二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナズマイレブン〜心に灯る星〜 ( No.255 )
- 日時: 2011/08/17 18:08
- 名前: 夜桜 (ID: KY1ouKtv)
七十二話「一人の少女に必要なモノ」
「私たちは病院で出会ったの」
そらは語りだした
もう!病院、飽きたぁー!
検査とか疲れるし…
そうだ!サッカーしよう。この間教えてもらったんだけど
楽しいんだよね♪
私、意外と上手にできるんだぁ
外に出た
「それっ!あ…ありゃぁ〜」
蹴るの失敗したぁ
「えっと、ボール。ボ〜ル…」
病院の外に出てしまったらしい
「んん!あ、あったぁ」
ボールを手に持ち帰ろうとすると
「…ァ…ダレ……か」
声が聞こえた気がした
「え?誰かいるの〜?」
声のした方向にいくと
乱れたツインテールの女の子が倒れていた
「!!ヒィ!えっ!!????」
そのままその子は病院に運ばれた
その子は傷は大した事ないらしい
目が覚めた聞いて、その子の病室にいくと
「……………。」
何も感じていないような虚ろな目をしていた
何か、見たことがある気がした
「私は、星宮そら!そらって呼んで?あなたの名前は」
「………」
聞こえていないのかと思うほどに反応はなかった
嗚呼、わかった。
この子は私に-------------------
昔の私に似てるんだ-----
「かがりちゃん!また来たよ〜ねぇ今日は何するっ?」
「…しない」
何回も何回も通うようになって
表情は見せてくれないけど
話は少ししてくれるようになった
「ねぇ、なんで」
かがりちゃんが珍しく話しかけてきた
「なにが?」
少しだけ、表情を変えていった
「だって…可笑しいでしょ?あたし何かに構うなんて…あなたはあたしに何があったか知ってるんでしょ」
嗚呼、そういう事か
「知ってるよ、で何?」
目を見開いてる
「だ、だって普通は近寄らないでしょっ!!普通は避ける…ものでしょ」
声の大きさがだんだん小さくなった
「…。そうかもね?だけどね…ホントにそうしたらダメなんだよ」
「え?」
「そんな子には誰かが手をさしのばさないといけないの」
かがりちゃんの顔に驚きが見える
「私もね、昔は…似たような者だったの」
「う、嘘だよ。だって…そんな子が」
「本当だよ。だってね、私のお母様の亡くなってる、そして。父親に捨てられた」
「え---------あたしと、おなじ?」
「そう♪だけど…私とあなたの違いが一つだけある。それを…一緒にしたい」
「何が…違うって」
「私は楽しくもないのに自分を偽って…笑ってきた。でもね本当は思いっきり泣きたかった」
そう、あの時。あの一言を言ってくれた人がいたから
「でも私には…『泣いていい』って言ってくれた人がいたから。一人じゃないって、思えたから」
かがりちゃんを私は抱きしめた
「え」
「大丈夫…一人じゃないの。私がいる、だから、わらって…泣いて…。もっと、もっとっ」
「…ゥ、ゥ…わぁぁあぁぁぁあああぁん」
かがりちゃんから、今までの辛さがあふれ出た
「あたしがっ…守らないといけなかったのにっ!!!あたしがっ」
「たーくさん、泣いていいんだよ?」
「あ、ありがとう…ずっと怖かった…一人でいることが」
かがりちゃんが笑った
「うん…わかってるよ」
その日、辛くて、感情までも殺してしまった少女が
このセカイに生まれた
あたしは…一人じゃない。
それが、今まで言ってほしかったコトバ--------
辛くて、自分の殻に閉じこもって…
自分を殺してたんだ
あぁ…何て世界は広かったんだろう
いままで、自分の世界にいたから
狭く感じていた。
ありがとう----------
それが…もの凄く言いたい
暖かなセカイに、広いセカイに
優しいセカイに
ずっと…憧れていたんだ
「ありがとう」
心から言える、暖かで優しく思える
感謝の言葉