二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナズマイレブン〜心に灯る星〜 ( No.276 )
- 日時: 2011/08/19 17:01
- 名前: 夜桜 (ID: KY1ouKtv)
七十四話「漆黒の蝶は天に舞い空に泣く」
〜かがり視点〜
光に満ちた世界に、もう一度生まれて
楽しかった
そして、新しい光が見えた
伝えたかった。
なのに----------------
「ねぇ、てるみ。あたしには家族がいない。だから、ずっと一人だった」
一度、あたしの事をごまかしながらそう言ったことがある
そしたら
「そっか。でも今は違うね。そらさんがいるし、かがりには…僕もいる」
その時言ってくれた
「一人にしない」
子どものいう事だし、破るのは簡単な事だけど、
あたしにとっては大切な事
「明日もね!」
「ばいばい〜」
「じゃあね」
明日も、って言ったのに。
約束したのに………
てるみは、こなかった
「風邪?とか。」
「明日は来るよ」
二人でそう言い合っていた
でも、一週間たっても、一か月たっても
てるみはあたしたちの前に姿を現さなかった
「なんで…あたし、何かした?」
「かがりのせいじゃない。何かあったんだよ。来れなくなった理由が」
そらちゃんも苦しそうな顔をしている
「なんで、いなくなったの?あたしが何かしたの?あたしが悪いの?」
そらちゃんに聞いても何か分かるわけじゃない
分かってる、だけど…
「もう、何も失いたくない…よ。誰も、いなくならないでっ!!!」
失いたくない。
出会いがあれば別れがある、それはわかってる
だけど、失うのは嫌
「てるみっ!!!うわぁぁああぁあん」
いなくなって、感情が狂い
ワケがわからずに泣いた
どんなに泣いても君には届かない
声は空に悲しく響き消えるだけ
〜そら視点〜
それから、かがりはしばらく閉じこもった
様子を見に行っても
何も感じていないような目、生気のないような表情
それを見ていて、辛かった
そして、重い扉が開けられ出てきたかがりは
作り笑いで笑っていた
自分を無理矢理作り上げて、笑っていた
辛さも、悲しみも、寂しさも
全てを乗り越えようとした少女の出した答え
〜かがり視点〜
なんで?…一人にしないって、約束したのに。
あたしは…また、
信じたい、何か理由があったんだって、思いたい
だけど…
やっと、開けた重い扉
そして出た言葉は
「もう大丈夫。そら”さん”」
信じてる人でも、信頼している人でも
どこか………
〜そら視点〜
そら”さん”
それは信頼していても
一定の距離を置いてしまうという事
悲しかった。嗚呼、この子はまた
それは
ソレをしった人も
本人も
辛く、悲しい事
漆黒、それは闇
漆黒、それは光
漆黒、それは暗闇
漆黒、それは輝き
蝶、それは---------貴方
漆黒の蝶は、暗闇の中でも輝く
闇に光を燈すことの大切さを知っている貴方
ねぇ、かがり私は貴方を信じてる。だから、また------------------------------