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第５話


愛したのは、誰だっけ？
秀だよ。
何を、愛したのよ？
全て……じゃあ駄目？


アタシは今、ココロの中で質問してるアタシに必死で回答してる。
その子は、いつも表側に出ようとする女の子。
去り際に、こんな事をいつも呟く。

「ねぇ、出してよ」

切ないその声は、何処かアタシに似てたんだ。
アタシは少し前に出てきたこの子を”グミ”と名付けた。


わざわざ名前まで付けて何の得があるのか？
そんな物は、勿論ない。
こんな子、忘れてしまえって？
無理。必要な気がするの。


でもね、これを秀と照らし合わせると
本当でいいって思えなくなるの。
だって、アタシはまだまだ弱い虫だし。
だから、この”グミ”と普通に表側に出す契約をするのは、
ちょっと出来ない。

秀、貴方はアタシが困った時何時も何でも聞いてくれたね。
お決まりのセリフで。

『芽茱、どうかしたのか？何でも相談にのるよ』

何回言われても、これは嬉しかった。
繰り返し言われて嬉しいと思うのは、これくらいだと思うな。
だって、担任の朝の無駄話は聞いてて飽きるし、校長のカツラがズレてるのも最初は笑っていたがもう見慣れた。
だからさ、あの時アタシは貴方にかなり堕ちていたと思います。
今でも思い出せば、ほら。
頬が少しばかり赤くなる。


でもね、今まで溜めたこの想いは、ココロの中を旋回して、もういっぱいなんだ。
ずっと集めているコレクションを机にポンポン置いてても邪魔なだけでしょう？
だけど、
それだけでもう、全てを下ろしていいのかな。

また何かが聞こえる。
グミ………だよね。
また同じ事を質問され、同じ事を言い返す。

愛したのは、誰だっけ？
秀だよ。
何を、愛したのよ？
全て……じゃあ駄目？

彼女は去り際にこう呟いた。

「早く………外に、出して？」

ちょっとだけ切羽詰まった声。
今までとは……違う。
何で、だろう？

アタシは、ふと思う。
自分に毒薬でも仕込んで死ねば秀に会えるかな、と。
誰か、アタシの食事にでも盛ってくれない？




全て、全て、秀が死んだ事には否定してきた。
けど、本当だっていいんだ。
あの時にはもう戻れないから。
さっきまで毒薬を食事に盛って死ぬと考えていた自分が少し怖くなる。

モンブランは甘味だ。秀と同じ。
何でここでモンブランを出すかって？好きだからに決まってるでしょ。
甘い物はストレスを発散させてくれたりするらしい。
秀みたいに。
裸足になっちゃって、その甘さにおぼれたいな。小さい時はモンブランに寝そべるのが夢だったけど、
乗った途端モンブランが崩れたから泣いたなぁ。

そうだ、君がいる。秀。アタシの悩みを聞いて？

もう、いないよね。
消えたんだよね。
もうアタシは君に何もかも、伝えられない。


第５話　終わり

＊作者息抜きすぺーす＊

こんちは〜！藍蝶ですっ！
もうちょっとで完結出来るね、多分。
小学生合唱団設立ですｗ何か歌って動画投稿しようかと
騒いでますけど、やり方分かんねｗｗベテランいたら教えてください<m(__)m>
あ、名前ｗｗｗこれ荒らしてた人の名前なんですけど、メモしといたんですよねｗｗ
意味は特にないですがｗ
きにしないでくださいｗｗｗ