二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

君の温度を確かめて、【お相手不明】 ( No.3 )
日時: 2011/04/08 17:48
名前: 緋舞 (ID: 6Q1uGoC5)

「……此処に、居る」

 そう囁いた君の腕の温もりは優しく悲しく苦いものだった。
 青春、なんて。
 似合わないなあと考えつつも、その温かい体温に安堵する。

「、ふっ、う」

 ぽろぽろと零れ落ちた涙を拭うことすら億劫で、ただ君の腕の中でわんわん泣いた。それでも君は迷惑などとは言わず、黙って僕を抱き締めてくれる。
 初めて負けた。それが、とっても悔しくて。
 泣いて良いと頭を撫でてくれた君の腕の中で今、泣いている。

「…………」

 ぽんぽん、と僕の頭を君の大きな手が撫でる。
 慰められているのが、ちょっとだけ気恥ずかしかった。



君の温度を確かめて、/*
( 初めて負けた無神論少女。 )