二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ポケスペ わたしとあなた 修正中のためコメは控えてください; ( No.87 )
- 日時: 2011/04/07 20:05
- 名前: 大庭 (ID: BkSc4LvP)
第188話 君が、
「ナンパする気になんねーなぁ」
ひとりで外をふらつくゴールド。肩には相棒のエイパムのエーたろう。
「なーんか足りないんだよ、な? エーたろう」
「ぱむっぱむむ」
「はーなんつってるか分かりゃしねーよ」
マイちゃんがいないからだよ! と言ったのだが伝わらなかったらしい。
いつもなら伝わるのに、といじけるエーたろうは、自らボールに入ってしまう。
「んだよ。つれねーな」
足元にあった小石を軽く蹴る。しかしすっきりしない。
「よくあるこった気にすんな。てか?」
お馴染みの台詞を言い終わると同時に、マイの姿があった。
しかし、隣……と言うかマイに守られるように背後にいる眼鏡少年が目に入った。
(なんだァ……?)
マイに限って逆ナンはないだろう、と溢れる感情を抑え慎重に現状を見る。
どうやらバトル中のようだ。
「ニョロボン! くっそ〜強い……お前行けっ」
「ええっオレ?」
「そうだよ! オレには戦えるポケモンいない!」
こっそりと岩陰に隠れて様子を伺う。
ひとりには勝ち、あともうひとりとバトルするらしいマイは、まだ余裕の表情を見せる。
「——! ——? ……!」
「…………!」
マイと眼鏡少年の会話が上手く聞き取れなく、焦る自分がいる。
——ギアで
(駄目だ。マイのバトルの邪魔になる……!)
まとまりつくモヤモヤにイラつきを覚えつつも、マイなら大丈夫だ。とおかしな自信を持ち、その場から離れずにただ、見守る。
「若!」
「若って呼び方いやだよ〜」
バトルをしていた少年ふたりに言われてるマイの顔、ゴールドは知らない。
「も、いこっか。賞金はいいから! じゃね」
「若! 賞金いらないなんて! カッコイイっす!」
「だーからっ若はやめてよー!」
困ってるけど嬉しい、そんな顔が。
(——絶対渡さねえ。アイツはオレんのだ)
酷く胸に突き刺さるのだ。
歩き出した先は——
(まずは決めてからなっ)
(ぱむぅ!?)
マイの場ではなく、センターに戻り足。
何を決めると言うのか。ゴールドくん。
(独占欲……強いんだぜ、オレ?)
(——覚悟してろよマイ)
(なんか嫌な予感……)