二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【ボカロ曲小説集】色蝶の行く先ぷらす参照800超え!!?  ( No.263 )
日時: 2011/05/20 20:43
名前: 藍蝶 (ID: 3i70snR8)
参照: http://www.youtube.com/watch?v

Φ第1話

腐臭漂う館。


それは、各地で名を知らぬ物はいないと言われた”コンチータ家”。


正し、それは昔の話。



「ねぇ、知ってる?あの館に近づくと、もう帰ってこれないんだって………」



この館を支配するは天才児と言われた”ヴァニカ=コンチータ”。


さぁ、今日も最後の晩餐会が開かれる。


「いやあぁ!ヴァニカ!!正気なの!?母である私を食べようなんて………いいから、離して!!助けて!!!」
「イ・ヤ♪アンタには報いを受けてもらうし、食べてみたいって思ってたし♪」
「申し訳ありません、ノワール様。しかし今のご当主はヴァニカ様………貴方は、いわゆる餌の一つで御座います」




「いやああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!」





絶叫は木霊す。

遠く離れたガルヴィの森林まで。

ある者は耳を塞ぎ、

ある者は震え上がり、

ある者は唇を噛みしめ、”「元」ご当主”の肉を切り、焼いて、味付けして、嬢の所まで運ぶ。

「ン〜。やっぱ、金に眩んだお母様は不味いわぁ。食べるけど」

黙々と食べ続ける彼女。次々と運ばれる料理。

「あ、コレ美味しい!味付けとか、絶妙ね!」
「お褒めの言葉、有難うございます」

召使の一人が頭を下げる。

「…………でもね、私、もっともっと美味しい物があると思うの。この世の、最高の美食」

「………そうですか」


「え、そうですかって………無いでしょう?もういいわ、皆、コイツ調理場に運んじゃってよ」

「「「「「「「「分かりました」」」」」」」」

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!離せっ離せぇ!!」


「もっと、もっと、食べたいわ。最高の、食べ物。あの子は私に舌を唸らせられるのかしら?」


彼女は、この世でいう”カニバリズム”の持ち主。

ヴァニカが命の終わりまで求める、それは”世界最高の悪食”

その為なら生贄が必須。

隣にある町の者は3分の1の人口が減ってしまった。


「決まり事、その一!」

『ヴァニカ嬢を満足させろ!』

「決まり事、その二!」

『ヴァニカ嬢に為なら命捧げろ!』

「決まり事、その三!』

『ヴァニカ嬢を空腹にさせるな!』

「決まり事、その四!」

『冷蔵庫六つ分がヴァニカ嬢の一日分として扱え!』

「決まり事、その五!」

『敬え!称え! 我らが誇り、ヴァニカ嬢!この世界の食物は全て、ヴァニカ嬢の為だけに生まれ、育つ!』


『ウオォォォォォォォォォォォォォォオ!!!!!』


「今日もルールを、全て守れ!!!各自持ち場につけ!」


今日も、腐敗しきった館は、騒がしい。


第一話 終わり