二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ポケスペ わたしとあなた 修正中のためコメは控えてください; ( No.84 )
- 日時: 2011/04/07 20:04
- 名前: 大庭 (ID: BkSc4LvP)
第185話 教育的指導は仕事というより趣味に近い
「んー! やっぱ地面はいいねー」
「だな。まだ足元ふらつくぜ」
「なんか気持ち悪い……」
超豪華客船を降りたふたりは久しぶりの地べたに動揺を隠せない。
マイに至っては、今になって船酔いをしているし。
吐くなよ、と砂浜をひょこひょことおぼつかない足取りで後ろにいるマイにゴールドは声を掛けた。
「でもッこれでミカンさんのお使いものができるね」
「ああ。万能薬を持って帰ってバトルだ!」
「おーっ」
右手で拳をつくり、左手を天高くあげてマイは気合い十分だ。しかし、そんなマイに負けじと砂浜を走るひとつの人影が。
着いた時にはすっかり夜で、うまく見えなかったが、その陰を新月が映してくれた。
「……今の時代にタイヤを引き回して修業なんてする奴がいるんだな」
「わたしドラマでしか見たことない……わっ、こっち来た」
「おーい! そこでなにをしているんだー!」
飽きれはてゴールドは目が、ウザいと語り、マイはマイで飽きれていた。
月明かりに点されて見えたひとは、柔道着を下半身でしか着ていない危ないひとで。
ギョッとマイがすればゴールドが慌てて目をふさいでやった。
「君ィか弱い女の子を、こんな夜に連れ回して……一体どんな破廉恥なこと——」
「しねーよ!!」
タイヤを引きずり回して疲れているので、息が荒い。
そんな奴にゴールドは、思わず相手が言っている途中に声をあげて叫けび、マイを自分のふところに寄せた。
これは教育に悪いと、流石のゴールドも判断したのだろう。
「……じゃあ何故こんな所にいるんだ?」
「オレたちは旅してんだ。そんで今さっき船から降りて来たつーわけだ! 以上!!」
ふむ、とまだ納得出来ないようだが疑っても仕方ないと、口に出してまで言うと、また会おうと何処かにまた走りに行ってしまった。
「ゴールド……」
「ん? どうした」
「苦しい」
ずっと抱きしめられていたような状態できつかったからかマイは別の意味で酔いそうだった。急いで解放してやると、大きく空気を吸い込んだ。そんなに苦しかったのか。
(センター行こうか)
(開いてるかなあ)
(大丈夫だって! さ、行くぞ)
(はーいっ)