二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 42章 ホドモエジム戦 VSヤーコン ( No.87 )
日時: 2011/04/26 17:18
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
参照: http:/ARUGRIZMU

イリスはミキの頑張りのお陰で、すぐに風邪が治った。その際に少々痛い目、というより苦い目にあってはいるが。

時系列は遡り、昨日。
ミキは手に入れた薬をイリスに飲ませた。そのときの(寝ていた)イリスの反応が
「にがぁ!? 何これ!? なんか味覚が一気に狂った気がするよ!?」
「師匠……良かったです。元気になって……」
「元気というか、これ死んだって!舌の細胞が全部死んだよ!全滅して死滅したよ!っていうか本当に何これ!? ミキちゃんは僕に何を飲ませたの!?」
「え? ただの薬ですけど」
「絶対ただの薬じゃないよ!いくら良薬でもこれは苦すぎるよ!脳が味を認識するのを拒んでるよ!」

とまあ、こんな感じのやりとりはあったもの、イリスは無事復活したのであった。
閑話休題。
イリスは今現在、ホドモエジムジムリーダーのヤーコンとバトルをしている真っ最中だった。
「フタチマル、シェルブレード!」
「ワルビル、穴を掘る!」
ワルビルは穴に潜ってシェルブレードを避ける。
「地面タイプが相手なら、負ける気はしない!フタチマル、水の誓!」
と、フタチマルが水の誓を放つ仕種をしても何も起こらなかったが、少し間が空いて、地面からワルビルが水流で打ち上げられた。
「な、ワルビル!」
「今までは地面をぬかるませるのが限界だったけど、今ではもうポケモンを打ち上げるくらいの事はできる」
ちなみにこれは、ライモンジムの最後に使用したものの応用である。
「ふん。だが俺様のワルビルはまだまだいけるぞ。噛み砕く!」
「シェルブレード!」
フタチマルとワルビルにより、ホタチと牙のせめぎ合いなる。その結果打ち負けたのはフタチマルだった。
「くっ……」
「どうした? まだバトルは始まったばかりだぞ。ワルビル、シャドークロー!」
ワルビルが影で作った爪でフタチマルに襲い掛かる。
「避けろフタチマル!」
イリスはここで、撃退ではなく回避の指示を出した。なぜなら、フタチマルはワルビルとの戦いが始まってから、攻撃力を下げられているのだ。
「どうやら、ワルビルの特性、威嚇が効いてるみたいだな」
そう。イリスが今一つ攻撃的になれないのは、ワルビルの特性威嚇によってフタチマルの攻撃力を下げられているからである。
「フタチマル、水の波動!」
「避けろワルビル、ストーンエッジだ」
ワルビルは水の波動をかわし、尖った鋭い岩を無数に放つ。
「避けろ、フタチマル!」
フタチマルはその無数の岩をホタチも使いつつ全て避ける。
「はっ。そんな逃げ腰でバトルしてたんじゃ、俺様はおろか、この先のジムリーダーすら倒せないぜ」
「……フタチマル、水の誓!」
ヤーコンの挑発に乗りそうになったが、イリスは安全圏からの攻撃を繰り返す。
「まどろっこしいバトルだな。昔の自分を見てるみたいだぜ……」
ヤーコンがそう吐き捨てる。
「昔の自分……?」
「何でもねえよ……ワルビル、シャドークロー!」
ワルビルが影の爪を作り、フタチマルに特攻する。
「……こうなったら一か八か。フタチマル、ハイドロポンプ!」
フタチマルは大きく息を吸い込み、力を溜める。そして溜めた力で超高圧水流をワルビルに目掛けて放つ。
はずだった。
「!?」
ハイドロポンプは超高圧水流を相手目掛けて一直線に撃つ技。しかし、フタチマルが撃ったハイドロポンプは、水流が散弾の様に拡散していった。
「それは先日冷凍コンテナをぶち破った時に使用されたハイドロポンプだな。ふん、どうやらまだ未完成らしいな」
ニヤニヤと笑いながらヤーコンはそう言う。
だが実際、ハイドロポンプは未完成だ。まずもって撃つのに時間が掛かり、うまく発射しないと力が分散してしまうだけでなく、撃てたとしても2発目は撃てない。ここまで欠点だらけでは、とても実践では使えないだろう。
「……フタチマル、戻れ」
イリスは戦闘不能となったフタチマルを戻し、次のポケモンを出す。
「出て来いワシボン!」
イリスの2体目はワシボン。これでワルビルの攻撃の半分は無効に出来る。
「ワシボン、ビルドアップから燕返し!」
ワシボンはビルドアップで自分の能力を上げると、素早くワルビルに接近し、翼で切り裂く。
「なに!? ワルビル!」
ワルビルはワシボンの燕返しの一撃で戦闘不能となった。
「ちっ……戻れワルビル」
ヤーコンは舌打ちをし、ワルビルを交代させる。
「出て来い、ガマガル!」
ヤーコンの2体目はガマガル。
「ガマガル、エコーボイス」
ガマガルは突然、ではないにしても、驚くに値する行動を起こした。
声を発し始めたのだ、さながら発声練習の様に。
「な、何これ……?」
「今に分かるさ」
ヤーコンがそう言うと、ガマガルの声がだんだんと大きくなっていくのが分かった。そして
「! ……ぐぅ。これは……」
「そうだ。エコーボイスは使えば使うほど音が大きくなり、威力も増す」
「本当は複数でやるんだけどな」と後付し、ヤーコンは言う。
「さあ、俺様のガマガルのエコーボイス。破れるものなら破ってみろ!」
ヤーコンはそう、豪語した。



やっとここまで来ました。5つ目のバッジを賭けたバトル、ついに始まります。そして次回は、ヤーコンとの決着です。まあ、バトルシーン書き出したら文字数がえらいことにはなりますが、大体2回に分けられるんですけど。では、次回をお楽しみに。