二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【ボカロ曲小説集】色蝶の行く先ぷらす参照600超え!!? ( No.204 )
- 日時: 2011/05/14 11:37
- 名前: 藍蝶 (ID: 3i70snR8)
- 参照: 名前の読み方は「らんちょう」だぜ!「あおちょう」でも可←
第3話
私は、二つピッタリくっ付いている桜の花を見て、思い出す。
アレは、私達がまだ1年の夏。
私とめぐちゃんで、暑い中一緒に登校して下駄箱を開けた時だった。
笑いながら上履きを取り出すと、何か紙が私の足元に落ちた。
『何これ?手紙?』
上履きを履き、手紙を拾い上げて言った。
『あ!もしかしてそれラブレター?うんうん、時代遅れてるかもだけど、青春だねぇ!』
めぐちゃんが茶化すように言って、私から手紙を取り上げ私の制止も聞かず読み始めた。
『「今日の放課後、中庭で待っててください」……だって!最高じゃん美紅!』
どう考えてもラブレターですよ〜な内容に少し頬が赤くなる。
『で、で?行くの?美紅。放課後中庭!!』
私は小声で「ちょ、静かに!」と言った。めぐちゃんはそれに気づいたみたいで、慌てて口を塞いだが、
時すでに遅し。今の時間登校してくる生徒が多く、その多くの生徒に一部始終が見られた。ねぇ、早退したいんだけど。
『い、行くよ……せっかく呼んでくれてるんだし』
二つの意味で赤い顔の私は小声で返事をゆっくり返した。
『そう。アタシ、応援してるけんね!』
この人は幼き時から何か緊張するだの、失敗しただので何処かの方弁が入ってくる。
この前は「ど、ど、どぎゃんしたと!!?」って言ってた。この人は本当に京都出身なのか。
で、早くも放課後。
『(う〜ん、呼んでもらったのは嬉しいけど、来ないな〜。ドッキリだったりするのかな)』
暑くて熱中症になりそうな中、中々呼び出した相手は来なかった。
『(そろそろ帰ろかな)』
帰ろうか、その足を一歩踏み出した時、人の気配がした。
『ご、ゴメン!ちょっと仕事あって………!』
振り向けば、クラス一のモテ男精原君の姿があるではないか。
すぐに駆け寄り、口を開いた。
『えっ……あ……えと、呼び出してくれたの、精原………君?』
そう言うと彼は照れくさそうにコクン、と頷いた。
『それで………用h『率直に言う!』はっはい!!』
イキナリ言われた事なので思わず返事をしてしまう。何を言うつもりなのだろうか?
それに、何か…………大量の視線を感じる………?
『好きです!付き合ってください!』
急に精原君が頭を下げてきた。
頭に疑問符が浮かぶ。
20秒くらいでやっと状況が分かった私は焦って首を横に振った。
『む、無理です!私なんかが精原君の彼女なんて……!』
『購買の期間限定アイスあげるからぁ!!』
購買にアイス?あったの?メニューには入ってたけど、いつも早く来たって無かったし………
あ!噂の1年のアイス魔………って、まさか、精原君?
で、今の状況はこうだ。
中庭の真ん中で突っ立ってる私。
私に向かって土下座をする精原君。
未だ漂う大量の気配。
……って、私悪者みたいじゃない!!?
『わ、わ、ど、土下座までしなくても……!分かった!付き合う、付き合うよ!だから土下座辞m『ホント!?』
高速で立ち上がった精原君の顔は、やけに可愛く見えた。
すると、中庭の物影からクラスの人が全員出てきた。
『カップル成立ー!!』
『おめでとー!』
『精原やるじゃん!』
『いーなー美紅ちゃん!大切にね!』
再び混乱。
これは、何だ?もしかして、最初から見てました?
私は土下座を辞めて欲しかっただけだけど、もしかして皆の目には私がアイス狙いだって映った?
え、え、カップル成立とか………ちょい待ち、私はこれからどういう風にからかわれるのだろうか。
とか思ってたら、一番聞き覚えのある声をかけられた。
『おめでとっ!や〜ゴメンネ?クラスの皆集めちゃった』
いや、何か確信犯に声をかけられて、魂抜けるかと思った。
残念ながらこの先、はっきりと覚えていない。海翔ファンから妬まれたのは覚えてるけど。
第3話 終わり