水の波動!」
「ゼブライガ、ボルトチェンジ」
そんなバトルを見る者からしたら、それは驚きを通り越して、ただただ唖然とするだけである。

「師匠……」
「イリス……」
この2人の様に。

「カミツレさん、そろそろこのバトル終わりにしません?」
「そうね。そろそろお互いのポケモンも限界みたいだしね」
「それじゃ、これが最後の一撃って事にしましょうか」
「賛成よ。……ゼブライガ、ワイルドボルト!」
「フタチマル、シェルブレード!」
ゼブライガが全身に弾ける電撃を纏い、レールにそって特攻する。その姿はまるで、暴走したジェットコースターさながらだった。
対するフタチマルは、ホタチを居合い抜きの様に構え、シェルブレードで撃退しようとしている。それもそのはず、この2匹は1本のレールで相対しているため、ゼブライガがワイルドボルトで突っ込んで来ると、逃げ道が無いのだ。後方に走って逃げようにも、明らかにゼブライガの方が速い。したがって、フタチマルはゼブライガを迎え撃つようにしか攻撃できない。
そうこうしてるうちに、ゼブライガがフタチマルに迫ってきた。フタチマルはギリギリまでゼブライガを引き付け、少し体をずらす。そして衝突までもう少しという所で、ホタチを抜く。
2匹は交差する形になり、お互いに背を向け合って停止する。そして、グラリと揺れ、倒れた。
2匹とも。
倒れたと言っても、しかしここは1本のレールの上。倒れたら下のネットに落ちる。落ちたポケモンは、判定負けを食らうのだ。
そしてこの状況、2匹が同時にネットに落ちれば、引き分けということになるが
「フタチマル、水の誓だ!」
最後の最後でフタチマルが間欠泉の様に地面から水を噴射し、その勢いを利用してレールの上に降り立った。
「僕の、勝ちですね」
「……ええ」
カミツレはネットに落ちたゼブライガをボールに戻しながら、そう言った。

その後、イリスはライモンジムを勝利した証としてボルトバッジを受け取り、次の街、ホドモエシティに行こうとしたが
「あそこはまだ通れないと思うわ。通れるようにしてあげたいけど、私も仕事があるから、ちょっと待ってて頂戴。このライモンシティは娯楽の街とか呼ばれてるから、退屈はしないと思うわ」
と言った。
そう言われてチェレンは
「ポケモンを鍛えに行く。次のジムもきっと強敵になるからね」
と言って、4番道路に引き返していった。
「私たちはどうします、師匠?」
「そうだね、とりあえずは」
一拍置いて
「疲れた。寝よう」
そう言ってポケモンセンターに向かって行った。



今回はライモンジム決着でした。次回はNとのバトルです。あとがきが短いですが、次回をお楽しみに。