二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ポケスペ わたしとあなた 修正中のためコメは控えてください; ( No.66 )
- 日時: 2011/04/07 19:54
- 名前: 大庭 (ID: BkSc4LvP)
第168話 かがみよかがみ、かがみさん?
鏡とは、唐突に眺めたくなるものだ
その行動にもっとも駆られるのは全身を清める時間……お風呂の時間のわけだが
「んむーん……」
ぺと。手の平を顔に当ててみる
つるりーん。頬に手を滑らせて見る
ぺたん。その手を胸に当ててみる
「なにやってんだろ……」
鏡とにらめっこをして早5分。左右対称というか全く同じように写る自分を見る
何を考えているのか分からないが、マイはたまにこうして鏡とにらめっこをする
「さっきの夢……みょ〜にリアルだったし、何か起こるのかな……」
先ほどの夢とは、あの男とゾロアのことだろう
あれはマイの中の夢であって、実際とは違う。というわけでも無さそうだが
本人は夢だけだと思って、こうしてリアル過ぎる夢に悩まされているわけであって本当にあるんだよ。と告げれば楽になるのかもしれない
「んー……そろそろ身体洗おーと。眠たいし……」
眠たそうな目で鏡をまた見つめる
髪が片目に被って邪魔をして、思わず一言
「ゴールドー髪の毛邪魔なんだけどー……あ、そっか」
ここは風呂場だと思い出して鏡をまた見つめる
ちょっとばかり頬が紅い。照れてるんだなあ、と実感してしまうのは旅が始まる前から知っているけど
「……ごーる、ど」
小さく、ほんの小さく呟いてみた
それなのに、風呂場というホールには十分するぎ音量なのか響く、響く。
普段は何も思わず言っているのにいざ呼ぶと恥ずかしい感じがした
「わたしって——おんなのこ、なのかなあ?」
マイは女の子である。当然だ。
頭の回転が悪くなってるのは眠たいせいかな、と思う
「この目も、この口も、この鼻も。全部全部、わたしのなんだけど」
ぺたぺた。また顔を触る、身体を洗っている途中だったから泡が顔についた
目に入った泡に涙が、ぽろり
「この髪は……いったいどうなってるんだろ」
つー、と軽く摘んでみると細くて絡みやすい髪が……案の定絡む
ああーもう。と髪をいじり出す
「なんで、おとこのこっぽい髪の色なんだろ」
キキョウシティで見た人は皆、黒髪を綺麗に束ねていた
それを思い出すと、自分の栗色の毛が憎らしく思えてくる
前に一回だけ、髪を染めてみたい。とゴールドに言ったら物凄い勢いで肩を激しく揺さぶられて、こう言われた
——お前の髪は綺麗な色してんだから、染めるなんて考えはやめろ!
思い出して、また照れくさくなる
「あ〜! 顔真っ赤になってる〜!」
ぱんぱんっ顔を弾いて気合を入れなおす
早く身体と髪を洗おう、とそうゆう意味でもある
(わたしってゴールドのこと、すきなのかなあ)