二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 表裏一体【イナズマイレブン小説集 短編リク受付開始】 ( No.67 )
日時: 2011/04/24 18:59
名前: 月影(別PC) ◆kuB5mqYaRs (ID: khxqjExY)

                    正義と勇気 〜The punishment to the crime〜



「…」

帝国学園サッカーグラウンド。
真ん中にポツリと立つ少年、『鬼道有人』。
帝国学園サッカー部キャプテン。背番号10、ポジションMF。チームの司令塔である。

「…俺は…」

果てしなく高い天井を見たまま、動こうとはしない。
扉が開いている所為か、風が吹き、赤いマントが踊る。

「総帥のやり方は、間違っている。だが…」

「だが、何?」

観客席から聞こえた少女の声。
驚いたのか、目線を声の主へと向ける。

「…茜か」

茜、と呼ばれた少女。
紫色の髪を左にサイドテールしており、眼は赤い。

「何の用だ。もう下校時間の筈だぞ」

「別に良いだろ?私もプレイヤーなのに、キャプテンである貴様だけしか下校時間を過ぎても此処にいてはいけないのか?」

「…勝手にしろ」

「いつも通りの上から目線だな」と、溜息をつくと、また天井を見上げた。

「総帥のやり方が気に入らないんだろ?」

「…」

「図星だな」と自慢気に答える。
鬼道は何も言わない。

「だったら何故言わない」

「証拠が無いからだ」

口早に返答する。
決して怒っている訳でも無く、悲しんでいる訳でも無い。
「無」の感情で喋っている、という感じだろうか。

「証拠、ねぇ…」

「俺はあえて信じる。明日になれば、証拠になる物が出ると思うからな」

「理由は?」

「総帥は非道で執念深い。今まで雷門イレブンを倒せなかった。協力者も居なくなった中、そうなったら自らの手で始末するしか道は無い」

「そこを狙うと」

「そういう訳だ」

天井を見続ける。
果てしない何かを見る、此方側から見えない、彼の瞳の色は一体何色だろうか。
時々、うっすらと眼の輪郭が見えることはあるが、色自体は見えない。
赤か、青か、黄か、緑か、紫か、茶か、黒か。
様々な色が思いつくが、どれもしっくり来ない。

「(ま、今はいっか)」

水に流すことにした。










「お前は、このままで良いのか」

「何がだ」

「お前のサッカーは総帥のサッカーと同等。総帥が居なくなったらお前のサッカーは崩壊する」

鬼道の眉がピクリと動く。
そして、唇を噛んだ。
表情はとても悔しそうだ。

「(やっぱりか)」

それを茜は"当たり前"のこととして捉えている。

「俺は、アイツらが羨ましかったのかもしれない」

「アイツら…って、雷門中か?」

「ああ。縛られ続けた俺のサッカー。けれど、アイツらは違った。それぞれの個性、それぞれのサッカーがある」

「チームなのに、引き立てあっているんだ」と付け足す。
茜は、無言で聞くのみ。

「俺は、自分のサッカーを貫く。縛られるサッカーはもうゴメンだ」

「なら、それで良い。私は何もしない」

珍しく、茜が微笑んだ。といっても、少しだけだが。
そんなとき、何を思いついたのかは知らないが、茜は鬼道を呼んだ。

「鬼道」

「何だ」

「一つだけ言っておく。















           狂うなよ」

(罪には罰を、悪には制裁を)
(やっぱり狂うと思ったよ)

*Postscript(後書き)*
今日は一纏めの気分(え
シリアス書くのは苦手じゃないんだけどさぁ… 書いている内にシリアスを見失った(何!?
何かね、茜ちゃんは、影山が居なくなることで鬼道は影山に対してしかないことが分かっていたような気がする。
その意味で、「狂うなよ」ってことだと思う(お前が考えたんだろ
タイトルの訳は「〜罪には罰を〜」。
あかっち、リクありがとうっ!