二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

薔薇結晶リク【薔薇色魔狼円舞曲】 ( No.111 )
日時: 2011/07/18 19:35
名前: 月影(別PC) ◆kuB5mqYaRs (ID: khxqjExY)





「何の用かしら?マーク」

ノックしただけでその反応。
普通の奴ならイラって来るだろうな。こんな冷たい態度だから。
でも、俺は違う。彼女の友達、彼女の仲間は違う。
俺達にとって、それが普通だ。彼女も、これが普通だと思っているんだろう。

「紅茶を淹(い)れてきた」

「あら、そうなの?ありがとう」

入って良いわよ、と許可の返事が出た。
さりげない上から目線。彼女らしい。まぁ、こんな返事以外の言葉なんて、見当たらないが。
上から目線じゃなかったら、ディラン達から気味悪がれるだろう。

「……何を読んでいるんだ」

「楽譜よ。何か、当ててみる?」

ニヤリと誘う笑み。そういうの、お前は得意だよな。

……予想、か。
一応、色々と思い当たるのはある。『情熱大陸』、『夏の名残のバラ』、『グリュミオー』……。
だが、最も、と言われればアレしかない。
ジュリアの十八番(おはこ)でもある、アレ。

「『G線上のアリア』、か?」

「あら、正解よ」

流石に簡単すぎたかしら、と呟く彼女。
本当はそんなに自信はなかったんだけどな。
十八番だから一番弾く確率が高いとも言えるし、十八番と分かっているから他の曲に励む、という考えもある。
前に、「私のヴァイオリン歴、嘗めるんじゃないわよ」と鼻で笑われた。今まで弾いてきた曲は全て暗譜した、とでも言っているかのように。

……まぁ、事実だが。

「紅茶を飲んでから、弾こうかしら。今日の茶葉は……、……あら?」

気付いた、か?あの様子だと……。

「知らない香りね……。エドガーから貰った外国産の茶葉で淹れている紅茶しか飲むので必死だったから……、……日本産かしら?」

「正解だ。お前も前に飲んだことはあるはずだ」

「そうね。……でも、ずっとドイツやアメリカにいたりとか、さっきの変態紳士のお陰ですっかり忘れてたわ」

嗚呼、今此処にエドガーが居たら一瞬でアウトだっただろうな……。
変態紳士、という単語に否定はしないが。

「出雲紅茶(いずもこうちゃ)だ。確か、シマネ(島根)で採れた茶葉らしい」

「……埼玉県じゃないのね」

「無かったんだ……、反省はしているが後悔はしていない」

「明日、また此処に来なさい。きっと私は左手に金属バットを持っているはずだわ」

「ごめんなさい」

……今の発言に、反省もしているし後悔もしている。









「さて、紅茶も飲んだことですし……、弾きますか」

ヴァイオリンのケースから出てきたヴァイオリン。当たり前だが。
だが、他のヴァイオリンとが違う。ヴァイオリンの色が白い。白のお陰で一層際立つ『紅』薔薇。
けど、今の彼女は——

「……『蒼』薔薇……」

本人に聞こえないよう、ボソリと言った。

辛すぎる過去を、悲しすぎる絶望を乗り越えた結果、色が変わった。
紅から、蒼へ。

血染めの紅から、全てを凍てつく蒼へ。

「何か言ったかしら?」

「いや、何も……」

「そう」

ぽぉん、と優しく弦を弾く。弾いたのはA線……、だったはず。2番目に音が高い弦。
妙に広がる高い音。そんなに、嫌いじゃない。

「……良い感じね」

俺には何が良いのかさっぱり分からない。
日によって、音がコロコロ変わるとでも言うのか。

「……マーク」

ん?、と返事してみる。
お前の蒼い瞳は弦を映す。俺を映さず、弦を移す。俺のことなんか、眼中にないように。



「私のパートナーは、貴方ただ1人よ、マーク」




「……は?」

「後悔なんて、しているはず無いじゃない。だって貴方は私の騎士でもあり、恋人なのよ?今更後悔だなんて、可笑しすぎるわ」

……流石、女王様。俺が愛し、俺を愛する女王様。
愛という名の読心術で、簡単に俺の心を見透かした。

「後悔、か。……言っておくが、俺は一度も後悔していないからな?」

「それはコッチの台詞(セリフ)よ」

クスッと、微笑みを見せる彼女。こういう笑顔、可愛いよな。綺麗とか、そうじゃなくて。

気付いたときには、俺も笑ってた。
気付いたときには、言っていた。
気付いたときには、美しい音色が響いていた。
気付いたときには、俺の声が共鳴していた。
気付いたときには、——————



「さあ始めましょう——!」






     (( 薔薇女王の演奏会を!! ))



+咲き誇れ、名も無き薔薇よ!+


 もう甘とかよく分からなくなってきた。もう良いや、甘とか関係無しで、恋愛チックに見せれば(
 マークはですね、アレです、ジュリアちゃんのパートナーが本当に俺で良かったのか的な感じのアレですw
 紅茶の茶葉の原産国が日本なのは、何となくですwだ、だって!外国の方を連想しちゃうからつまらないじゃんか!((
 あー…、今回ばかりは自重しなければいけないなー……。全部自重しなきゃいけないけど^q^(
 あああ御免なさい許して下さい。変態紳士という単語でギャグ路線へ突っ走ろうとした私を許して下さい。紅薔薇とか蒼薔薇とかでシリアス路線突っ走ろうとした私を許して下さい女王様ぁぁぁ!!