二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

無神論少女と熱血キャプテン。壱【円堂守】 ( No.4 )
日時: 2011/04/10 10:22
名前: 緋舞 (ID: 6Q1uGoC5)

 ポツポツと小雨が降り始めたお昼過ぎ。
 梅雨という時期は僕が最も嫌いなじめじめした時期で、気分もじめじめ、というかやる気が起きず萎えているという感じだったりする。
 さて、問題はそれじゃない。

「サッカーしようぜ!」
「……」

 ちょっとサッカー部を覗いてみたらこれだ。
 もっと強い部員はたくさん居るのに、何故僕を誘おうとするんだろうか。残念だけど、僕はサッカーなんてやらない、というか辞めたんだよね。

「……無理に決まってるじゃん」

 ぽつん、とキャプテンさんにそう返す。キャプテンさん——基、円堂くんは少ししゅんとした様子を見せる。
 犬みたいで少しキュンときてしまった僕は何て馬鹿なんだろうか。

「何でだよー……?」
「辞めたから、ね」
「……な、一回だけボール蹴ってみろって! 楽しいからさ!」

 僕だって理由があって辞めたんだ。
 だけど、——どうして、だろうね? 円堂くんは何故か人を惹きつけるようだ。少しやってもいいかな、なぁんて。

「……わか、った」

 こくんと頷いて構えている円堂くんにボールを少し強めに蹴る。勿論、僕はループシュートしかうたない。得意なのがループシュートだしね。
 円堂くんは僕のシュートを受け止めてにかりと笑う。

「すげえシュートじゃん! なぁ、サッカーやろうぜ?」
「……」

 彼の言葉に少しだんまり。
 その後、僕は小さく笑って見せる。

「良いよ、」

 よっしゃああ、なんて喜んでいる円堂くんを見て少しだけ良かったなあ、なんて。
 ——何で頷いたかって? 勿論、……気紛れ。



無神論少女と熱血キャプテン。壱/*
( 円堂に振り回されてると良い。 )