二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【ボカロ曲小説集】色蝶の行く先 ぷらす オリキャラ募集! ( No.72 )
- 日時: 2011/04/29 16:03
- 名前: 藍蝶 (ID: 3i70snR8)
- 参照: ブリオッシュ美味しそうだった。今度作ってみよう←
第6話
あの子との別れから、幾月。
もう、体は動かなくなっていた。
お迎えはもうすぐ来るのかしら?
パパの言う事聞かなかったんだから、当然地獄よね。
こんな事になるなら、あの時の別れ際に強がらなければ良かった。
でもそれは過ぎた願い。もう、遅いの。
あの子はもう釈放されているのかな?
だって、彼は十の時捕まったって、手紙に書いてた。
4年も経てば、釈放されるよね?
私は、貴方もう一度会いたい。笑っている貴方に。
あいたい、アイタイ、aitai……
会いたい。
私は光の当たらないただの花。
そんな花は、すぐに散ってしまう運命なんだよ。
でも、
君のくれたあの手紙が私に光をくれたんだ……
私は、震える腕を何とか持ち上げ、棚に置いておいた手紙を手に取った。
もう、手紙の文字が歪んで、読めない。
涙じゃ、ないの……
こういう病気だって、分かってるから。
部屋に響く無機質な音。
ぼやける視界に映るパパとその声。後は、誰だろ。
『………亜!……梨亜!戻っ………い!真………!!』
『お父……!部屋か……出……ださい!』
よく、聞こえない。何を、言ってるの?
視界からパパが消える。
息苦しい。
涙が滲む………
『今、投げますから!ちゃんとスペアあるんですよ!(笑)』
『いつも、貴方の手紙を読むと、心が温かくなるんです』
『ど、どういう……事ですか?遠くに行くっ……て……』
『待つ……!何時までも待って……』
『手……大事…大……………ってたら、また………………よね?』
あぁ、記憶がバラバラに蘇って、散る。
お願い、神様。
もしもこの瞬間が最後なら、あの子のもとへ……………
目を開けば、傍らにいる父。
切なげな笑顔で、こちらを見ている。
私の手には、パパの支えで彼の手紙……紙飛行機が握られていた。
どういう、風の吹き回しだろうか?
でも、これで最後も彼といられるのね?
<ピッ……ピッ……ピッ……>
呼吸が出来なくなってきた。
全身の力が、抜ける。
それでも、私は最後に、
とびきりの笑顔を作った。
<ピッ………ピッ………ピーーーーーーーーーーーーー>
そうして、私は14年間という短い人生の、
幕を、
降ろした。
第6話 終わり
*作者息抜きすぺーす*
こんちわ。藍蝶でっす←
もうすぐ終わりだぁ!いや〜、頑張らなきゃ。
だって、一日一話ペースが崩れ始めてるしww
ではでは。