二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 29章 迷いの森 ( No.69 )
日時: 2011/04/17 23:25
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
参照: http:/ARUGRIZMU

またぞろポケモン泥棒をしたプラズマ団を追いかけているイリス、ミキ、アカリは、迷いの森という場所に入り込んだ。
この迷いの森は、複雑な構造ではないのに、何故か迷ってしまうという不思議な森だ。
そしてその最奥部。
「プラズマ団、ここまでだ」
「やっと追い詰めたよ」
プラズマ団の下っ端と思われる数人が、3人の少年少女に威圧されているという図が完成していた。
「くっそー」
「おい、どうする?」
「何言ってんだ。こいつらは所詮子供だろ? ノリ的にここまで逃げてきたが、ポケモンでコテンパンにすれば——」
「はいこれ、PDOライセンス」
少々久し振り感があるが、イリスはポケットからPDOのライセンスを取り出し、プラズマ団(下っ端)に見せ付ける。
「PDO?」
「何だそれ?」
「どうせハッタリだろ? やっちまえ!」
どうやらPDOを知らないらしく、下っ端はそれぞれポケモンを繰り出す。
「はあ……下っ端はポケモンも人も悪いけど、頭も悪いのか」
「なんだと!?」
「舐めてんのか!?」
「しばいたろか!?」
何故か若干1名コガネ弁。
「まあいいや。相手は3人、こっちも3人。ミキちゃんと、アカリ、さん。手伝って」
さっき聞いたが、アカリは15歳でイリスよりも年上らしい。
そしてそれを知った時の反応が

「え!? アカリちゃん15歳!? 僕より年上!?」
「はい、そうですけど……そこまで驚きますか?」
「あ、いや、ごめん……」
嘘だろ? 流石にミキちゃんよりは高いけど、身長も体格も体型も子供にしか見えないよ? いや、子供には変わりないけど、この体で僕より2つ年上って……

とまあ、こんな感じである。
閑話休題。
相手のポケモンはドテッコツ、コマタナ、シビシラスだ。
「んじゃ、出て来い、ズルッグ」
「出て来て、モグリュー」
「フー、出て来て」
イリスはズルッグ、ミキはモグリュー、アカリはフー(コジョンド)を繰り出した。
「フー、とんぼ返り」
「モグリュー、切り裂く」
「ズルッグ、飛び膝蹴り」
3体のポケモンによる3回の攻撃がそれぞれのポケモンにヒットし、プラズマ団のポケモンたちは瞬殺された。
「なに!?」
「おれのポケモンが!」
「一瞬でやられるなんて!」
この3人、息ピッタリで結構仲が良いようだ。
「うろたえるな!まだポケモンはいる。出て来いバニプッチ!」
「お前が1番うろたえてただろうが!出て来いコアルヒー!」
「おれもうポケモンいないよ!?」
「しょうがねえ、おれのをポケモンを貸してやる」
「おお、すまねえ。出て来いシママ!」
「お前ら仲良いなあ」
ごもっともである。
「出て来て、シキカ」
とんぼ返りの効果で交代となったフー(コジョンド)の代わりに、シキカ(メブキジカ)を繰り出した。
「なんかこいつら会話は面白いけどバトルはつまらないんだよな……せっかくだから1対1を3つに分けようか」
「それ、いいですね師匠」
「私も賛成です」
『好き勝手言ってんじゃねえ!』
やっぱり仲良かった。

「コアルヒー、熱湯!」
「かわして頭突きだ」
コアルヒーの放つ熱湯を容易く避け、頭突きをかますズルッグ。頭突きの一撃でコアルヒーは戦闘不能になった。

「モグリュー、メタルクロー」
「バニプッチ、氷柱針!」
バニップチは張り切って氷柱針を連射するが、全てメタルクローで弾かれてしまった。しかもその後が隙だらけで、メタルクローを6発くらい食らって戦闘不能になった。

上の2人が瞬殺で決めたとなると、最後の1人も瞬殺だろう、と考えるのは浅はかである。
「メブキジカ、砂掛け」
「シママ、ニトロチャージ!……ああ、そっちじゃねえ!」
「宿木の種」
「うお!? シママの体力が吸われていく! くっそ、電磁波!」
「アロマセラピーです」
「状態異常が効かない!?」
「あの……そのシママ、電撃波は覚えてないのですか?」
「ん? あ、覚えてる。よっしゃ、シママ、電撃——」
「騙し討ちです」
シママ、戦闘不能。
とまあ、こんな感じで、盗まれたポケモンは無事取り返しました。

「ありがとうございます、私のチラーミィを取り返してくれて」
「いや、別にいいよお礼なんて。次からはプラズマ団に気をつけてね」
「はい、ありがとうございました」
こうして無事、盗まれたポケモンを持ち主に返しました。

「アカリさんは、どのくらいライモンシティに滞在する予定ですか?」
「そうですね……あと2、3日くらいでしょうか」
「次は、どこの街へ?」
「ヒウンシティです。私はホドモエからライモンまで来たので」
「それじゃあ出発は同じでも、方向は逆ですね。次会ったら……痛ぁ!?」
後ろから思いっきりすねを蹴られたイリス。ちなみに後ろにいるのはミキ。
「み、ミキちゃん、今のは……?」
「さあ、何でしょうね」
「なんかミキちゃん、機嫌悪くない?」
「別にそんなことありませんよ」
いや実際、ミキの機嫌はイリスとアカリが喋りだした辺りから悪くなっていた。
「まあいいか……にしても、プラズマ団追っかけてたら、随分と暗くなったね」
「そうですね、真っ暗です」
「本当に真っ暗だよ……!?」
「師匠、どうしました?」
「おかしい、ライモンシティはもうすぐそこなのに、街頭も街も灯りがない」
ライモンシティは娯楽都市なので、夜になっても街が明るい。したがって街に近づくと街灯りが見えてくるはずなのに、それが全く見えない。
「なにかあったのかもしれない。急ごう!」
「はい!」
「あ、師匠!」
この夜、ライモンシティは闇に閉ざされるのであった。



今回の説明は省かせてもらって、次回予告をします。次回はライモンシティでのプラズマ団騒動です。7幹部も登場させる予定です。お楽しみに。