二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 5章 サンヨウジム 三つ子のジムリーダーデント ( No.8 )
日時: 2011/04/07 18:14
名前: 白黒 (ID: /LylQYeE)
参照: http:/zennyihou

「それじゃあはじめようか、イリス君。深みとコクのある、味わい深いバトルをお見せするよ」
「はい、お願いします」
サンヨウジムジム戦、第3試合は、デント対イリス。
「それじゃあまず、僕のポケモンを教えてあげよう。出て来い、ヤナップ」
デントの先発は、草猿ポケモンのヤナップ。
「ヤナップか、ならこいつだ。出て来い、ワシボン!」
「へえ、ワシボンか。珍しいポケモンを持っているね。この辺には生息してないはずなんだけど」
「こいつは群れからはぐれた、というより、親に見捨てられたワシボンなんですよ」
「なるほどね。そじゃあポッド、はじめてくれ」
「おう!それでは、これで最後!サンヨウジムジム戦第3試合、デント対イリス、バトル開始!」
ポッドがバトル開始の合図を出し、先に動いたのはデントのヤナップだった。
「ヤナップ、奮い立てるだ」
「やっぱりそうきますか。それならこっちは、ワシボン、爪とぎ!」
「爪とぎ……攻撃と命中を強化する技だね。タイプ相性も合わせて、早めに決着をつけようというわけか。……ヤナップ、ひかっくだ」
「避けろワシボン、つつく!」
ワシボンはヤナップのひっかくをかわし、つつくを当てた。
「ふむ、なかなかスパイシーなテイストだね。だったらこれはどうかな? ヤナップ、タネマシンガン!」
ヤナップはワシボンから距離をとると、無数のタネを飛ばしてきた。
「ワシボン、避けるの難しそうだから、ここは耐え切るんだ」
「果たして、ヤナップのタネマシンガンにどこまで耐え切れるかな? ヤナップ、続けてタネマシンガン」
ヤナップのタネマシンガンの嵐に、ワシボンは身動きがとれなくなる。
「キリがないな……攻めてみるか。ワシボン、翼で打つ!」
タネマシンガンを無視し、ワシボンはヤナップに翼で打つで倒した。
「へえ、なかなか根性があるね、君のワシボン。でも、ヤナップを倒したくらいじゃ、僕は止まらないよ。出て来い、僕のエース、ヤナッキー!」
デントの2体目はヤナッキー。ヤナップの進化系だ。
「進化系でも、とにかく攻めるのみ。ワシボン、翼で打つ!」
「ヤナッキー、奮い立てる。そして——」
デントは1拍おいて、台詞を続ける。
「アクロバットだ!」
「アクロバットだって!?」
観覧席では、チェレンが声を荒げる。
「ど、どうしたのチェレン。大きな声出して」
「アクロバットは、道具を持っていないとき、威力が倍増する技。それに奮い立てるが組み合わさったら、とんでもない威力になるぞ……」
心配そうにイリスを見遣るチェレンだった。
「大丈夫だ、ワシボン。そのまま突っ込め!」
「そんな単調なテイストじゃあ、僕には勝てないよ」
ワシボンはヤナッキーに接近し、翼で打つを打ち込もうとするが、もうそこにヤナッキーの姿はなかった。
「な!? どこに消えた!?」
「消えちゃいないよ。上にいるじゃないか」
ヤナッキーは天井に張り付いていた。
「ヤナッキー、アクロバットだ!」
その瞬間、ヤナッキーは残像が出来るほどのスピードで、四方八方からワシボンを攻撃した。
「ワシボン、大丈夫か!? 戻って休んでくれ。次はお前だ、頼むぞミジュマル!」
イリスの2体目はミジュマルだった。
「ミジュマル、体当たり!」
「無駄だよ、アクロバット!」
「水鉄砲で飛べ!」
「え?」
ミジュマルは水鉄砲を推進力に、天井近くまで飛んでアクロバットをかわした。
「へえ、面白いなあ、君のポケモンは。なら次はこれだ。ヤナッキー、タネマシンだ!
「ホタチで防御!」
ミジュマルは、N戦で見せた、ホタチで攻撃を跳ね返すという荒業をまたもやってのけた。
「……!本当に、驚くばかりだよ。なら次はこれだ。四方八方からタネマシンガン!」
ヤナッキーはフィールドを駆け回りながらタネマシンガンを発射した。
「ミジュマル、水鉄砲で飛べ!」
ミジュマルはまたも水鉄砲で飛び上がってタネマシンガンを回避した。
「かかったね。ミジュマルが飛ぶのを待っていたんだ。」
「!?」
「空中にいたら、飛行タイプでもない限り、身動きはとれない。だからこそ大技だって当たりやすくなる。ヤナッキー、ソーラービーム!」
すると、ヤナッキーは太陽光を吸収し、それを1つの玉に凝縮させる。そして、それを両手で開くように撃ち出す。
「ミジュマル、シェルブレードを投擲するんだ!」
ミジュマルは、腹のホタチでシェルブレードを作り出すと、それを縦方向に回転をかけて投げた。
「なに!? ホタチを、シェルブレードを投げるなんて……!」
シェルブレードは、ミジュマルに向かってくるソーラービームを切り裂き、そのままヤナッキーをも切り裂いた。
「ヤナッキー!」
「やったぞ、ミジュマル!」
ヤナッキーは戦闘不能になり、イリスはデントに勝利した。

「いやーそれにしても君は面白い。まさかシェルブレード投擲するとはね」
「僕も無我夢中で、咄嗟に閃いたんです」
「なるほどね。ピンチという名のスパイスが、君たちの味をより一層良くした、ということかな。さて、それじゃあこれがサンヨウジムを勝ち抜いた証、トライバッジだ」
「ありがとうございます!」
かくして、イリスはイッシュ地方初めてのバッジを手にした瞬間だった。



あとがきです。やっとこさ終わりました、サンヨウジム。デントの口調はアニメ版を参考にしたんですが、鬱陶しいというか、面倒くさかったです。次回はプラズマ団との初バトルです。では、これにて。