二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ポケスペ わたしとあなた 修正中のためコメは控えてください; ( No.78 )
- 日時: 2011/04/07 19:59
- 名前: 大庭 (ID: BkSc4LvP)
第180話 悪夢のような悪夢
「——マ——いッ——マイ!」
「ほえ? あー」
朝だ。朝日がまぶしい。カーテンを閉めずに——眠ってしまった?
ゴールドの呼ぶ声によって、あの悪夢から目覚めたマイはなんとも馬鹿らしい声を出してしまった。
「大丈夫か? 寝苦しそうだったけどよ、平気か?」
「う、うん……あ! みんなは!」
寝ぼけ眼と目覚めたばかりの頭でうまく動かないのか、おぼつかない足取りで"テーブル"の上に置かれていたボールをみる。
「いきてる……生きてる!」
ハクリュー、ロコン、ピカチュウをボールの中から見つめる。
朝から何事? と慌てたハクリューたちは、ご主人の潤んだ瞳を心配そうに見た。
「おいおいおい、朝からどーゆーこった?」
「えっとね——」
実に現実じみた悪夢、なぞの男の話をするマイは必死でゴールドも、うんうん、と真面目に聞いてやっている。
そして、一通り説明を終えたマイは、着替えていたはずの普段着を棚から出して着替えてくるね、と扉まで近付くといい、ゴールドは悟ったように
「ああ。オレも着替える。待ってるな」
それだけ聞くと、ばたばたと誰も居ないメインルームへの階段へ走っていくのであった。
(あのおじさんは——なにか、引っかかる)
ゴールドに起こされる前、嘘だと信じたかった自分へ、彼はこういった
——君は成長する、これから。もっともっと、な。そんな君に私のコードネームだけ教えよう。"R"だ。以後、よろしく
「R……どっかで聞いたような、そうでもないような」
口に出してみても、思い当たる節はない。
あれは夢だったんだから、とマイはこれ以上考えるのをよしとした。
「でも、強くならなきゃ。なんか、そんな感じ!」
立ち止まって宣言する。
誰もいない階段に響くマイの声は、今度こそ誰にも聞こえなかった。
「ただいまー」
「おかえり。遅かったな」
えへへ、と笑ってマイはゴールドを眺める。
当の本人は、自分の相棒たちの手入れやらをしていて、気づいていない。
(まだ、いっか)
(まだ、いいよな)
——まだまだ旅は続くんだから!
「と、いうわけでゴールド! バトルしにいこっ」
「はぁ!? めんどくせーし……お前だけにしろよなあ」