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　四十七話「離脱」

その後、風丸が一人でいるところを見つけた円堂が
「風丸っこんなところにいたのか」
「…円堂」
暗い
「アイツら、強かったな！きっとイプシロンより上のチームだな」
「……。」
風丸は何も言わない
夕方から、夜へと変化する空のせいで風丸の表情が見えない
「もっと、強くならないとなっ！明日からまた、特訓だ」
「…円堂」
風丸が口を開いた
「俺、もう。無理だよ。もう…戦えない」
「え------？無理って、何がだよっ！！今まで、頑張って強くなって、ここまで来たじゃないかっ」
円堂が叫ぶ
風丸は立ち上がり、円堂に背を向けた
そして

「俺、お前みたいに強くはないんだ…」





立ち去る風丸
それを見てしまった栗松
そして…

その言葉を聞いてしまったそらに

気付いた者はいただろうか


誰もいない場所
そこに一人、
いや、もう一人

光の無い眼の少年

”絶望”の顔




悲しみや辛さを隠した少女



二人の間に言葉はない。






先に沈黙を破ったのは


「どうして？」




少女だった