二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ポケスペ わたしとあなた 修正中のためコメは控えてください; ( No.50 )
日時: 2011/04/07 19:43
名前: 大庭 (ID: BkSc4LvP)

—その頃、あの男は—

「ゾロア……大丈夫か」
『〜!!』

ロケット頭突きを食らったと同時にワープでこちらに戻ってきたゾロア
ニドリーノ自体もゾロアの幻想のようなものだったのだ

玄関で、くたりとしてるゾロアを持ち上げる彼は、やはり悪人とは思えなかった

(ルークと、ナイト…楽しみだ)


第154話 独り占め、したかったのにナ

「さーいきましょうって、引っ張るな引っ張るなぁぁぁあああ!」
「何潔く行こうとしてんのよ、少し話しを聞かせてもらうわ」

先程、なぜ言ってしまったんだろうと軽々しく出た言葉を忘れるように
出発しようとする
オニューのパーカを引っ張られ、身体が進もうとした反対の方向に転びそうになりながら戻る

険しい顔のアヤノがいた


「え、とね。多分だけど」

また、その場に立ち止まり話を始めるマイは、両手の人差し指を何度か当てながら言う
コウはアヤをおんぶしながら、不思議そうな顔をしている
この場の理解が出来ていないのだろう

「昔、ゴールドの家で……DVD見て、それで——」



話はほんの少し前の2年前にさかのぼる
ちょっぴりゴールドに慣れたマイが、ほんの悪戯心で、小さい頃のゴールドを見たい。と言った

恥ずかしがるかな、と思って言ったのにあっさり、いいぜ。と済まされてしまった


「あ、オレの父さん見るか?」
「いいんですか?」
「ああ! オレに似て、ちょ〜イケメンだぜ!」

ソファーに軽く座っているマイにゴールドがDVD片手に笑顔でといてきた
首を傾げながら言うと、また笑顔で答えてくれた

「あ、これこれ! オレが7歳ん時! 父さんはこれ!」
(ゴールドさんの前髪が、爆発してない……!!)

テレビの前に付きっ切りで、指をさし人物を教えていく
これ、これ。と物みたいにいうゴールドは相変わらずといえる

「目の色が、少し似てますね」
「だろ! 笑い方もそっくりなんだぜ」

少しばかり興味を示したマイを嬉しく思いながら説明をする
しかし、その顔はどこか寂しそうだった



「っていうのを思い出して」
「最後の何」
「え?」
「最後の終わり方! ゴールドさん、本当は嫌だったんじゃないの?」

話を一通り終えたマイが、言葉を放った
コウは感動で声が出ていなく、アヤが話した

確かにアヤの言う通りかもしれないな、とコウは思ったが、マイは理解できなかった


「ゴールドさん、あんたの事喜ばせたく……って今言っても意味ないわね」

説教が始まる! と内心苦笑いをしたマイだったが、予想もしない出来事に目がパチパチとなる
コウに負ぶさりながらため息をついた


「ありがと、じゃあ行きましょうってマイ!」
「今度はなに!?」

いい加減進まないといけないと悟ったアヤとコウ
代表して言ったのだが、ひとつの変化に気づいた、後ろにいたマイが半場キレ気味にいう

「リング! 銀のリングを見て!」
「え? あ」

右腕についている細いリングに、ひとつの模様が出来ていた
こんな模様あったけ? と付き合いがまだ長い方のコウにたずねると、しらねえよ、と冷たい返事が返された

「矢印だよね、なんだろ」
「もしかして神さまが、この矢印の方向に行けって事じゃない?」

模様を見ると、天使の羽と矢印が合体したような矢印だった
その理由を知っているアヤが知らない振りをしながら言ってみると
じと目でマイがそうかなあ。という

「というかさ、よくわかったね。目いいの?」
「え? 良くないけれど……あ、いや! いいわよ、すっごくいいの!」

立ち止まっていたマイが駆け寄ってアヤの目をじっと見つめる
本気で疑っているようだ
アヤは手を何度も交差さ焦りを見せる

「へー。まあいっか! とりあえず、この矢印の方向に行ってみよ!」
「そうだな」

本気で疑っていてもマイはマイだ
あの素直で純粋なマイだから、アヤも珍しく信じることにした


それか、本当にそうかも。と内心思っているからかもしれない

——アヤって怖いけど、良い人には違いないし


(なんか銀のリングが光ってきてるような)
(矢印の部分だけ光ってるな)
(きっと何かあるのよ! さ、行きましょう!)