二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 37章 ホドモエ跳ね橋 ( No.80 )
- 日時: 2011/04/22 01:02
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
- 参照: http:/ARUGRIZMU
跳ね橋に着くなり、カミツレは関所っぽい所に設置されていた通信機で通信を始めた。
「もしもし、私よ。跳ね橋、上げてくれる? あなたに挑戦したいってトレーナーがいるの。反論は認めないわ。じゃ、よろしく」
ピッという電子音を鳴らし、カミツレは通信を切断した。どうも一方的に要求を押し付けた感じだが。
「跳ね橋が下りるわよ。見てて」
カミツレがそう言うと、跳ね橋が動き出した。
その後の跳ね橋が下りる様は、まさに絶景だった。というより、絶景の2文字以外では言い表せないような様だった。イリス、ミキは口をアングリと開けており、チェレンも下りる跳ね橋に見入っている。
「ホドモエのジムリーダーはクセのあるオッサンだけど、頑張ってね。それじゃあ、ご武運を」
橋が下り切ると、カミツレはそう言って見送ってくれた。
「またな、若きトレーナーたちよ。お前達が成長し、ポケモンリおうーグに挑戦しに来るのを待っておるぞ」
アデクもまた、別れの挨拶をする。
「はい、ありがとうございます」
イリスが礼儀としてお礼を言うと、3人は跳ね橋を渡っていった。
「チェレン、ミキちゃん走って、急いで!」
「し、師匠……私、もう無理……」
「しかし、まさか跳ね橋がこんなことになっているなんて……!」
跳ね橋の4分の1ほど渡ったイリスたちは、全力疾走していた。
「本当だよ!」
そう叫んでイリスは後方を見る。そこには
「こんな大量のコアルヒーがいるなんて!」
そう、今正に3人はコアルヒーの群れに襲われていた。
「ホドモエ跳ね橋は、たまにコアルヒーが巣を作りに来るって聞いたことがあるけど、そのせいかな」
走っている真っ最中だが、チェレンが冷静にそう告げる。
「もしそれが本当なら、僕達はどんだけ運が悪いんだ!この数は1個や2個の巣じゃないだろ!」
実際のところは、巣が破壊されてコアルヒーが怒った、という訳だけではないのだが、それでも概ね当たってはいる。
「イリス。この数のコアルヒーを街に入れるのはまずくないか?」
「確かにそうだけど、どうしろって言うんだ!」
「このコアルヒーを全て撃墜する。そうすれば僕らはコアルヒーにも襲われずに済む。一石二鳥だ、水鳥ポケモンのコアルヒーなだけに」
「流石チェレン、上手い事言うね!コアルヒーには悪いけど、致仕方なさそうだ!」
そう叫んで、イリスとチェレンはポケモンを出す。
「頼むよ、フタチマル!」
「出て来い、ジャノビー!」
2人が臨戦態勢に入ったところで、コアルヒーも停止し、攻撃の構えを取る。
「あ、あの、師匠、私は……?」
「ミキちゃんはそこで休んでて。慣れない全力疾走で疲れただろう」
そう言われてミキは、その場にペタリとへたり込む。
「フタチマル、水の誓!」
「ジャノビー、草の誓!」
イリスとチェレンはヒウンシティでも見せた(その時はチェレンではなくベルだったが)合体技を使用する。
水の誓いにより間欠泉の様に噴き出す水に、草の誓によって木枯らしの様に舞い上がる葉っぱが合わさり、辺りが湿原の様にぬかるんだ地面(?)と草で覆われた。
「今ので半分くらいは減ったかな」
「まあ、合体技だから、連発は出来ないけど、一撃の威力はかなり高い。故に——」
「ストップ、チェレン。君が語っているうちに、残ってるコアルヒーにやられたんじゃたまったもんじゃない。語るのはまた後でだ。フタチマル、シェルブレード!」
湿原の効果によって動きが鈍くなったコアルヒーに容赦無くシェルブレードで切り裂くフタチマル。
「……まさか君にストップをかけられるとは。僕もまだまだって事かな」
「なんかさり気無く見下された気がするんだけど」
「気のせいだ。……それと、君はもう少し相性を考えろ。相性はサンヨウジムで嫌というほど理解しただろう。水タイプのシェルブレードじゃ、水タイプを持つコアルヒーに効果的なダメージを与えられない。ジャノビー、グラスミキサー!」
チェレンはそう言い終えると、さも相性について示すかのようにジャノビーにグラスミキサーを放たせた。
「……タイプ相性を考えてないのはどっちだよ。草タイプのジャノビーじゃ、飛行タイプを持つコアルヒーには不利じゃないか」
「だから攻撃を回避しながら戦うのさ。ぼやぼやしてないで、さっさとこの面倒なコアルヒーを片付けるよ。ジャノビー、グラスミキサー!」
「なんか無理がある気もしないでもないけど、分かったよ。フタチマル、シェルブレード!」
そんなこんなで、コアルヒー空襲と名付けられた(命名、ミキ)この騒動は、コアルヒーを全て一匹残らず撃墜することで収まったのであった。
今回はやや短めです。次回はホドモエジムではなく、冷凍コンテナ辺りだと思います。もしくは番外でも書こうかと。まあ、僕の気分で決めますので、また次回もよろしくお願いします。