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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【ボカロ曲小説集】色蝶の行く先ぷらす トリノコシティ連載中 ( No.449 )
- 日時: 2011/08/28 19:19
- 名前: 藍蝶 (ID: BEaTCLec)
- 参照: すみません、しばらく更新停止状態でした。ちょい短め。
∮第12話∮
あれから何時間経っただろう。
私はどうやら薬の副作用でああなったそうだ。……危ない薬。
にしても、流れた映像は一体何だったんだろう。
とても優しくて残酷だった気がする。
そんな病院生活も流れて私は中1になった。
私は”虐め”を受けていたらしい。学校に来た時は散々殴られて蹴られた。
今、私は全力で廊下を走っている。後方には鋏を持った集団が笑いながら追いかけて来る。
そう、髪を切るつもりなのだ、あいつ等は。
「つっかま〜え……たっ!」
女子の一人が私を後ろからドンと押し、廊下に倒した。
「よくやった、水希!」
「取り押さえろー!」
「かかれー!」
あっという間に押さえつけられ、私は動くことすらままならなくなる。
「ほぉら、すぐ楽にしてやるよ」
ジャキ……
私の長く伸ばした蒼い髪の一部が、ぱらぱらと床に散る。
「あたしもあたしもっ!」
「面白そう!」
「ざまぁ!」
「あははははっ」
ジャキン、ジョキ……
次々と髪が切られていく。その度に床が蒼色に染まっていく。
「あ、あぁぁ……!」
結局髪は肩までに切られてしまった。
一人取り残される恐怖、孤独、罪悪……
出所した似ない父に虐待を再開された。生傷が絶えない。
中学生の良い思い出なんて、一つもなかった。
そして高校1年生。成績のおかげで学費は免除される事になり、寮付きの地元の高校に通った。
病院のベットで目が覚めてから、私は何となく生きている。
この世界が好きだけで生きてて、
人間が嫌いだから孤独のままで、
世界に愛着が沸いているわけで、
孤独が大嫌いだから生きている。
答えが見えなくて疲れ切った愛なんて……いらない。
第12話 終わり
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