二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- 雷門学園生徒会! Ep3 ( No.9 )
- 日時: 2011/04/12 15:36
- 名前: 月影(別PC) ◆kuB5mqYaRs (ID: khxqjExY)
- 参照: 元「蒼月白星鏡」です。長いので改名しました
【逆鱗に触れた】
「あのさ、静かにしてよ」
バキッと何かが食い込んだ音と同時に発した声で、今までの騒ぎが嘘の様に静まった。
「騒ぎたいのなら外でやってね。それでも中でやりたいならこうするよ」
無表情の彼女は、床を指した。
一同はそれに釣られて、視線を床へと落とす。
視線の先には、
自分の足下まで来た亀裂の発信源と、床に入り刻んだ紅に染まった、少女の体があった。
紅の液体は少女の体の回りにばらまかれている。
液体は、どうやら少女の頭からのようだ。
少女の頭の上には、未来の左足。踏まれていたらしい。
顔は床…否(いや)、亀裂に埋もれていて見られない。
「ひっ…!」
思わず、日奈乃が声を上げる。
それも、無理はない。
「確かに私は「意見を出せ」とは言った。
でも、「五月蠅くしろ」、「騒げ」とは一言も言った覚えがないんだけどな」
少女の頭はどんどん亀裂の奥深くへ刻まれていく。
苛立っているのか、右足がリズム良く床へと叩きだした。
未来はそんなこと気にせず、踏みにじり続けながら淡々と話す。
「意見というのは理由が付きもの。意見を言うからには、理由も必ず言うのが当たり前。
君達はさ、理由も考えて言ってる訳だよね?
理由も考えずに自分の意見を貫き通すなんて、そんなの非常識。
君達は理由を言う「当たり前」の「常識」が出来ていない。自覚してるよね?
自分の言いたいことだけ言うなんて、本当に君達、我儘(わがまま)だね」
亀裂に切り込む音が、次第に激しくなっていく。
一同の顔も、どんどん青ざめていく。元から青ざめているが。
叩くリズムも、次第に早くなっていく。
「私、とても期待してたんだよ?理事長が選び抜いた生徒だって。
私は先代の推薦で勝手になったから困っててね。
そんな時にその言葉だから、とても嬉しかったのになぁ…
「常識」が出来ない生徒で本当にがっかりだよ」
未来が一息ついたと同時に、亀裂に入り刻む音が一瞬大きくなった。
少し、力を強めたようだ。
貧乏揺すりをやめた代わりに、此方にも亀裂が少し走った。
「またこんなことするんだったら、次は容赦しない。
するんだったら、さっき言った通りこうするか、ああするよ?」
一瞬、何が起こったか分からなかった。
そんな方達の為に、説明しよう。
未来は、黒板をぽんと掌(てのひら)で押した。
力加減も、それ程していない様子だった。
しかし、押した指先から亀裂が走った。
その亀裂は黒板全体へと渡った。長く、長く。
黒板まで走った後、今度は壁まで走った。
黒板が取り付けられている壁一面に大きな亀裂が走り、まるで、蔦(つた)の様だった。
これで終わったのか、と安心したのか恐怖でなのか、一同一息ついた。
その瞬間。
壁は、まるで雪崩のように崩壊した。
未来は、それを分かっていたかの様に、タイミングを早めにずらし、踏まれた少女を後ろに蹴った。
後ろは崩壊中の壁。瓦礫が少女を襲い、埋もれた。
そして、未来が一言。
「一つ訊いて良いかな。どうして、あんなに五月蠅くする必要があるの?」
無表情の未来の顔に、一同が肩を竦(すく)めた。
「理由を聞かせて。大丈夫、何もしないから」
優しい声に無表情の顔。
それだけで充分怖いというのに、未来の後ろがアレだ。
取りあえず、一度整理しよう。
未来の言うことは間違っていない。
と言うより、思いついたのを言っただけなので、理由なんか考えていなかった。
それを言うと、確実に、897%の確率でああなる。つまり、殺される。
では黙ってみよう。黙ってみると、未来の苛々が次第に溜まるだろう。
そうなると、別の方法で自分達に何かするだろう。未来のすることは、命の保証が無い。
つまり、殺される。
適当に理由を作ってみても、それが本当か疑われる。
未来は本当に心を読んでいるかのような発言をする。
9割方当たりので、殺されることは間違いない。
結論。
円堂達は、殺される。
それしか道が無いから、しょうがない。
「ねぇ、早く教えてくれないかな」
クスッと笑いながら未来が言う。
一同は思う。
ああ、誰かを犠牲にしなければ死ぬな、と。
※此処からは、テレパシーのみの会話をご覧下さい※
「(おい、どうすんだよ?!)」←円堂
「(夕k(ry」←豪炎寺
「(春n(ry」←鬼道
「(まさか、僕が行くとでも思ったの?フフッ、行く筈無いでしょ?)」←吹雪
「(え?!俺が行くの?!無理無理無理!え、えっと…和奏行k「(潰すぞ)」←前者風丸、後者和奏
「(ありゃあ、相当キレてるな)」←茜
「(吹雪君の意見に賛s「(日奈乃、幾ら士郎が好きでもそれはないと思う)」←前者日奈乃、後者穏早
「(マモコン連れてくるわ「(…火杏さん、それ自殺行為)」←前者火杏、後者雪羅
「(薔薇を渡せば気が済m「(エドガー、それ自殺行為)」←前者エドガー、後者ロココ
「(オレ、こんなところで死にたくないです…)」←立向居
「(メイド喫茶ェ…)」←フィディオ
「(風m(ry」←途中参加の宮坂
「(鬼d(ry」←途中参加の佐久間
「(お前ら真面目に考えろよ)」←風丸
「(此処は虎丸が)」←豪炎寺
「(ハイ、喜んで!)」←虎丸
虎丸が嬉しそうに未来の前に立った。
「「「「「「「「「「「「「「「「「(マジか)」」」」」」」」」」」」」」」」」
そりゃあ、引きますよね。
「…あっ」
「虎丸君。理由、教えてくれないかな?」
「あ、いや、その…」
本気で意識が無かったらしい。
「その様子じゃ、理由無しみたいだね。
連帯責任だ、全員死ね」
生徒会が行われた教室から、数々の悲鳴が聞こえたのは、言うまでもない。
—続—
次はちょっと別の話です、えぇ。
学園祭編は、まだ後です。
あれ?催し物決めてない?? 気のせいです。