二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 46章 リーダーの矜持 ( No.95 )
日時: 2011/04/28 00:36
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
参照: http:/ARUGRIZMU

「チラチーノ、ロックブラスト!」
「デスマス、シャドーボール!」
「モグリュー、メタルクロー!」
イリス、リオ、ミキの3人が37体ものバチュルに絶え間なく攻撃を続けるが、これがなかなか減らない。
理由の1つは、バチュルによっては身代わり、守る、影分身などの防御技を多用するバチュルもいるからだ。
2つ目は小回りが利くことだ。ちょこまかと動き続けるバチュルは的の小ささも相まって攻撃が当たりにくい。
「……チラチーノだけじゃ足りないわね。出て来て、アバゴーラ!」
リオはバチュルの数があまりにも多いものだから、アバゴーラを増援させる。
「アバゴーラ、岩雪崩!」
アバゴーラは勢いよく地面を叩きつけると、周りの岩場から岩が雪崩の様に降ってきた。それにより、バチュルを何体か倒すことが出来た。
「……減らないですね」
「たぶん、このバチュル群れにはリーダーがいて、そのリーダーを倒せば他のバチュルも逃げていくと思う」
リオの言葉を信じ、イリスはバチュルの群れを見渡す。
「ん? あのバチュル……」
イリスは群れの中で一際大きい(といってもぱっと見では分からないが)バチュルを見つけた。そのバチュルは、チラチーノの歌うが効かなかったバチュルだ。
「リオさん。たぶんあのバチュルです。歌うが効かなかった」
「あれか……チラチーノ、アクアテール。アバゴーラ、アクアジェット」
リオは標的を定めると、一気に攻撃を仕掛けた。
「!また……」
バチュルは攻撃される際に、身代わりで回避する。
「アバゴーラ、殻を破る。チラチーノ、歌う」
アバゴーラは殻を一枚破り捨て、攻撃、特攻、素早さを上げる。チラチーノはもう一度歌うで眠らせようとする。
「やっぱりダメね。あのバチュル、歌うが効かない」
悔しそうにリオは言う。
「リオさん。僕にやらせてくれませんか?」
今までミキと一緒にバチュルの雑兵狩りをしていたイリスが、進言する。
「……分かった、任せるわ」
リオはイリスの進言を受け入れ、雑兵狩りを始める。
「よし、じゃあ行くぞ、デスマス。シャドーボール!」
デスマスは一匹だけ離されたバチュルに黒球を放つ。
「また、身代わりか」
やはりバチュルは身代わりで攻撃をかわす。そしてデスマスに向かって電撃の球を放つ。
「!? エレキボールか!」
エレキボールは素早さが高いほど威力の上がる技。バチュルの素早さは結構高い。それなりのダメージにはなっただろう。
「怯むなデスマス、怪しい風!」
デスマスは黒い風を発生させ、バチュルの動きを止める。
「今だ、鬼火!」
バチュルの動きが止まったところで、デスマスはバチュルに鬼火を放つ。
「これで火傷状態。デスマス、シャドーボール!」
デスマスが再び黒球を放つ。しかしそれもエレキネットにより阻まれる。
「怪しい風!」
デスマスの怪しい風は、あまり威力は高くないが、その分範囲が広く、周りのバチュルごと吹っ飛ばした。
「シャドーボール!」
デスマスは黒球を放つ。今度の攻撃は当たり、バチュルにもダメージが蓄積されていく。
「デスマス、怪しい風!」
デスマスは怪しい風で周りのバチュルごと攻撃する。その時、一瞬だけリーダーのバチュルの動きが鈍る。
「今だデスマス、シャドーボール!」
イリスはその隙を見逃さず、攻撃を加える。それによってバチュルはほとんど瀕死状態になった。
「……お前は、仲間思いなんだな。だから、他のバチュルが攻撃されるとそれに過剰反応して動きが鈍る。悪いけど、その隙を突かせてもらった」
イリスはほとんど動けない状態のバチュルを見下ろしながら、そう言う。
「こういうのは人質みたいで嫌だけど、仲間が大事なら人の家の電気を食べないと約束しろ。それと」
イリスはポケットからモンスターボールを出す。
「僕の仲間になってくれ」
「え!?」
「師匠!?」
リオもミキも驚く。
「いやさ、このバチュル、何だか気に入ったんだ。隙の無いバトルとか、慎重なところとか」
イリスはそう言いながら、しゃがみ込む。
「で、どうする? 僕の仲間になる? ……いや、違うな。僕の仲間になってくれ、だな」
イリスがそう言い、バチュルはどう思ったのか、イリスを見つめる。やがて、ゆっくりと目を閉じる。
「うん、分かった」
イリスもボールのスイッチの部分をバチュルの額に押す。するとボールが開き、バチュルもその中に吸い込まれる。ボールはリズム良く揺れた後、カチッという音と共に、動きが止まる。
「…………」
どこか満足そうな表情のイリスには、声を掛けるのを躊躇う様な空気が流れていた。
「さあて、これで一件落着ですね」
周りにいたバチュルたちも、どこかへ逃げて行ったようだ。
ちなみに、もうすぐ夜明けである。

結局のところ、イリスたちは夜が明けてからもう一泊し、電気石の洞穴へ向かうべく出発した。
リオも、バチュルの突然の出現が気になると言って、PDOに連絡を入れた後、電気石の洞穴に向かうそうだ。
「ここが、電気石の洞穴ですよね……」
「そうだと思うけど……」
イリスとミキは電気石の洞穴の入口に来たが、その入口に異変が起きていた。
「これは一体……」
電気石の洞穴の入口は巨大な蜘蛛の巣の様な物で塞がれていた。



今回はイリスが新たなポケモンをゲットしました。これで5体目です。さて次回は、電気石の洞穴でプラズマ団とのバトルの予定です。あの3人組みも出ます。お楽しみに。