二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ポケスペ わたしとあなた 修正中のためコメは控えてください; ( No.60 )
日時: 2011/04/07 19:48
名前: 大庭 (ID: BkSc4LvP)

第164話 きたこれ。

丘。39番道路を取り囲むように連なる丘は丘陵と言った方が合っているかもれない
草。それも背の高く、マイの膝小僧まである。青々しく茂草は、何度見ても海草にしか見えないくらい揺ら揺らと心地よい秋風と共にくれていた

「丘きつーいっ」
「しゃーねぇだろ。マイが`草よりこっちの方がいい`って言うから……」
「だって、草だと色々大変そーだし……」
「なにが?」

ほら。とマイが指差す先には、先ほどの草むらにいるトレーナー
それも1人、2人という数ではないほど、無数にいたのだ

「あー……でもバトルを選択しないって珍しいな。結構好きだろ?」
「うん、まあ……でも、今は気分じゃないっていうか」

眠そうに応え、欠伸をするマイ。
バトル後、すぐにここまで歩いてきたのだ。眠たいのは無理ない
しかし、何か目的があるらしく、歩くスピードは変わっていない。

「あー! あった!」
「あったって何が」

丘を何度も登り、下りしてゴールドが限界ギリギリのころ、マイが発見した
その丘は整備をキチンとされていて、柵までしてある。
なにかありそうだなー。程度だったゴールドにとって、少しばかり休めそうで期待が出来る
そんなゴールドにマイは、嬉しさいっぱいの顔と精一杯伸ばした腕で場所を指す

「モーモー牧場っ!!」

腰あたりまである柵をひょいっと片手で乗り越えて、丘を下る
あんなことできる子だったのか。と呆然としているゴールドにマイが再び登ってきて催促させる

「はいはいっと……!!」

同じように柵を越え、バックがずれ落ちないようにバランスを取りつつ走りマイまで追いつく
モーモー牧場は丘に囲まれるようになっていて、ミルタンクが脱走することはまず出来ないだろう

丘の上から、この牧場に来る。というルートではない
しっかりと整備された別の平たんルートも存在する、丘から走ってくるのは珍しいのか、ミルタンクが`もー`と出迎えるように鳴いた

「しかしよ、マイ。なんの目的で牧場なんかって……おい!」

牧場を見ていて気がつかなかった。走って少しばかり息の切れたマイだったのに
いつの間にかマイが牧場の受け付けのような場所にいた
いかにも昔使っていた小屋をリフォームしましたー。という感じの受け付け小屋
小さな小屋のような感覚で、可愛らしい外見をしていた

どうやら、小屋と云っても、中に入るわけではなく強盗とか防ぐために外から
受け付けようの窓に声をかける仕組みになっているようだ

「ミルタンク世話体験受け付け場……なるほどなあ」
「ゴールドゴールドっ! 受け付けしてきたよ!」
「おー……オレも参加になってんのな」

小屋の端には立て看板で、特典付き。と書かれていた
内容はマイが好きそうなもので、ようやく目的が分かった

「取ったミルクはアイスにし放題……!! 夢みたいだねっ」
「そうだな、オレはアイスより……嘘だからっ嘘嘘! オレもアイスちょー好き! ヤバイくらい好きだから!! だからそんな目で見るなよ!!」

胸の辺りで手を組ませて目を輝かせているマイに、そんな反対の意見をいう
へにゃん、とへこむわけだから、必死に弁解をする

「ご家族様、2名の方……ですね」
「あ、はーい」
(家族!?)

前髪をピンで止めて、後ろで髪を結んでいて作業着をきた女性がきた
どうやら担当者らしい
しかし、ゴールドにとって担当者が女性であれ男性であれ今はどうでもよかった

担当者の放った言葉になぜ「家族」と言われたのか、それが不思議で仕方なかったのだ

(おいおいおい、マイさんよ……家族って)
(わたしと、ゴールドのことだよ?)
(ですよねー……)