二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ポケスペ わたしとあなた 修正中のためコメは控えてください; ( No.70 )
日時: 2011/04/07 19:56
名前: 大庭 (ID: BkSc4LvP)

第172話 怪しき手紙

ミカンに渡した手紙は実は自分宛てだった、という奇妙は出来事が起こってしまった今では頭痛などは感じていなかった。
ゴールドに催促され手紙の内容を見て、首を傾げるマイ。
後ろに立っていたゴールドが手紙を覗き込むように内容を見て、同じように首を傾げる。
手紙の内容は次のように書かれていた。

             拝啓マイさま
マイさま、あなたは私の存在を知っているでしょうか?
知っているならそれで良し、知らないならそれで良し、私のことはどうでもいいのです。
なぜならマイさまは私のことをほんの少ししか知らないのですから。
ゴールドは元気ですか?マイさまに迷惑をかけていませんか?
 このような形でしか話せなくて申し訳ないですが、私はいつだってあなたとゴールドを見守っていますよ。たとえ形に無くても。
マイさまがここまでこれたのはあなたの力があるからです。
いいですか、敵はいつでも傍にいるものです。これからあなたはきっと「オアシス・オブ・ザ・シーズ」に乗るでしょうが、そこにはあなたの知らない敵が多く存在し、あなたを混乱へと導くでしょうが恐れずに立ち向かうのですよ。
 それでは、ジム戦頑張ってください。

手紙を一通り読み終わってマイの頭には疑問符でいっぱいだった。
読み返してみてもよく意味がわからない。

「マイ、知ってるか?」
「ううん。わからない……」

心配そうな顔つきでゴールドが尋ねてもマイは首を振るだけである。
嫌な予感を覚えつつも心のどこかで好奇心が沸いているのに気づく。

「あ、あのねマイちゃん。私がここに来た理由はマイちゃんに言わなくちゃいけないことがあるからなの……」
「なぁに?」

言葉にすることが難しいのか、言いにくいだけなのかマイとゴールドには分からなかったけれど、ミカンの表情が固くなっている。

「私のお友達に……ポケモンなんだけどね"アカリ"ちゃんっていポケモンがいるの。それで、その子は——」
「……」

黙って聞くマイをチラリとゴールドが見ると、何時にない真剣な顔もちで話を聞いているではないか。話を端的にまとめると、こうゆうことだ。
アカリというポケモンが何やら元気が無く心配で全力でマイと戦うことは出来ない、その元気のない理由はわからないが、このシティの海の向こうにタンバシティがある、タンバシティには何でも治す万能の薬があり、それを飲ませれば治り、バトルが出来る。
しかし、そこに行くには"渦巻き島"があり今のレベルでは、タンバには行けない、それにミカンには勝てるレベルではないという。

「そっかぁ」
「うん、ごめんね」

しばしマイが俯いていて表情が見えなかったが、哀れんでいる顔ではなかった。
逆にチャンスを掴んだみたいな明るい表情で

「じゃあ、この手紙に書いてあった船に乗ればいいんだね」
「ああ、この前テレビでやってたろ。オレの顔パスでいけるさ」

運命の悪戯か、見事にマイは困ることなくスムーズに旅を続けることが出来るみたいだ。

「船なら明日着く予定だから、今日はゆっくり休んでね」
「あ、はい! ありがとうございました」
「じゃあね」

手をひらひらと振り扉を閉めていくと、聞こえるのはパタパタと走り去る足音だけだった——