二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナズマイレブン〜心に灯る星〜 ( No.496 )
- 日時: 2011/10/04 18:59
- 名前: 夜桜 (ID: KY1ouKtv)
九十九話「友情」
円堂がキーパーに戻った
「もう、一点も入れさせない!何があっても!!!」
「円堂君…」
そらが寂しげな表情でフィールドを見る
「勝負してみたかったんだ!キーパーのお前とな」
「望むところだ!!」
「行くぞ!」
風丸が思いっきりシュートする
円堂が止めようとするが勢いが強すぎゴールへ
「(勝った!)」
入ろうとしたところをギリギリで円堂がボールをつかむ
「(円堂、何故諦めない…)」
風丸の脳裏に浮かぶは今まで諦めた事のない円堂の姿
『まだ、終わってねぇぞ!!!』
「それが…円堂」
「(何かが、動きだしてる…何かが)」
風丸の様子に気づいた円堂が
「風丸、どうしてエイリア石に何かに…」
「…俺は強くなりたかった。お前のように………」
「皆そう。何かが違っただけ。ただ、強くなりたかっただけ…」
円堂の脳裏に浮かぶは『強くなれば、絶対、絶対。勝てるからさっ!』そう、宣言した自分の声
「(俺のせい…エイリア学園と戦うために強くならなきゃって。それが、風丸を追い詰めて…
エイリア石の力に頼らせていたなんて…)」
「違う…誰のせいでもない…よ。『強くなりたい』その思いが強すぎただけ…その思いが…」
そらが苦しそうに呟く
「…そらさん………クッ…!」
かがりが横目で研崎を睨む
円堂は風丸にボールを渡すように転がす
「来い!お前の全てを受け止める!!!」
風丸の顔が少し歪む
風丸がもう一度シュートを打つ
「ゴッドハンド!」
「なにっ!?」
「ゴッドハンド?」
皆、何故ゴッドハンドを出したのか、不思議な顔だ
「…本当は分かっているはず。何が正しくて、何が間違っているのか…」
「風丸…思い出してくれ」
風丸の顔が歪む、まるで何かに怒っているかのように、何かに怯えているかのように
「黙れぇぇぇぇえ!!!」
「「「トリプル・ブースト!」」」
「ゴッドハンド!」
「思い出してくれ…皆。俺達の…サッカーを、思い出してくれ!!!」
シュートを止めるが円堂がボールを止めたまま倒れてしまった
「円堂君!!!」
秋の悲鳴にも似たような声が上がる
「本当は、分かっているはず…何が光で、何が闇かを。ただ…怖いだけ…何もできないから、力を求め、
その力の方向が間違っていた事を認めるのが怖いだけ。自分が仲間を傷つけた事が…認めることが………」
段々、小さくなる声でそらが言う
「勝負、ついたな」
風丸が言う
「皆!立って!!立ち上がって!!!」
夏未が強く言うが、何も変わらない
「雷門!雷門!雷門!」
秋が突然、大声で『雷門』コール
それを見た春奈、リカ、そして皆で
雷門イレブンを応援しているのはベンチにいる仲間達だけじゃない
この試合の事を知っている全ての人が雷門を応援している
その声を聴いて、倒れている雷門イレブンが立ち上がる
「円堂!」「キャプテン!」「円堂さん!」
「円堂君!!!…お願い。立ち上がって…」
祈る様な、願うような声
円堂は立ち上がる
「まだ…終わって、ねぇぞ!」
「思い出して…仲間を。思い出して…自分自身を…。思い出してよ」
今にも泣きそうで、でもどこか強い声
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおお!!!!」
風丸が叫ぶ
行き場のない思いを
「「「ダーク・フェニックス!!!!」」」
「ゴッドハンド!!!!」
円堂がシュートを止める
「思い出せぇぇぇぇぇえ!皆ぁ!!」
「思い出してっ!!!!!!」
叫ぶ、二つの声
皆の心に響く、言葉
『サッカーやろうぜ!』
その時、風丸の表情が少し穏やかになった
「…円堂………。そら。」
暗闇に光を差すように、曇っていた空に太陽の光が差す
円堂が疲れ切ったように、それでいて何処かやりきったような表情で倒れる
「何っ!!?」
研崎がエイリア石を見るとエイリア石は砕けちっていた
「どうして!?何故っ!!」
「アンタの野望も此処まで。諦めなさい」
かがりが研崎のところに行き、そういう
後ろには鬼瓦刑事達がいる
「円堂…」
円堂が静かに目を開くと心配そうに顔を覗く風丸達
「皆…」
「円堂」「キャプテン」
「効いたよ。お前のゴッドハンド」
「皆、思い出したんだな!!やった!やったぁぁぁぁあ!!!」
円堂が叫ぶ
「やっと取り戻せたわね」
「本当のサッカー」
「「うん」」
「はい!」
「…馬鹿…。どんだけ、心配かけるのよ」
泣きそうな顔で笑ったそら
「よぉし!試合を続けるぞ!」
続けられた試合はとても楽しそうで彼等の本当のサッカー
試合は同点で終了
終了と同時に走ってきたそらは風丸に抱き着く
「!そら…」
どこか、申し訳ないようか顔でそらを見る風丸
そらは風丸から離れると何か我慢したような顔になって大声で
「馬鹿っ!!!」
風丸の頭を『ぽかり』と叩く
「馬鹿、馬鹿、馬鹿…」
そう続けた、怒っているように、泣きながら
「ゴメン…」
今までより大きな声が響いた
「馬鹿っ!お帰りっ!!!!」
泣いていたが、笑っていた。
「お帰り、一朗太」
穏やかにな表情で言う
「…ただいま…そら」
風丸もそれに答える
「よぉし!円堂を胴上げだ!」
綱海が言う
皆、笑っていた
「ホントにあのサッカー馬鹿は…凄いな」
かがりが言う
「仕方がないよ」
「だって、円堂だもん」
菜乃香、舞衣香も続く
「世界一のサッカー馬鹿」
「皆!サッカーやろうぜ!!!」