二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマイレブン〜心に灯る星〜 ( No.389 )
日時: 2011/09/12 22:48
名前: 夜桜 (ID: KY1ouKtv)

 八十四話「グランと監督」

「放せ!放せっちゅうのが分からんのか!!」
リカの声が響く
雷門中の校庭近く
「今日こそ、話つけたるっ!!!!!」
「だからって喧嘩ごしにならなくてもっ」
秋と春奈がおさえつける
「夏未さんも見てないで手伝ってくださいよ!」

そこに厳しい声が響く
「誰!」

慌てたように秋たちが隠れる
足跡の主が監督に近づく
「…ヒロト」

「今、ヒロトって!」

「今日は見苦しいところを見せちゃったね。でも安心して、ジェネシスに選ばれたのは俺だから」
「どういうことなの」
「じゃあ、待ってるから。姉さん」
監督の目に焦りや、同様が見えた


校門前に秋と春奈がいた
そこに病院から帰ってきたそら、円堂、吹雪
「円堂君!」
「キャプテン!!」
そら達は小走りで秋達に近付く
「どうしたんだ?」
「今日、ジェネシスのグランが来たの!」
秋が焦りながら言う
「えっ!?」
そら達が走りだそうとすると
「瞳子監督の事を『姉さん』って!!」
「!」
「姉さんだって!??」
円堂と吹雪が驚く
「…!あの、馬鹿っ」
そらが小さく呟きながら走り出した


「グランは何故、監督の事を『姉さん』と呼んだのですか?答えてください!」
夏未が言う
後ろには雷門イレブンのメンバーがいる
「瞳子監督!」

「監督!」
そら達が来た
「お!円堂、スパイやスパイ!!」

「そういうことか、監督が時々いなくなるのはエイリア学園と連絡を取っていたから」

「なぁなぁ、敵に姉さんって呼ばれてたってことは」
「監督は宇宙人?」
「説明責任があると思います」
各々、自分の意見を好き勝手に言う

「待て、皆、俺が話す」
そう言い、前に出てきた円堂
「本当にアイツの姉さんなんですか?」
監督はまっすぐな円堂を見、目を見張り
「確かに、私は貴方達にかくしている事があるわ。でももう少し待ってほしいの。エイリア学園はただの宇宙人じゃないわ」

「皆にも私と一緒に富士山麓に言ってほしいの。そこで全てを話すわ」

「なんで、富士山なんですか?」
「そこに宇宙人がいる」
「え?」

「出発は明日の朝、八時。それまでに準備をしておいて」
監督はそう言ってその場を去った

「そんなん、信用できるか」
リカが言うと横で一之瀬が
「結局、監督は俺たちの質問に何一つ答えなかった」
「ダーリン」

「今回の戦いには疑問が沢山ある、それでも戦ってきたのは傷ついた仲間の分も頑張りたかったら」
覆い詰めたように一之瀬は続ける
「だけど、監督に俺達の思いは何一つ届いていなかった。今回でアフロディが倒れた」

「それは監督のせいじゃないでしょ」
そんな冷静な声が聞こえた
その方向を見るとかがりがいた
「アレはあの馬鹿が弱かったから。そして、貴方達が弱かったから」
「そ、それでもっ!…俺は…こんな気持ちで富士山にはいけない」
「俺も、一之瀬の意見に賛成だ。鬼道はどうよ?」
「どちらにしても、判断材料が少なすぎる」

「悩むことはない」
円堂の声で全員が円堂を見る
「エイリア学園の事がわかるんだぞ。監督が勝つことにこだわって引っ張ってくれた理由は富士山にあるんだ」

「行こうぜ!皆」
「待て、円堂。俺は一之瀬が戸惑うのもわかる。行くかどうかは皆に決めてもらおう」

「そうだな」

その光景は横から見ていたそらが
「何?この雰囲気」
そらがあきれた声で言う
「そら?」
「監督も監督だけど。貴方達も貴方達ね…結局、自分が知らない事が怖いだけじゃない」
いつもとは違う、冷めた冷たい声

「…いくら言われても変わらない。俺は降りる」

「監督は何でいわねぇんだ?良い事なんてないだろう?」
「結局、信じた俺達が馬鹿だったって事でしょう」
木暮が言うと
「それはどうかしら」
その声で皆顔を上げる
「今までの試合を思い出して。監督の采配は私達の勝利は第一に考えた適格なものだったわ」
「本当に信用する価値はないのかな?」
夏未に続きそらが言う
「豪炎寺君の時も、豪炎寺君と夕香ちゃんのためだった。自分が憎まれ役になっても」
「!…俺は監督を信じる」
豪炎寺が言う
「僕も行くよ。こんなところで立ち止まりたくない」
吹雪も言う
「あたしも行く!本当の事をしりたい」
塔子も続く

「でも、俺は納得いかない」
土門が言う

「皆、頭を冷やそう。俺も考える」
鬼道がそう言うと皆そこを立ち去った

残ったメンバーは五人
そら、かがり、円堂、秋、夏未
「それでいいの?」
「ああ」
「俺は皆を信じる」

「あ〜あ。こんな事なら…」
そらが何かを言いかけた
「そら?どうした」
円堂が聞く
「…私、知ってるんだよね。監督が隠している事」
悩んだ素振りを見せてからそらが言う
「!どういうことだ!」
「はじめから、ずっと。私は知ってた」
「じゃ、じゃあ、監督は…」
「ごめん。言えない。監督が自分から話さないとと意味がないと思うの」
そらは寂しげな表情で言う