二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【ボカロ曲小説集】色蝶の行く先ぷらす トリノコシティ連載中 ( No.440 )
- 日時: 2011/07/10 18:03
- 名前: 藍蝶 (ID: UgVNLVY0)
- 参照: 雛が……死んじゃった……
第9話
「えと……」
とりあえず辺りを見回す事にした。
でも、何もヒントが無い……訳でもなかった。
壁に掛けられたカレンダーに4つの月が書かれてある。
今書かれてるのは9月、10月、11月、12月。全て漢字で書かれた物の為、ご丁寧にふりがな付き。
「(絞めたっ!)えと、えと、9……月、2日です!」
すると女の子はあからさまに顔が綻んだ。
「そっか。過ぎちゃってるけど、来年はプレゼントあげるからね」
(プレゼント……か)
今は9月14日。私の誕生日は、あの襲撃があった日だ。
思い出したくない最低最悪の誕生日。幸せに迎える筈だった誕生日。
私は涙をグッと堪え、姿勢を正す。
「塔宮さん、質問は後にしてね?ラヤさんの席は……あ、片倉さんの隣ね。ほら、あの長い三つ編みの女の子の隣」
「あ、はい」
ランドセルを背負い直し、隅を通って席まで行く。
でも、まぁ……こういうのは全然見た事が無い為、よく分からない。
とりあえず、木で出来た低い椅子を引き、座る。
「よ、宜しくね?私、片倉七生(かたくらなお)。地味で目立たないけど……」
その片倉七生、と名のった少女は三つ編みの上に眼鏡を掛けており、確かに地味に見えるが、
よく見れば整った端正な顔立ちをしており、中々可愛らしい。と考えてる私はレズか。
「うん、宜しく。友達いないから」
ニコッと笑ってみた。片倉さんも微笑んでくれた、嬉しい……。
「じゃぁ、授業始めるわよ〜!まず国語ページ67開いて————
昼食や休み時間含め5時間勉強し、私は帰宅。
七生ちゃんともすっかり仲良くなって、「家に寄ってく?」って言われたけど、断った。
日堂さんがきっと鬼の形相で待ち構えてるんだ。でも、それは夢だったとかにしてほしい。
「た、只今……戻りまし……」
<パチンッ!!>
「遅い!何時まで俺を待たせる気だ!」
明らかに怒りを含んだ顔。ついでに顔が赤い……お酒でも、飲んでたのかな。
「お前など、何で生きてるんだ!100文字以内で答えてみろ!それが出来ないならさっさと血濡れた母国へ帰れ!」
帰れたら、帰りたい。
第9話 終わり