二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 26章 プラズマ団の王 ( No.63 )
日時: 2011/04/17 01:27
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
参照: http:/ARUGRIZMU

ライモンシティには2つの遊園地がある。1つはもう廃れ、潰れているが、もう1つはライモンシティの娯楽施設の中でもかなりの人気を誇っている。

「師匠、この黄色いの何でしょう?」
「説明によるとピカチュウってポケモンらしいよ」
チェレンはまだホドモエシティに行けないと知るや否や、特訓するために4番道路に向かった。
一方イリスとミキは
「向こうに観覧車がありますよ、師匠」
「それじゃあ後で……って、引っ張んないでよミキちゃん!」
遊んでいた。
「ほら、早く早く」
「観覧車はポケモンと違って逃げないよ」
「そういう問題ではありません」
えらくイリスと観覧車に乗りたがるミキだった。
「はあ、何で僕こんな所にいるんだろう……」
「師匠が上機嫌に『ミキちゃん、どうやって暇潰そうか?』って聞いてきたから、この遊園地に遊びに来たんじゃないですか」
「でも、僕こういう人の多い所苦手なんだよな……」
「そんな事言わずに、行きましょうよ!」
「だから引っ張んないでって……!」
「師匠、どうしました?」
「あ、いや。……ミキちゃん、のど渇かない?」
「まあ、少しは渇いてますけど」
「飲み物買ってくるからちょっと待ってて」
「あ、師匠!」
そう言ってイリスは駆け出して行った。
「自動販売機はここにありますよー!」
全く聞いていなかった。

いくら人の多い遊園地であろうと、人のいない場所の1つや2つは存在する。そういう人気の無い場所に、2人の人間がいた。
「待ってたよ、イリス」
1人はイリス。
「やっぱり君だったのか、N」
1人はN。
「僕をこんな所に来させて、何の用だい?」
「前置きは省かせてもらって、単刀直入に言う。君は、僕の掲げる未来を理解できるかい? そしてそれを見たいと思うかい?」
「理解は出来る。けれど見たくはない。君の掲げる未来っていうのは、プラズマ団の掲げる未来、ポケモンが解放された未来だろう?」
「ふうん。僕がプラズマ団だって、気付いたのか」
「たった1回バトルしただけだけど、君の理想はプラズマ団の言っている事と同じだ。それに、君とプラズマ団の連中はどこか雰囲気が似ていた。君も、プラズマ団の幹部か? それとも、この間のメイルってトレーナーみたいな、プラズマ団の協力者か?」
「どっちも違うけど、当たらずといえど遠からずだ。僕はプラズマ団の王様だよ」
「王……様……」
「あまり驚いてないね」
「まあ、結構高い地位だとは思ってた。でも、君がプラズマ団の王様とは……つまり、君が今のプラズマ団を仕切っているわけだね」
「それは違うな。僕は確かに王様だけど、仕切っているわけじゃない。『天皇は君臨すれど統治せず』という言葉を知っているかい? つまり僕はプラズマ団では最も高い地位に就いているが、実際のところはプラズマ団の活動に大きくは関与していない。まあ、僕がポケモンを解放する鍵にはなっている訳だけど」
「鍵……?」
「そう、鍵。まだ詳しく言うつもりは無いけど、僕は選ばれた人間だ」
「選ばれた人間? 偉ぶった人間の間違いじゃないか?」
「僕が選ばれているというのは、僕がポケモンと会話できるということからしても、分かると思う」
毒舌を無視された。
「いや、君がポケモンと会話できるなんて初めて知ったんだけど……」
「ん? 君と初めて会った時、君のポケモンが喋っていた、的な事を言ったと思うけど?」
「そんなの本気にする奴がいるかよ……」
「まあ、話が散らばってきたから少し整理しよう」
「散らばした奴が言うなよ……」
ガックリとうな垂れるイリスであった。
「まず1つ目、僕はポケモンと会話が出来る。そしてその力故に、伝説のポケモンに選ばれた」
「伝説のポケモン?」
「おっと、口が滑ったかな。……まあいいや。2つ目に、僕はプラズマ団の王、名前だけみたいなところがあるけどね。最後に3つ目、僕はポケモンを解放する。……イリス、君は言ったね」
「……何を」
「僕の掲げる理想の世界を、『理解は出来る。けれど見たくはない』と。その言葉が嘘か真か、確かめさせてもらう!」
そう言って、Nはボールを取り出し、ポケモンを出す。
「さあ、イリス。君の求める理想か、真実か。見せてもらうよ」
「……やっぱりこういう展開になるのか。というか、僕は求めるものを求めるために、旅をしてるんだよ」
そう言って、イリスもまた、ポケモンを出す。
「それじゃあ始めよう。僕の掲げるポケモンが解放された理想の世界か、君の掲げる現在のポケモンと人間が共存する偽りの真実の世界か。どっちが正しいかを!」
「僕は何も掲げてないよ。Nって自己主張がかなり激しいよね。人の言う事聞かないし……でも、まあ」
一旦区切って
「その真実の世界とやらは、偽りじゃあないな!」
こうしてイリス対Nの第2戦が始まった。




前にもこういうことがあった気がしますが、まずは謝ります。すみません。イリス対Nのバトルをやるみたいなこと言いましたが、書けませんでした。本当にすみません。次回こそは必ず書きますので、お楽しみに。