二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 桜吹雪の舞う頃に【銀魂】 ( No.45 )
日時: 2011/04/16 20:21
名前: 圭 (ID: jd/Z3uOx)

**約束**

「お悔やみ申し上げます…。」

父のお葬式には、たくさんの人が来た。
近所の人、友達、親戚、

そして真選組の人も。




葬式は終わり、続々と人が帰っていく
家の外まで見送り、家の片づけをしようと振り返ると沖田さんが立っていた。

「沖田さん…?」


呼びかけには答えず、ただじっと私を見ている。
再び呼びかける

「沖田さ…  「空」


いきなり名前を呼ばれ、体がびくっと震える。
沖田さんの目はいつも以上に真剣で、どこか心の中を見透かされているようで———…

          怖い。



「無理するんじゃねィ…」



あぁ、分かってしまったか…
確かに辛かった。

父さんが亡くなり悲しむ人を慰めるのは。



私に、母さんはいない。
私を生んで死んでしまったそうだ。

父子家庭で育った私は、よくからかわれることもあったが別に辛くなかった。
父さんがいれば、それで良かったから



———…でも、今は私の生きる支えとなってくれる人が誰もいない。



だからといって、他人に甘えるのはよくない。
父さんとの約束を、「泣かない」ことを守るために…


「大丈夫ですよ…?無理はしてません。」

沖田さんの目を見て、微笑みながら言う。



「じゃぁ、何で涙が出てるんですかィ?」




おかしいな…今、笑ったはずなのに…


私の頬に一筋の涙が流れる。



父さん、ごめん
やっぱり笑えないよ…

       


        悲しい、悲しいよ———…