二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 27章 ポケモン解放 ( No.64 )
- 日時: 2011/04/17 09:56
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
- 参照: http:/ARUGRIZMU
「ギアル、チャージビーム!」
「デスマス、怪しい風!」
Nがいきなり意味深(意味不明)な発言をし、なんだかよく分からぬままバトルになってしまったイリスだが、バトル自体には結構乗り気だった。
「デスマス、サイコキネシス!」
「ギアル、守るだ!」
サイコキネシスが守るによって防がれる。
「ギアル、ギアソーサー!」
「デスマス、シャドーボール!」
ギアルが歯車を回転させながら2つ放って来るのに対し、デスマスのシャドーボールは1つ。全て相殺しきれず、デスマスは歯車をもろに受けた。
「デスマス!」
「休ませないよ。ギアル、ミラーショット!」
ギアルは体を光らせ、その光を一点に集めて発射した。その光はデスマスに直撃する。
「くっ、戻れデスマス!」
「さて、君の掲げる真実の世界はこんなものなのかい?」
「だから掲げてないって。ズルッグ、頼む!」
「次はズルッグか。ギアル、チャージビーム」
「避けろズルッグ、炎のパンチ!」
チャージビームは基本直線的に電撃を発射する技。故に避けるのは容易く、攻撃後に若干隙ができる。その隙に炎の拳を叩き込まれた。
「戻ってくれ、ギアル。君のポケモンは、何だか幸せそうだね。活き活きしてる。全てのトレーナーのポケモンが、そうだったら良いんだけどね」
「N……君は、ポケモンを解放することがポケモンのためだと思うから解放するのかい?」
「ああ、そうだよ。人とポケモンが互いに幸せなら、僕は何もしない。……さあ出て来てくれ、アーケン!」
Nが次に繰り出すのは、この前メイルの使っていたポケモンアーケオスの進化前、アーケン。
「一撃で決めさせてもらうよ。アーケン、アクロバット!」
アーケンが猛スピードでズルッグに特攻したかと思いきや、瞬時に背後に回り、攻撃を繰り出す。
「格闘タイプのズルッグなら、僕のアーケンのアクロバットにも耐えられな——」
「ズルッグ、カウンター」
次の瞬間、アーケンはズルッグにより吹き飛ばされた。
「!?」
「僕のアーケンのアクロバットにも、何だって?」
「……なんでもないよ。プロトーガ!」
Nが3番手に繰り出すポケモンは、古代亀ポケモンのプロトーガ。
「プロトーガ、アクアジェット!」
プロトーガは水を纏い、高速でズルッグに突っ込んでいった。
「ズルッグ!」
「これでズルッグは戦闘不能。君のポケモンはあと2体だ」
「戻れズルッグ。出て来いワシボン!」
イリスがプロトーガに対して繰り出したのは、ワシボンだった。
「岩タイプを持つプロトーガに対してワシボンで挑むなんてね。君はもう少し賢いと思ったんだが」
「見れば分かるよ。ワシボン、燕返し!」
「プロトーガ、岩雪崩れ!」
ワシボンは、プロトーガの放つ岩雪崩れを避け、燕返しを放った。
「続けてシャドークロー!」
燕返しで動きが鈍ったプロトーガに、ワシボンは影で作った爪で切り裂く。
「少し、ピンチかな。プロトーガ、水の波動!」
「ワシボン、エアスラッシュ!」
プロトーガの放つ水の波動は、ワシボンの放ったエアスラッシュによって真っ二つに切り裂かれた。
「プロトーガ、アクアジェット!」
「ワシボン、ビルドアップ!」
ビルドアップは攻撃と防御を同時に上げる技。プロトーガのアクアジェットによるダメージを抑え、攻撃力も高め、反撃する。
「燕返し!」
カウンターで放った燕返しが、プロトーガの急所に当たる。
「プロトーガ!」
プロトーガは戦闘不能になった。
「ふっ、君は強い。確かに強い。けど、僕にはまだ切り札がある」
「君の切り札より、僕としては何故君が僕とわざわざ話したがるのかが知りたい」
「……それじゃあ、教えようか。僕はまず、ポケモンリーグのチャンピオンを倒そうと思っている」
「な!? チャンピオンを!?」
「そう。そうすれば、僕はイッシュで最も強い証明になり、ポケモンを解放する糧となる」
「……そこまでしてポケモンを解放したがるのか」
「そういう君だって僕を必死になって止めようとしているだろう?」
「まあ、ね」
「さて、そろそろバトル再開だ。出て来い、ゾロアーク!」
Nの切り札は、ゾロアの進化系ゾロアークだった。
「ゾロアーク、辻斬り」
ゾロアークは一瞬でワシボンの背後に回りこみ、切り裂いた。
「! ワシボン、戻れ!……出て来い、フタチマル!」
「あのときのミジュマルが進化したんだね」
「そういう君のゾロアだって進化してるだろ」
「まあね……すまないが、一撃で決めるよ。ゾロアーク、ナイトバースト!」
「!?」
ゾロアークは両手に黒いオーラを溜め、両手を振り上げ、地面に振り下ろす。その瞬間
「師匠ー!どこですかー?」
ゾロアークの動きがピタッと止まる。
「ミキちゃん……」
「どうも邪魔が入ったようだね。この続きはまた今度にしよう」
そう言うとNは、ゾロアークをボールに戻す。
「最後に言わせてもらうよ。僕は、チャンピオンを超える。そしてもし、君がどうしても僕を止めたいなら、ポケモンリーグまで来い」
そう言ったあと、Nはイリスの横を通り過ぎる。
「ああ、そうだ。これも言っておこうかな。イリス、もしプラズマ団と関わりたくなければ、早急にこの街から出ることをお勧めするよ」
「……何でだ」
「もうすぐこの街にプラズマ団が来るからさ。じゃあね」
そう言い残すと、Nはイリスと、こっちに向かって来るミキとすれ違うように姿を消した。
「師匠、ここにいましたか。自動販売機はすぐそこにあったのに」
「ああ、ごめん。ちょっと迷っちゃって」
「まあ、それは良いですが。さっきの人はお知り合いですか?」
「うん。まあ、ね」
「?」
ミキは首を傾げる。その仕種が妙に可愛らしく、イリスは思わず顔が綻ぶ。
「それじゃあミキちゃん、観覧車乗ろうか」
「本当ですか!?」
「本当だよ。さ、行こ」
「あ、師匠待ってください!」
イリスはNの行ったことに不安を覚えたが、せめて今くらいは、そんな事は忘れて、弟子と一緒になって遊ぼうと思った。
せめて、今くらいは。
今回はNとのポケモンバトル、パート2です。Nの切り札、ゾロアークも出てきました。次回は16番道路、迷いの森辺りで何かしようと思っています。では、また。