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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【銀魂】桜吹雪の舞う頃に。 ( No.63 )
- 日時: 2011/05/25 19:38
- 名前: 圭 (ID: jd/Z3uOx)
**桜舞う**
「おいおい、お譲ちゃんよぉ…俺の大切な仲間になにしちゃってくれてんの?」
そう言いながらも奴の口角は上がったままだ。
カチャリ、
万が一のために刀に手を添える。
手は小刻みに震えている
ひきつった顔で私は奴に言う
「おいおい、おじさんよぉ…私の大切な家族になにしちゃってくれてんの?」
大丈夫、大丈夫、
自分に言い聞かせながら息を吐く。
それから、間髪をいれずに奴めがけて刀を振り下ろす
刀と刀が交差する。
その時の独特な音があたりに響き渡る。
「あぁ、あの時のジジィの娘か…」
「…は…?」
奴はクツクツと笑う。
不信感を抱いた私は奴から離れる
「あん時はイライラしててー
殺 ち ゃ っ た 」
頭の中で奴の言葉がこだまする。
やっと内容を理解した脳みそは、
私の腕に、足に、命令を下す。
「貴いぃ様ぁぁぁああああああああぁあああ!!!!!!!」
一心不乱に刀を振る私をよそに、奴は軽々とよけていく。
「もうちょっと冷静にならないとだめだよー」
奴の言葉はもう、私の耳に入っちゃいなかった。
奴を斬り殺す———…
それしか頭になかった。
冷たい風が頬を掠める
桜舞う。
今まで隠れていた月が、紅月が顔を出した。
あ、綺麗だ———…
月光により照らし出された奴の姿は私のすぐそばにいた。
グサリ
嫌な感触がした。
赤黒い液体が、地面を染める
やがて自分で立つ力もなくなり、その場に崩れ落ちる。
その瞬間、腹のあたりに激痛が走った。
ドサリ
視界が狭まる一方で、なぜか奴も倒れた。
一つの影が、私を覆い尽くす
「…だ、れ…」
「全く無茶する奴ですねィ…」
あぁ、この声。
きくと安心する。
そうして、私の視界は完全に閉ざされた———…
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