二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 38章 冷凍コンテナ ( No.83 )
- 日時: 2011/04/24 00:33
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
- 参照: http:/ARUGRIZMU
「言っておくが歓迎なんてしないぞ。跳ね橋を下ろしたせいで、街にプラズマ団が逃げたからな」
開口一番、ホドモエジムジムリーダーのヤーコンは、そう言った。
この時イリス、ミキ、チェレンは、カミツレの言った通りの人だと思った。
いきなり出て来ての言いようで3人とも面食らったが、いち早く回復したチェレンが、言葉を返す。
「でもそれと僕らがここに来た事は関係ありませんよね?」
「ふん、何とでも言え。ここで重要なのは、プラズマ団が待ちに逃げた事、そしてお前達がここに来た事だ。自分でも強引だと思うが、お前らもプラズマ団を探せ」
そう要求を押し付け、踵を返したヤーコンは、ふと思いついたように言った。
「そうだ。プラズマ団を見つければ、ジムに挑戦させてやる。世の中、ギブ&テイクだ」
そしてヤーコンは、プラズマ団を探すためか、街へと歩いていった。
それを見送る中、1人の少女がイリスたちの所へやって来た。
「ふう、やれやれ。本当にヤーコンさんは強引だな……」
しかもぼやきながら。
「あの、あなたは……?」
イリスが至極もっともな質問をする。
「ああ、ごめん。私はミナアキ。PDOホドモエ支部統括だ」
と、少女、ミナアキは名乗った。
それに応じて3人も軽く自己紹介をする。
「それじゃあ、私も街の方を探す。君達は、冷凍コンテナの方を探してくれ」
冷凍コンテナ。
ホドモエシティは、様々な品物が流通するイッシュ最大の港町で、冷凍コンテナは貿易で手に入った品物や流通する物品を保管しておく倉庫だ。
「チェレン、やっぱりこのコンテナの周囲にはプラズマ団はいなっかたよ」
イリスとミキが、コンテナの周囲の探索から帰り、チェレンに報告する。
「だとすると、やっぱりここか」
チェレンが憂鬱そうにそう言う。
「それじゃあ行くよ」
「寒いのは苦手なんだけどな……面倒だし」
チェレンは憂鬱に面倒が混じったような声でそう呟く。
イリスはそんなチェレンに構わず、扉を開ける。
「……寒いね」
「だから、サッサと中を調べて帰ろう」
チェレンは早く出たいと言う様に歩き出す。しかし
「し、師匠……」
ミキが寒さに打ち震えていた。
「ミキちゃん……まあ、その格好なら寒いか」
ミキの格好は半袖のTシャツにミニスカート。寒くて当然の格好である。
「ううー、冗談抜きで死にそうです……」
全くその通りである。
「寒いです、師匠……?」
ミキが寒さで凍死しそうなのを見て、イリスは自分の着ていた上着を脱いでミキに羽織らせる。
「これ羽織ってれば、気休めくらいにはなるかな」
「でも、師匠……」
「大丈夫だよ、僕なら。それよりもミキちゃんが風邪を引いたら大変だからね」
優しく、暖かくイリスは言う。
「……はい、ありがとうございます……」
ミキは俯き、頬を紅潮させながらそう言う。
その様子を見て、チェレンは顔が少し綻ぶ。
「さて、それじゃあ行くよ。早くこの面倒なのを終わらせて、ジム戦をしよう」
チェレンがそう言い、冷凍コンテナの中を3人は進んでいく。
「ここに、プラズマ団が居るのか?」
「たぶん。他に隠れられるような場所はないし、十中八九ここだよ」
3人が今居るのは、冷凍コンテナの中でも一際大きなコンテナの前だった。
「そんじゃ、行くとしようか」
イリスが明るくそう言って、コンテナの中に入る。
そして、コンテの中は
「寒い、寒くて敵わんぞ。ほら、お前ら。もっと俺を包め。凍死しちまうよ……」
「了解です、レド様」
「ですが、このままでは私たちも凍死してしまいます」
「知るかそんなもん。俺が死ぬよりよっぽどマシだ」
その光景を見た3人の感想は
『嫌な上司だな……』
だった。
「うおお!? なんだ、もう見つかったのか!?」
プラズマ団の下っ端に包まれていた、プラズマ団の制服を改造し、赤い髪の男は心底驚いたように叫ぶ。
「まさかこんなに早く見つかるとは……」
「まあ、他に隠れる所は無いみたいだし、見つかるのは時間の問題だったと思うよ」
イリスが丁寧にも説明してくれる。
「チッ、まあいい、見つかったからには名乗ってやる。俺はレド。プラズマ団7幹部の1人だ!」
レドは、高らかにそう名乗ったが
「寒いな、やっぱり……」
あまりの寒さに縮こまってしまった。
「決まらない奴だな……」
「この前のバイオって奴の方がまだマシだった……」
「というか、もう追い詰めちゃいましたけど、どうします?」
「好き勝手吠えてんじゃねえ!」
3人は口々にそう言うのを聞き、レドはキレた。どうやらキレやすいようだ。
「こうなったら俺が直々に叩きのめしてやる。出て来い、ヒヒダルマ!」
キレたプラズマ団幹部、レドはダルマッカの進化系、ヒヒダルマを繰り出した。
「凄い熱気だ……」
「ははははは、そうだろう!俺のヒヒダルマはボールから出すだけで周りの気温が急上昇し、この程度の寒さなら軽く吹き飛ばすのだ!」
と、高らかに叫ぶレドに、下っ端が口を開く。
「あの、レド様。最初からヒヒダルマを出しておけば寒さに震えることもなかったのでは……」
「…………」
無言。
『…………』
一同同じく無言。
「……行くぞ、ヒヒダルマ!」
気にしない方向で行くらしい。
今回はプラズマ団幹部の1人、レドが登場しました。レドはバトルは強いけど頭が悪いという設定です、見れば分かると思いますが。さて次回はその頭の悪いレドとのバトルです。頭は悪いですが圧倒的なパワーの力押しでバトルをします。お楽しみに。