二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナズマイレブン〜心に灯る星〜 ( No.455 )
- 日時: 2011/09/24 21:50
- 名前: 夜桜 (ID: KY1ouKtv)
九十話「本当の自分」
吹雪が立ち上がる
「(こい!お前の答えはこのフィールドにある!)」
豪炎寺が吹雪に合図を送るように頷く
「(吹雪君。見つけよう?このフィールドで、貴方の答えを)」
そらは優しく微笑みながら頷く
「監督、僕を試合に出してください!!!」
「「「「えぇぇ!?」」」」
その発言に驚く
「吹雪…大丈夫なの?」
舞衣香が言う
「僕も皆の役に立ちたいんだ!!」
「(”役に”か…それはどういう意味なの…)」
菜乃香に小さな疑問に気づく者はいなかった
監督が前に出る
「交代。星宮そらに代わって、吹雪士朗!!」
「吹雪が…」
「たしかに、この場をどうにかするには…吹雪君の力は必要。だけど…」
「菜乃香。信じよう?吹雪は自分でこの試合に出ると言ったんだ」
「…うん」
「行きなさい!吹雪君!!」
「はい!」
「吹雪君!…頼んだよ。吹雪君…吹雪士朗らしさで…」
そらはそう言い吹雪と交代した
「(僕はこの試合で完璧になる!ならなきゃいけないんだ!!)」
『無理しないで』
そんな声が吹雪の頭の中に聞こえたような気がした
「いいんだな?」
円堂が聞く
「…」
吹雪は黙って、頷く
「よし!頼んだぞ」
「皆、吹雪にボールを回すぞ!」
「大丈夫なのか?」
不安そうに一之瀬が言う
「大丈夫だ!吹雪は自分で決めてここに来たんだ!俺達にできる事は彼奴を信じて、ボールを回すことだ!」
ボールはグランに周りゴールへ
だが、そこは円堂が阻止した
そして、ボールは…豪炎寺へ
「ファイアートルネード!!!」
ロングシュートだ
だが、そこへ吹雪が走る
「シュートじゃない。これは…パスよ」
そらが言う
「(僕は…俺は完璧になるっ!!!)」
「!アツヤ君」
「エターナルブリザード!!」
「プロキオンネット!」
だが、ボールはネロの手の中
「ダメだ…吹雪君には…今の吹雪君では、ジェネシスには…」
そらが呟く
「アイスグラウンド!」
吹雪がグランを止めようとするが、技は通じなかった
そして、ゴール前
「…ムゲン・ザ・ハンドは通じない…どうしたら…」
「情けない顔するなっ!!!」
綱海が強い声で言う
「ここはあたし達で止める!」
「「「パーフェクト・タワー!!!」」」
塔子、綱海、木暮の新必殺技
「クっ!」
グランが悔しそうに顔を歪める
「(僕は…誓ったんだ!!アツヤと一緒に完璧になるって)」
雷門がどうにか、ボールを奪うが
パスを渡された吹雪は
「吹雪っ!!!」
豪炎寺が叫び、吹雪はボールを受けようとするが
「あっ!」
「…」
「あぁぁっ!」
豪炎寺がボールを蹴り、吹雪にぶつける
「!!!」
「豪炎寺君っ!?」
「吹雪!」
菜乃香と舞衣香がほぼ、同時に叫ぶ
「豪炎寺君?」
吹雪が驚いたように顔を上げる
「…本気のプレーで失敗するならいい。だが、やる気のないプレーだけは絶対に許さない」
「豪炎寺君…(吹雪君…分かって、豪炎寺君の言いたいことを)」
「お前には聞こえないのか!?あの声が…」
「声?」
ジェネシスがリードしながらも試合は続く
「声なんて、聞こえない」
「『絶対に止める!!』」「『うわぁぁ!』」「『くうっ!』」
吹雪の元にボールが
「…聞こえる…ボールから、皆の声が」
「皆の思いが…込められた、ボール」
暗くて、冷たくて、そんな狭い世界に
温かで、優しい光が差し込む
白く、温かい手が差し伸べられた
その手を取る。自分から、この世界から出ていくように
広く、暖かな世界に飛び出すように
吹雪の元のボールを奪にいくが
その時、吹雪が飛んだ
「!!!」
「(そういう事だったんだね。分かったよ…仲間と一緒に戦う事…人にある事なんだ)」
「『そうだ。兄貴はもう、ひとりじゃない!』」
『士朗君は…士朗は一人じゃないよ…皆いるの。だから…大丈夫だよ』
『士朗は士朗…なんだよ』
吹雪には、聞こえたような気がした。見えたような気がした
『私はここで…士朗を信じて待ってるから。信じてからね。士朗が…士朗でいる事を…願ってるから』
温かく、優しく微笑む少女の姿が
吹雪は今までしていたマフラーを外した
そして、駆け出した
「(お前は一人じゃない。お前を支え、友に戦う仲間がいる!)」
吹雪が速い動きをみせる
「…凄い…。速くなっている、吹雪君!(つらら…ようやく届いたよ。アンタの思い)」
「これが、完璧になる答えだ!」
吹雪が必殺技体制にはいる
「ウルフ・レジェンド!!!」
「プロキオンネット!…何っ!??うわぁぁぁ」
「…やった!点が入った!!」
「吹雪!」
「吹雪君!!」
「ありがとう、豪炎寺君」
「………」
豪炎寺は小さく笑った