二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 番外編 トライアルハウスバトル 前編  ( No.81 )
日時: 2011/04/23 14:38
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
参照: http:/ARUGRIZMU

これは、まだイリスたちがライモンシティに着く前で、テラのある日のお話。

テラは、いつもの様に自分の家に引きこもってパソコンで何かをしていた。何をしているかと問われれば、それを答えることの出来るのはライモンシティではテラだけであり、そのテラもそんな事をいちいち答えたりはしないだろうから、テラがパソコンで何をやっているかは不明である。まあ、しかしこの物語にはその事は全く関与していないのだけど。
長くなってしまったが、そんないつもの日常を満喫(?)していたテラの元に、一通の手紙が届いた。テラはこの時代に手紙なんて古風じゃないかと思ったが、あまり気にせず封を開けた。中の手紙を見ると、こう書いてあった。
『テラ様へ
前置きは面倒なので、単刀直入に言わせてもらいます。実はテラ様に頼みたいことがあるのです。テラ様はライモンシティに近々出来る予定のトライアルハウスというのをご存知ですか。存じてないのなら、パソコンか何かで調べてください。そのトライアルハウスなのですが、今はまだ完璧ではなく、試験運転の最中なのです。ですが、その試験運転でバトルをするトレーナーの強さには限度があり、今のままではあまり高いランクまで測定出来ないのです。だから、このライモンシティで1番強く、四天王にも匹敵するとの噂のテラ様に協力してほしいのです。お願いします。
トライアルハウス局長より』
テラはそれを読み終えるとゴミ箱に捨てた。理由は面倒だから。
しかし
『テラ様へ
前置きは面倒なので、単刀直入に言わせてもらいます。(以下略)』
次の日、全く同じ内容の手紙が届いたが、テラはやはり捨てた。
しかし
『テラ様へ
前置きは面倒なので、(以下略)』
テラは手紙を捨てる。
しかし
『テラ様へ(以下略)』
と、こんな感じの手紙が毎日届くのだ。流石のテラも折れてしまい、トライアルハウスに向かった。

トライアルハウスはライモンシティの南西の端に位置しておりライモンシティの北東に家があるテラとしては行くのに時間が掛かった。
トライアルハウスに着くと、所長らしき人が来て、こう言った。
「君にやってもらうことは至極簡単だ。これから凄腕のトレーナー5人と連続でバトルをしてもらう。使用ポケモンは3体だ。それでは早速始めよう」
そうして、テラは今、トライアルハウスのバトルフィールドに立っている。
「出て来い、ツンベアー」
「出て来い、ミルホッグ」
テラはツンベアーを出し、相手はミルホッグを出す。
「それでは、バトル開始!」
審判がバトル開始の合図を出し、先に動いたのはミルホッグだった。
「ミルホッグ、必殺前歯!」
ミルホッグが素早くツンベアーに接近し、その長い前歯で噛み付こうとするが
「ツンベアー、氷柱落とし」
ツンベアーの氷柱落としが炸裂し、ミルホッグは一撃で沈んだ。
「なに!?」
相手はものすごく驚いているが、テラからしたら普通に敵を迎撃しただけのことである。
「戻れ、ミルホッグ。次はこいつだ、出て来いオーベム!」
相手が次に繰り出すのは、オーベム。
「はあ……ツンベアー、吹雪」
ツンベアーの吹雪で吹っ飛ばされ、オーベムは戦闘不能となった。

その後もテラは破竹の勢いで相手を倒していった。
「出て来いママンボウ!」
「ギギギアル、放電」
「行け、ナットレイ」
「ツンベアー、吹雪」
「任せた、フリージオ」
「ランクルス、サイコキネシス」
これで2人撃破。
「行っけえ、シュバルゴ!」
「ギギギアル、チャージビーム」
「頼むよ、メブキジカ!」
「ツンベアー、氷柱落とし」
「任せるよ、コジョンド!」
「ランクルス、サイコキネシス」
残るは2人。
「行ってください、アギルダー」
「ツンベアー、吹雪」
「頼みますよ、シャンデラ」
「ランクルス、サイコキネシス」
「託しました、レパルダス!」
「ギギギアル、破壊光線」
これで、あと1人になった。
「あの、もういいですか?」
テラが、ポケモンを戻しそう言う。
「うん?」
「この人たち、正直弱すぎます。全然相手になりません。だから、これ以上はやるだけ無駄です」
ズバズバと言ってくるテラに対し、局長は
「ふふふ、随分と甘く見られたようだね。まあ、安心したまえ、次の相手は、かなり強いから」
「そうですか」
テラはこの時、局長の言葉を本気にはしていなかった。
「それじゃあ、出てきてくれ」
そう言われ出てきたのは、黒いコートに身を包んだ、長い金髪の女性だった。
「それじゃあ、早速始めましょうか」
金髪の女性がそう言って、審判がバトル開始の合図を出す。
「出て来て、シビルドン!」
女性が出したポケモンはシビルドンだった。誰が見ても、その姿は勇ましく、よく育てられていることが分かる。
「……出て来い、ランクルス」
テラが出したのはランクルス。持久力があるので、とりあえず様子見に繰り出した。
「シビルドン、噛み砕く」
先に動いたのは女性のシビルドンだった。しかし
「ランクルス、サイコキネシス」
ランクルスのサイコキネシスにより動きを止められ、地面に叩きつけられる。
「!? 全然効いてない……」
サイコキネシスを食らったシビルドンは、何事も無かったかのように起き上がる。
「私のシビルドンは特防を重点的に強化してあるの。だからサイコキネシスなんかの特殊攻撃はほとんど効かないわ。シビルドン、アクロバット」
シビルドンは高速で動き回り、ランクルスを攻撃する。
「……確かに、今までの相手とは違うみたいだな」
テラは、そう呟いた。



今回は番外編。香兎さんが投稿してくださったテラにスポットを当ててみました。今回の番外も前後編ですので、次回をお楽しみに。……金髪の女性に関しては、勘の鋭い人は分かるかもしれません。