二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナズマイレブン〜心に灯る星〜 ( No.29 )
- 日時: 2011/04/16 06:57
- 名前: 夜桜 (ID: KY1ouKtv)
十一話 「一人だった少女」
かがりは完璧に仕事をこなしている。おかげで夏未は楽である。
そして、また唐突に流れ出すメロディ〜♪
カチャ、かがりのケータイだ。画面を見て険しい顔をした後
「…風丸」
「ん?どうした」
「あの子達そらさんの後つけたみたい。」
「!!!」
風丸はそのまま走り出そうとしたが、
「まって!!」
止められた。
「これ、そらさんからだから。」
「……………。」
「なぁ。今日そらはどこ行ったんだ?」
「円堂が訪ねてくる。
「……………………………………………」
沈黙
「……今日はね。『浅野レナ』という人の命日なの。」
「かがり!!!」
「落ち着いて、風丸。そらさんは秋たちに言うって。」
「…ッ」
「昔、浅野そら、という女の子がいたわ。」
〜かがり視点〜
「その少女の母親は忙しい人でね。やがて、その母親。浅野レナはある病気にかかるわ。
その病気のせいで亡くなったわ。浅野そら、そらさんは、母親の死を目の前で見た。」
ここから先をあたしがいっていいの?そらさんのもっとも苦しかった頃を…あたしなんかがー。
「つまり、そらさんの母親、浅野レナさんはそらさんが5歳のときの亡くなっている。
今までずっと近くにいた人が急に、自分の目の前から消える。
そらさんは…その日に一度…死んだ。」
「!何言ってんだ?」
「円堂うるさいぞ。本当に、死んだわけじゃない。」
風丸が苦しそうに言う。
「そう。死んだわけじゃない。ただ、『心』が死んだだけ。」
「!」
「……………」
「『心』がって!!」
それぞれが驚いている。
「心を閉ざしたのよ。」
〜その頃〜
「私わね。完全にふさぎ込んだの。
楽しくないのに、笑って。知らないうちに自分を殺していた。」
「そらちゃん」
「でもねっ。ある子に言われたの。『泣いていい』って。
その一言でどれだけ救われたか。」
そらは泣いていた。悲しみの涙ではない。別の意味の涙を流した。