二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【ボカロ曲小説集】色蝶の行く先ぷらす参照800超え!!?  ( No.265 )
日時: 2011/05/21 14:00
名前: 藍蝶 (ID: 3i70snR8)
参照: http://www.youtube.com/watch?v

Φ第二話



「………勿論、私は貴方達が作った物は全て食す。のみならずこの世の物、全て!」

シェフの足音が五月蠅い。

ナイフの動く音が五月蠅い。

生贄の叫び声が五月蠅い。

「まだまだ胃袋には、空きがあるの!沢山、沢山よ、とにかく沢山!」

「今日のスパイスは、裏オークションで仕入れてきた青白く輝く、猛毒で御座います」
「あら、気がきくのね。ふふ、最適じゃない♪あ、これ、もう肉ないからさげて」
「かしこまりました」

「おい!もう、食料無いぞ!!」

「そ、そんな………!どうされますか?ヴァニカ嬢」
「………皿を食べるわ。美味しそうって、思ってたから」

無言で皿を食べ始める館の主。
息を飲む使用人。

「意外と、いけるわね。ふふ、これでいいじゃない」
「畏まりました、これからメニューに”皿”を追加させていただきます」
「有難。宜しく♪」




晩餐は、終わらない。




〜今日の朝食〜

・雑草16種の野菜ジュース
・鉄分のみたっぷりコーンフレーク
・毒茸のコンソメスープ
・シェフ のきまぐれサラダ
・召使 特製ブリオッシュ
・季節外れの フルーツ 盛り合わせ
・永遠に眠れなくなるコーヒー(カロリー控えめ)
・漆塗りの茶碗メインの蝮入りスープ











とある、夏の暑い日。

事件は起こった。



今年に入って、15人目に入ってきたシェフが、こう言ったのだ。

「あの、その………そろそろ、僕達にもお暇を、いただけませんか………?」


「(全く、使えない奴らばっかり)………いいわよ」

「本当………ですか!?」

「えぇ、ただし、永遠に………ねぇ?」

「…………それは、ヴァニカ様の胃袋に収まれ……という事、ですか」

「そうです。先程の発言は決まり事その1、2、5に、反します」

「分かりました」

裏切り者という罵声を浴びせられながら、苦笑いして彼は調理場に足を運んだ。

その後、彼の命ある姿を見た物は、いなかった。

第2話 終わり