二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ポケスペ わたしとあなた 修正中のためコメは控えてください; ( No.59 )
日時: 2011/04/07 19:48
名前: 大庭 (ID: BkSc4LvP)

第163話 黄金のとり

「ぷはっ苦しいよ……!!」

言葉を言い終えると共に顔を上げる。
「んなっ」と文句を言いそうになったゴールドだが、
マイの視点が不意び止まり、破壊した天井を覗いている視線を見つけると、その顔を凝視してしまう
見えているもの、それは太陽の化身のようにまばゆく輝<ひかる>黄金の大型のとりポケモン——ホウオウだ

「きれー……」
「はあ? なにが……ってなにもねーじゃん」

ほぅ、と一息ついたマイを見るのを最後に天井を見上げる
言葉の通り、何もいない

「え!? あ、ほんとだ……」
「お前、なに見たっつーの?」
「んー……おっきくて、すっごい明るかったとり!」

身体からひょい、と簡単に抜けて身振り手振りをつけながらマイがいう
眉を下げてゴールドは両肩を揺らす

「爆発でおかしくなっちまったとか?」
「ちっちがうよ! 流石にそれは……ない」

自信無さげに視線を逸らすが、その先はマツバだった
老婆であるヒスイさんを気にかけて小走りでもしたのかヒスイさんの元にいた

「勝負は、どうなるんですか」
「このまま続けるのも悪くはないけど、この時点で僕の負けは決定した」

その言葉でマイの脳内は疑問視でいっぱいだった
一体どんな理由から自らの負けを決めるというのだろうか

「ゴースの作り出した空間、あれは半端なパワーじゃ壊せわしない
そのキューくん? だっけ、この子小さいのに凄いじゃないか、きっと他の子もそうなんだろう」

マツバの言葉に照れて俯き、髪の先で遊んでいる

「バトルをしたら、きっとこのシティが無くなってしまうよ」
「笑いながら、そんな恐ろしいこと言うなよ!」

事の成り行きを黙ってみていたゴールドが立ち上がりながら叫ぶ
そんな言葉さえも爽やかな笑顔でスルーする

「そんなわけで、はい。バッチだよ」
「あ、ありがとうございますっ」

ファントムバッチがキラリと光るそれを見るだけで
ふにゃあ、と顔がゆがむ笑顔で両手を差し出してバッチを受け取ると
くるりと振り向きゴールドに向けて高々に上げて見せた

「よかったな!」
「うんっ」

髪をくしゃくしゃにして自分も嬉しいとアピールして


「じゃあ、次のバッチ目指すか!」
「おーっ」


ジムバッチを見せたように手を挙げてまた歩き出す
次に向かうシティはどこだろう、そんな期待を胸に秘めながら



(ミルタンクが沢山いるよー!)
(ああ……牧場か)