二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【石榴とレゾンデートル.】 銀魂 ( No.4 )
- 日時: 2011/05/07 17:51
- 名前: 如月葵 ◆iYEpEVPG4g (ID: 4uYyw8Dk)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode
目の前に誰が居て其れがとんでもない人種だったりするとかアンビリーバブルな奇跡体験をするだとかは別に良い。だって表面上見えなければ大丈夫だし悪い方向にさえ向かなかったら全然許容範囲だもの。我ながらわたしってあんま物怖じしない性格だと思ってるから!(世間一般ではいわゆるあつかましい)
天井から落ちてきてはや丸二日、わかった事はわたしがこの世界に捨てられたということだけだ。どうやら江戸時代と近代を無理矢理ミックスしたっぽい非日常な場所で、天人さんとかいうむしろ宇宙人的な方達がたーくさん居る、らしい。顔面動物体人間なんてざらだし、爬虫類系のなんだか気持ち悪い物体も居た。と言うか見た。
道行く人に声を掛けようとしてもかなり勇気が要る。だってさ普通どうする?!こんにちはー道教えてくれませんかーなんて言って振り返ったらバルタ○星人似の奴だったらさあ?そんな賭けに出る度胸は無い。だってチキンだもの!考えてみれば人類皆チキンなんだと無理矢理な補正を毎回している。
そんなわたしも、一応悩んでいたりする。えーマジでぇ?ありえなぁーい意味わかんなぁーいとかいう女子中高生的な反応じゃなく。切り詰められているし何だかぎりぎりだし色々信じて貰えないし発見した事と言えばどうやらこの世界でも就職難は同じらしい。切実にわたしはどうすればいい?
「・・・どうしろって言うのよ!」
「だからねアンタ、脳内ドリーマーだか精神分裂者か知らないけど、まずそっから可笑しいんだよ。ほらよく考えてみな。気付いたら降ってきた?テスト中?ワケわかんない事言ってないで居住食に困ってんだったらさっさと働きな。」
最近多いんだよアンタみたいな若者が。と付け加え。飛び込んだ現実は厳しいものだった。世界に捨てられた先は煌びやかなお姫様の世界でもなくモンスターを倒してレベルが上がるRPGでもない。きゅっきゅっと床を磨く音だけが空しい。ふざけんな神様。目の前に神を名乗る実体が出てきたら右ストレートでも食らわしているだろう。
「そうは言ってもね。捨てられたのは捨てられたんだからしょーがないし、もうわたしさっぱりきっぱりこの世界で生きていくって決めたの。」
「あーハイハイ。現代社会は辛いねえ。」
「そんなんじゃないってば!お登勢さん未だに信じて無いよね?確実に社会から見放されたフリーターだとか思ってるでしょ。わたしまだ若いし高校入試の覚悟はあったのに!努力はしてないけど。」
「おやアンタにそんな心構えなんてあったのかい。あーったく、いつにも増して上の連中はうっさいねえ。」
むっとして口をつぐむ。そりゃあ確かにお世話になってるんすけど少しは信じてくれたっていいじゃないの。ようやく掃除も一段落して、雑巾やらモップを直そうと手に取った。そういや、さっきから2階の方がどたばたどたばた、偉く派手な音を立てている。うちのアパートでこんな騒ぎだてたらお隣さんと下の階の方との友好関係は木っ端微塵だ。上に住んでいるのは万事屋というなんだかよくわからない方々だそうで、わたしが落ちてきたのもこの部屋だ。何でも、お登勢さんの話では家賃を滞納、その上時々家を壊してくれるそうで。なるほど大家さんとの関係もジグソーパズルの如くバラバラになるよねー。
わたしが最初に会った人物は、坂田銀時、と言うらしい。万事屋には他にも数名従業員がいるそうだが、揃うとこの上煩くて面倒くさいのだそうだ。お登勢さんも大変だなあ。とか言いながら気遣いなんてしてやんないけど。だってムカつくんだもんこのババア。そのうち高血圧で脳出血でもするんだろうな。
窓の外でぽっぽぽっぽ鳩が鳴いていた。わたしには上の騒音よりも、目の前に居てやたらと人使いの荒いババアよりも、この鳩が憎たらしく思える。平和の象徴みたいな顔しやがって。クソ!